【関東リーグ2023/1部 CLOSE UP】「失うものは何もない」4年生としてどうあるべきか、責任を持って最後のリーグに挑む/#35平田航大(筑波大・4年・PG)

2023関東リーグ

4年生が少ない今、引っ張っていくことが大事な役目

秋のリーグで、開幕からスタメンとして#31小川とのツーガードを務めている#35平田。Bチームから上がって努力してきた選手だが、チームで存在感を高めている4年生だ。

怪我人が続く筑波大は今季、ガードポジションがやや手薄となっている。#19岩下(2年・PG)が4月の日筑戦で負傷し長期欠場中、#31小川(3年・PG)はアンダー代表の活動もあり、チームを不在にする期間もあった。Aチームは上級生ガードが他におらず、必然的に平田が担う部分が増えてきていたのが、この春からここまでのチームの状況だ。幸い、今季Bチームから昇格してきた2年生の#3黄(2年・PG)が新人戦で活躍を見せ、一定の役割をこなせる見通しが立ったが、それでも最上級生として、ガードとして、平田の担う部分は少なくない。

「もともと自分はセカンドのガード。こんなに試合出るとは思っていませんでした。正直、自分にできるのかと思うところはありますが、もう4年生なので失うものはない、そんな気持ちでやっています。4年生が少ない年であり、全員が揃うことがほとんどない中、実力的には拙いけれど、引っ張っていくということを意識しています」

筑波大は現在も怪我に泣く状態が続いている。#11横地(4年・PF)は昨年の膝の怪我でまだリハビリ中、リーグ戦では主将の#34三谷(4年・SF)も中途出場の予定だ。試合に出る4年生は現在キャプテンを務める#2木林(4年・PF)と平田の2人。スタメンについては「怪我人が復帰すれば、どうなるかはわからない」という状況だが、数少ない4年生としての役割は大きく、春は三谷が「平田が相談相手になってくれている」と言い、彼がコートにいない今は、木林のサポートとして平田の存在が欠かせない。

2戦目の東海大戦では平田の速攻にチームも沸いた。

筑波大は1戦目、日本大に18点差の敗戦となったが、2戦目の東海大戦では立て直し、4Q終盤の平田の2本の速攻がチームに流れを呼び込んだ。

「狙ってスティールしたというよりは、ちょうどボールが来た、そんな感じです。自分の仕事はディフェンスですが、運が良かったと思います」

これで初週は1勝1敗。ただし、1戦目の大いなる反省はある。

「毎回の練習でもスタートが淡々とやってしまうのは、チームの悪いところです。日本大戦はそれが試合にも出てしまいました。そのため、2戦目の東海大戦はプッシュしていけるところはフィニッシュまで持っていくことを意識したし、初戦の負けでチームの雰囲気が沈んでいたので、そこは4年生の自分や木林が中心になってコートで盛り上げていくことを大事にしていました」

能力が高い選手が揃うからこそ、淡々としてしまう部分はある。それをさせないように、どう動き、打破するかを考えつつのプレーが続く。

Aチーム昇格時に実力ある先輩たちに揉まれたことが今の自信に

春の新人戦は一般入学生である黄が存在感を示したが、平田も大阪の寝屋川高校出身。バスケで有名とはいえないところからの入学であり、入部だ。

「もともと、関西の大学に行こうとしていましたが、自分が受験を考えていたときの筑波大はインカレで優勝していて、すごいメンバーたちが揃っていました。そこで、やってみたいと思って筑波を目指すことにしたんです。部活との両立は苦手だったので、トレーニングも頑張ったけど、高3の10月に部活を引退して、勉強はそこから必死にやりました」

筑波大の体育専門学群の試験は実技も評価されるシステムだ。学力が必要なことは確かだが、「黄は医学なのでまったく違いますが、こちらは勉強も必要ですが、実技が得意な人であれば挑戦してみるといいと思う」という。現に、最近は一般で入部してくる選手も少なくなく、また筑波大はBチームからセレクションを突破し、Aチームに上がってくる選手もときおり存在する。

「入学したときはBチーム。Aチームに上がったときは、2番ポジションで二上さん(現B1千葉)や半澤さん(現B1京都)がいたときだったので、マッチアップでもボコボコにされました。でもその2人とできる環境で1年を過ごしたことが、すごく自信になっています。今は一般生だからといって関係ない、引っ張ろうという気持ちです」

また、現在は同じBチーム上がりの黄との切磋琢磨も刺激になっている。

「黄とは自主練で1対1をやったりしますが、彼はスキルがあってBリーグにも行けると僕は信じています。新人戦で活躍したせいでマークもされていますが、絶対にやってくれるだろうし、彼をプレイヤーとしてすごく信頼してやっています」

新人チームは関東新人戦準優勝、新人インカレ優勝で、チームを勢いづかせている。そんな部分も見習わなければならないという。

「新人チームは練習中から雰囲気がよく、紅白戦をやっても上級生チームと競ったりすることもありました。その雰囲気を3年、4年生もしっかり受け継いで見習わなければならないと思っています。リーグ戦は長い戦いになりますが、一人ひとりが気持ちを出して、目の前の相手に勝つということを全員がやれば勝てると思うので、それを継続してやっていくというところが鍵になると思います」

筑波大は第4戦では明治大と延長戦になるなど、チームとしてまだ不安定な部分はある。しかし、そんな中で4年生として何を見せるか、平田のプレーに注目したい。

【DATA】
平田航大
183cm/76kg/PG/寝屋川高

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