【関東リーグ2023/2部】国士舘大が法政大を倒し無傷の15連勝、駒澤大は延長戦を制し3位へ(15戦目/2023.10.7)

2023関東リーグ
延長戦を制した駒澤大。この日はOBの面々が多くかけつけたが、勝利を見せることができた。

1部よりも早く進行している2部リーグは、既に2巡目の半ばに入っている。15節は駒澤大学の玉川キャンパス会場で、上位を占う重要な対戦が続いた。

国士舘大は全勝で揺るがなかったが、2位以下はそれぞれの勝敗数が近づき、終盤までまだわからない。2部リーグはあと7試合。追うもの、追われるものの熾烈な戦いが続く。

駒澤大は東洋大との延長戦を粘って制し3位

この日、駒澤大会場をわかせた大一番は、延長戦にもつれ込んだ。

1Qから競り合う東洋大駒澤大は、互いに譲らず1Qは15-14。2Qは東洋大の#11先崎(4年・PF)のシュートで盛り上がり、#67新井(4年・SF)の2本のスリーポイントも決まると、#5佐藤(3年・PG)がそれに続き、一時は8点のリードに。しかし駒澤大も残り2分から#11齊藤(3年・SF)がうまくゴール下に入るなど、得点を重ねて追い上げ、前半は39-36。

3Q、東洋大は#14長野(3年・SG)の速攻や#5佐藤のジャンパーで再びリードを広げるが、駒澤大は開始3分に#3田中(3年・PG)のフェイダウェイが決まるとようやく同点に追いつく。ここから1点を争う展開となり、駒澤大は#4石川(3年・PG)や#10宮内(4年・PG)のスリーポイントで、東洋大は#14長野やパスを回しての合わせなどで対応し、東洋大3点リードの60-57。

東洋大は#14長野が21点のチームハイ。粘ったが終盤に確率が落ちた。

4Q、立ち上がりにスリーポイントが2連続で決まった東洋大。しかし駒澤大も切れない。#35星(3年・PF)のスリーポイントに、#31石山(4年・C)がゴール下で粘って70-68となったところで勝負が膠着状態に。残り3分半から互いにターンオーバーで得点できない中、その流れを断ち切ったのは#3田中。残り1分半でスリーポイントが決まると70-71の1点リードに。しかし残り時間は東洋大の#25ヌンビ(1年・C・福岡第一)のフリースローが1本決まり、71-71で延長戦へ。

駒澤大は#35星が内外から決めて18点。延長戦の勝負を決めるシュートも沈めた。

最後の5分も互いに点を取り合った。取られたら取り返す攻防は残り23.7秒に駒澤大の#35星のスリーポイントが決まると82-83。東洋大は続く攻撃で痛恨のパスミスを犯し、攻撃権を得た駒澤大は#4石川のフリースローで82-84。激闘を制して駒澤大が大きな1勝をあげた。

【INTERVIEW】「どこにでも勝てるし、どこにでも負ける。自分たちが集中しきれるかが勝負」#3田中晴瑛(駒澤大・3年・PG)

駒澤大のエースガードとして昨年から中心的存在となっている。この試合では勝負どころのスリーポイントでチームをわかせた。リーグ戦のかたわら、先日まで行われていたアジア大会の3X3でU22として代表に選ばれ、帰国したばかり。同じバスケでも違うリズム感や体力を使う5対5の試合に身体を慣らす難しさを感じつつも、大事な試合に勝ちきった。駒澤は連敗もあったが、持ち直して3位につけた。残りの7戦も負けられない。

─接戦を勝利しました。今日はどんなところが良かったでしょうか。

チーム全員で我慢しきったところが一番良かったと思います。駒澤はどこにでも勝てるチームですが、どこにでも負ける可能性があるチームということを、自分たちでも言っています。ここまで、自分たちが先に集中を切らしてしまったせいで、負けるゲームが続いたかなと思います。今日は全員で粘ってやりきれたと思います。

─今日は勝負どころのシュートが全員良かったですが、互いに点が止まっていた状態から、田中選手のスリーポイントが4Qの終盤に決まったのも大きかったです。

自分がスリーポイントを絶対に打ってやる、という気持ちではなかったんですが、空いたらやらなければいけないし、コートの中では自分が引っ張っていかなければいけないと思っていたので、あそこで決められてすごく良かったです。

─今年のリーグは昨年よりもパスに徹している印象があります。その辺はいかがですか?

リーグ戦に入ってからシュートタッチがあまり上がらないという期間が続いて、その中でずっと打ち続けるというのも選択肢としてあると思うんですが、一番はチームが勝つためにプレーすることが自分の役割だと思っています。だから味方の調子が良ければ味方にさばいて、味方が苦しくなったときは自分が点を取ることができればいいかな、と考えてやっています。

─バランスを考えて、ということなんですね。現在3位で上位を狙える位置にいますが、この先は何が大事だと思っていますか。

自分たちの中で一番大事だと思っているのは、明日の上武大戦です。上武は昨年も1巡目に負け、今年も1巡目に負けていて、ちょっと苦手意識があります。自分が1年の時も負けていますし。チーム全体として上武に対して少し意識しすぎてしまっている部分があると思います。明日は気合を入れて自分たちのバスケをしながら、相手のことを突き離せるように戦いたいです。

─超えるべき壁なんですね。ここまでのリーグ戦の感触は?

どこのチームに対しても戦えるという印象は、全員の選手が1巡目で持ったと思います。だから勝つためにどこまで耐えられるかというのが自分たちの勝負だと思うので、それを全員で発揮しできるように戦いたいです。

東洋大戦は#31石山(左)が13点10リバウンドのダブル・ダブル、#11齊藤(右)は18点でチーム全体でもアグレッシブに戦った。

─田中選手は直前まで3X3日本代表としてアジア大会に参加されていましたよね。

月曜日に帰ってきて、水曜日にチームに合流して、そこから今日の試合を迎えました。3X3では、世界の壁を感じながら、自分で戦える部分も見つけ出したところがあります。

─3X3と5対5では違う部分もあると思うんですが、いきなりのリーグ戦は大丈夫でしたか?

一番大きいのは体力面でしたね。3X3はスリーポイントのラインまでしか動かないので、心肺機能としては厳しいですが、長距離を走るというのとはまた違った体力の使いかたをします。だから今日の1Qは走るのがすごくしんどかったです。

─そういうアジャストの難しさがあるんですね。勉強になったところはありますか?

ピックがすごく多いので、ピックでの判断だったり、自分でショットに行ききるという判断を学べたのは、すごくいい部分だったかなと思います。いい経験をさせてもらいました。

─5対5で活かせる部分をぜひ見せてください。ありがとうございました。

国士舘大は安定した試合運びで15連勝

首位の国士舘大は2位法政大との2度目の対戦を84-63と差をつけた。

1Qは互角の立ち上がりで、法政大は怪我から復帰してきた#9黒木(4年・PF)のシュートも好調。2Qには#3今池(4年・PG)、#7本山(2年。PG)のスリーポイントも決まった。しかし国士舘大もシュートは安定。要所で#25鍋田隆征(4年・PG)のスリーポイントが決まり、#9大滝(3年・SG)もそれに続くと39-37で前半終了。

法政大は#9黒木が18点。得点源の一人として、復帰は大きい。

3Qに流れを国士舘大が掴んだ。立ち上がりに2本のスリーポイントが決まると、一気に差が開く。しかしここで法政大#25鍋田憲伸(1年・PG・福大大濠)が3連続のスリーポイントで食らいつく。しかしその後も国士舘大のシュートは高確率で決まると、法政大はオフェンスリバウンドが取れずにじわじわと引き離された。法政としては仕切り直したい4Qだが、国士舘大が#34木島(3年・SG)を筆頭に積極的なアタックを決めていく。法政大は攻撃が散漫になり、決定力が落ちていくと最後は差が開き、タイムアップ。順位は動かないが、国士舘大は無敗を守り、法政大は3敗目となった。

国士舘大は#3佐藤が14点14リバウンド。ゴール下を献身的に支える。

青山学院大が高確率のスリーポイントで順天堂大にリベンジ

青山学院大は1巡目に破れた順天堂大と対戦した。立ち上がりからスリーポイントが好調で、また、ディフェンスでも順天堂大の得点源に対応。前回の対戦でやられた部分を修正し、リードを握った。順天堂大はエースの#55戸笈(4年・G)が守られてきれいにシュートに行けない中、#13中川(4年・SF)や#56勅使河原(2年・PF)らが奮闘するが、この日の青山学院大はスリーポイントの確率が落ちない。またインサイドでは#7進(3年・SF)が高さとフィジカルの強さを発揮。#1細川(3年・PF)も内外で次々に得点すると、99-77で前回の雪辱を果たした。

青山学院大はスリーポイントが得意な順天堂大相手に15本を沈め、上回った。これで順天堂大をかわし4位へ。大事な試合を続けて落としてきたが、終盤戦で巻き返せるかに注目だ。

20点16リバウンドの青山学院大#7進。なかなからしさを出せない試合が続いていたが、強さを見せた。

【第15節終了/勝敗】
1位 国士舘大学  15勝0敗
2位 法政大学   12勝3敗
3位 駒澤大学   10勝5敗
4位 青山学院大学 9勝6敗
5位 順天堂大学  9勝6敗
6位 東洋大学   8勝7敗
7位 明星大学   6勝9敗
8位 東京成徳大学 6勝9敗
9位 上武大学   6勝9敗
10位 関東学院大学 5勝10敗
11位 帝京平成大学 2勝13敗
12位 玉川大学   2勝13敗

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