1部リーグは上位・下位に分かれて2巡目をスタート。残りは6試合、さまざまなものがかかった戦いに入る。
拓殖大が明治大に勝利して第12節の雪辱を果たす
10/8の第12節で明治大に逆転負けを喫した拓殖大が、すぐさま明治大と再戦。1Qは互角のところから、2Qになると#24ユセフ(4年・C)のインサイドが決まりはじめ、#74小森(3年・PG)のスリーポイントも決まってきてリードする。しかし明治大も#60武藤(1年・SF・開志国際)、#91塚田(1年・SF・土浦日大)の連続スリーで返し、逆転。拓殖大は#9白石(1年・PG・九州学院)が最後にスリーポイントを決めて34-36で前半を終えた。3Qになると明治大のシュートが落ちてきて、じわじわ拓殖大が引き離していくと、約10点ほどのリードを保っていく状態に。明治大は4Qも攻めていくが確率が上がらない。拓殖大が54-66で逃げ切りを決めて、2勝目をあげた。
山梨学院大が江戸川大を逆転で5勝目
1部昇格同士の対戦は、競り合いからの逆転劇になった。前半は接戦となり、山梨学院大は立ち上がり、#67武内(4年・SG)のスリーポイント、#2カボンゴ(4年・C)のダンクなど、いいところが出たが、江戸川大は#13大出(3年・SG)が好調。#1ジャキテェ(4年・F)や#5梶谷(1年・G・広島皆実)のドライブも決まって19-23とリード。2Qは#2カボンゴがゴール下で存在感を発揮するが、江戸川大は#13大出のシュートが次々に決まり、前半は40-43。#13大出が前半だけで18点を稼いだ。
3Q、江戸川大のディフェンスが破れず、山梨学院大が次々にターンオーバーを犯すと、江戸川大が開始数分で一気に引き離して12点のリードに。山梨学院大は前半沈黙してしまうが、#90野溝(3年・PG)がアタックし、絶妙なフローターなどで切り崩していくと5点差まで縮めることに成功。4Qは開始2分に#46河田(4年・SF)がスリーポイントのフリースローで同点に戻した。ここから互いに激しいディフェンスの応酬で約2分間互いにノーゴール。行き詰まる攻守で突破口を作ったのは山梨学院大#64山田(4年・PF)。ここから山梨学院大は#90野溝の得点が続き、7点のリードに成功する。江戸川大はファウルトラブルになりつつも、スリーポイントや速攻といった持ち味で反撃し、残り1分で2点差に縮めるが、残り35.6秒で#90野溝のドライブが決まり、そこからはフリースローを得ていった山梨学院大が88-86で逃げ切った。
拮抗した流れで山梨学院大は#90野溝が30点、江戸川大#13大出が31点とそれぞれの得点源も活躍。江戸川大はディフェンスを激しくいく分、ややファウルが増えてしまい、好機を捉えきれなかった。
日本大はブレイクを連発し、後半で筑波大を圧倒
1巡目は日本大が勝利している対戦は、2巡目も最終的に大きな差がついた。筑波大は立ち上がりのディフェンスが良く、相手のミスを誘う。#31小川(3年・PG)のスリーポイントが連続で決まったほか、インサイドにもたびたび飛び込んで得点し、1Qは13-21とリードを奪った。日本大はオフェンスのきっかけがないところから、2Qに#7新井(2年・SF)の得点で落ち着いてくると、3Qに#15一戸(3年・PG)、#8陳岡(4年・SG)の速攻が続いて逆転。ここから#8陳岡のスリーポイントが次々に決まり、流れを掌握。3Qだけでチームでスリーポイントが5本決まり、58-39と圧倒すると、4Qも#4井上(3年・SG)の速攻など、チームをわかせるプレーが続いて、75-45。2度目の対戦でも大差をつけた。
日本大はこの試合も#12コンゴロー(3年・C)が欠場。1Qこそ出遅れたが、2Q以降はディフェンスを締め、走って得点を稼いで、筑波大に息つく暇を与えなかった。筑波大は後半に失速してしまい、得点が伸びず。ようやく#34三谷(4年・SF)が復帰してきたが、今度は#14坂本(1年・SG・中部第一)、#5岡川(2年・C)、#7星川(1年・SF・洛南)が欠場し、なかなか選手が揃わない状態が続く。
【INTERVIEW】「走るのが役割」自分がやるべきことを遂行して勢いをもたらす/#4井上水都(日本大・3年・SG)
19得点のチームハイ、2本のスリーポイントも決まってチームをわかせた。途中出場して流れを変える印象が強いが、目立つのはランプレー。元々の走力に加えて、#3米須のパス出しに最も早く反応して走り出せる、タイミングの絶妙さが度重なる速攻にもつながっている。米須の欠場中もどこでどう動くべきか、互いに認識をすり合わせてきたからの賜物だ。この日も何度も勢いある速攻を決めた。ディフェンスから切り替えての走りは「きついんですが」と言いつつも、チームを乗せるプレーは必見だ。
─後半に逆転する流れになりました。
「前半は離されたんですが、途中から出ていた新井(#7)や陳岡さん(#8)が繋いでくれて、僕自身はディフェンスからしっかり入れて、後半に引き離す準備をして前半が終われたかなと思います」
─この前の水戸での3連戦は延長戦や敗戦があり、厳しい試合が続きました。そこからの中4日での修正は。
「水戸では怪我人が多かったです。自分も3連戦の初戦で怪我をしましたし。まあ自分は大丈夫なんですけど、特にチームとしてデイビッド(#12コンゴロー)がいないというのもあって、そこをどうカバーするかというのがチームの課題でした。だから走って留学生に頼らないようなバスケットをしなくてはいけないというのを、この短い3回、4回の練習の間で突き詰めてやって、それが結果に出たかなと思います」
─まずはディフェンスから、というところでしょうか。陳岡選手もディフェンスが大切といいうことは言っていました。
「そうですね。ガードがハードに守りにいって、そこを練習から変えていって、その強度というのが試合にも出せたし、そこから走れたのかなとも思います。ただディフェンスの圧力をかけるだけでなくて、1対1をしっかり守るということを全員が意識して臨んでいました。筑波大の個人能力はやはり高いので、1対1で負けないというところで、いつもより頑張れたと思います」
─そこから生まれるブレイクが今日の試合では大きかったですが、井上選手がよく走りました。
「玲音(#3米須)はパスが出せるので、ディフェンスをやってブレイクというところが一番効果的だし、そこは常に2人でコミュニケーションをとりながらやっています。ディフェンスしたあとに走るのは本当にきついですけど、僕が走るのは役割だと思うし、みんなができないところを頑張ろうかなと思っています。きついですけど。そこはめちゃめちゃ頑張っているつもりです(笑)」
─米須選手とはかなりその意識合わせをしているのですか?
「自主練などで一緒にやったりして、ここを動いたらこうだねということは、彼が復帰する前からコミュニケーションをとってやっていました。今までそんなに一緒に出るタイミングがなかったんですが、学年が上がって一緒に出る時間が増えてきて、こういうプレーが出せているというのはいいことだと思います。彼が怪我をしたぐらいから昼間とか朝とか、自主練でそういうことをやってきて、試合で出せています」
─そういう井上選手のプレーが流れを変えることにつながっている場面が多いように思います。
「スタメンはみんな力があります。自分は出たときにリーダーシップを取って、全員をディフェンスならディフェンスでリードして、オフェンスも積極的に狙うことを意識しています。それが結果的に流れを変えるタイミングになっているのかなと思います。自分では流れを変えてやろうと思って気負って出ているわけではなく、やるべきことをやれば変わるかなと、そういうマインドです」
─やるべきことをやることが、成果になっているということですね。残り5試合に向けて。
「勝つのはもちろんなんですけど、この次にインカレがあります。どれだけチームの中ですり合わせて、学年関係なくプレーをつないでいけるかということがすごく大事だと思います。それは去年とても感じたところです。リーグで出し尽くしてしまうことがインカレで勝てない要因の一つでもあったので、リーグを優勝するのはもちろんですが、その先も見据えながら試合の中でチャレンジしていくことを大事にしたいと思います」
白鷗大会場の3試合は、東海大、神奈川大、専修大が勝利
東海大は大東文化大と1Qごとに勢いが入れ替わる展開となるが、4Qを4点と失速した大東文化大が破れ、水戸大会に続き東海大に2敗。
神奈川大は早稲田大を2点差で破り、白鷗大は1Qから専修大をリードして勝利し、2敗を維持。
なお、首位の日本体育大はこの日は試合がなかった。
【第14節/勝敗】
<上位リーグ>
白鷗大学 12勝2敗
日本体育大学 11勝2敗
日本大学 11勝3敗
大東文化大学 9勝5敗
専修大学 9勝5敗
東海大学 9勝5敗
筑波大学 8勝6敗
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<下位リーグ>
中央大学 6勝7敗
神奈川大学 6勝8敗
山梨学院大学 5勝9敗
明治大学 4勝10敗
早稲田大学 3勝11敗
江戸川大学 2勝12敗
拓殖大学 2勝11敗
※試合数が異なるため勝敗のみ