天皇杯のイレギュラースケジュールを終え、1部リーグが再開。ここから1巡目の終盤に入っていく。
首位争いはここまで無敗を誇ってきた大東文化大に遂に1敗がついた。これにより4チームが1敗で並び、ここからが面白くなったともいえる。また、7位までの上位グループに入るためにも、ここから1敗もできないというチームが中盤に並ぶ。上位・下位ではリーグの中身も価値も変わる。残りの試合はどれも見逃せない。
また、天皇杯等の参加もあったため、やや長めのインターバルを置いた1部リーグだが、ここに来て各チームに怪我が増えてきている。疲労も溜まってきており、注意が必要な時期だが休ませつつ、使える戦力でどう勝ち星を上げるか、チームの運営力も問われる。
大東文化大が日本大に破れ、1敗はほか白鷗大、日本体育大の4チーム
全勝で来ていた大東文化大だが、日本大戦は主力の欠場が相次ぎ、#39アブドゥレイ(2年・C)、#21富山(3年・PF)、#10菅原(3年・SF)がこの日はベンチ外。対する日本大は主力が安定した活躍で1Qからリードを奪い、前半だけで58点を稼ぐと、84-71で勝利した。入学以降、「大東文化大に勝ったのは初めて」という#8陳岡(4年・SG)がスリーポイント4本を含む18点、インサイドでは守護神#12コンゴロー(3年・C)が25点15リバウンドの活躍だった。
白鷗大は明治大を序盤から引き離して勝利し1敗を守った。日本大、大東文化大のほか、この日試合のなかった日本体育大とともに4チームが勝敗数で並ぶ結果となった。1敗の日本体育大はここから大東文化大・日本大・専修大・白鷗大と、1巡目最後の4連戦は最も過酷な4試合。1部リーグ一番の見どころになりそうだ。
東海大は専修大に競り勝ち、上位争いに食らいつく
東海大と専修大は終盤まで激しい競り合いになった。1Q、2Qとも点差はつかないが、専修大がやや追う形。しかし2Qの終わりにブザービーターでスリーポイントが決まり、2点リードで前半を終える。3Qは2Q 終盤に#13クベマ(4年・C)が足を痛めてコートには立たず、その間に東海大がディフェンスとリバウンドで粘り、#0黒川(4年・PG)を筆頭に得点を重ねて引き離す。専修大も終盤追い上げを見せて粘るが58-67で東海大が勝利。
前節、日本体育大に94-51という大敗を喫した東海大。内容も良くなかったが、そこからの立て直しについて陸川監督は、4年生とのミーティングを行って、やるべきことを確認しあったという。「私も過去に学生代表の監督を初めてやったとき、韓国相手に打つ手がない、という試合を経験したし、起こること」というが、自信を失うことだけはしたくないと、学生たちとやるべきことの認識をすり合わせたという。
「あの後すぐに虎徹(#0黒川)をはじめ4年生がミーティングをしましょう、と言ってきて、ミーティングをして、言いたいことを全部聞きました。ただお互い言いたいことはほとんど同じでしたね。そこからまずは4年の思いを語りなさいということで、学生たちでもミーティング、スタッフミーティングをして、いい練習を積み重ねてきました。少し時間があいたのもあって、それもいい方向に働きました」と、修正を重ねたことが、結果に表れた。
怪我人もいて苦しい台所事情もあったが、#7前野(3年・PF)、#18西田陽成(3年・SG)も復帰し、ここから、という思いもある。終盤戦のもうひと踏ん張りに期待したい。
【INTERVIEW】「この試合ができたのは、日本体育大戦での負けがあったから」大敗からの修正力を見せた大一番/#0黒川虎徹(東海大・4年・主将・PG)
専修大との競り合いを制した試合は、上位チームとの対戦に勝ったという喜びだけではなく、自分たちがやっていることは正しい、と再確認できる一戦になった。
前節、日本体育大との一戦では、チーム全体で動きも良くなく、圧倒的な差をつけられてしまった。そこから10日、4年生とスタッフ、選手同士でも認識をすり合わせ、もう一度前を向いて東海大のバスケットに取り組んできた。何度も専修大に追い上げられたが、東海大らしいディフェンスと粘り強さで逃げ切った展開は、もう一度選手たちに自信を持たせたに違いない。
勝負際の4年生たちのプレーも頼れるものだったが、春から一貫してブレない姿勢でチームを引っ張る黒川の、芯の強さも見える試合となった。
─まず、前節の日本体育大戦は良くない試合になってしまったと思いますが、そこからどのように修正してきたのでしょうか。
「あの試合のあと、次の練習でまず選手ミーティングをして、自分たちがどこを目指しているのかを確認しました。自分たちがやるべきことはやっていましたが、下級生も多く、まだ不安定なところがあります。そこで目標を見失わず、しっかりやろうということを話しました。あとは一回の練習を大事にすれば絶対に崩れないし、また例え負けたとしても、自分たちのやることは変わらない、という話をしました。そうしたら練習も良くて、そこから次の試合に向けてもどんどん良くなっていったので、今日専修大相手に、自分たちのバスケットができたと思います」
─東海大は天皇杯の一次ラウンドにも参加しました。その後に日本体育大との試合があり、その分の調整がうまくいかなかったというのはあったでしょうか?
「そんなことはないです。天皇杯はむしろ日体大戦に照準を合わせてのつもりで準備もしていました。だからこそ、日本体育大に負けたあの試合が悔しかったし、負けに大きな意味がありました。インカレを優勝するには、あの負けがあったからこそ優勝できたというように、ここからさらにレベルアップしなくてはいけないと思います」
─この専修大戦は、黒川選手はじめ、4年生が要所で試合を締める活躍をしたのも良かったように思います。
「4年生が背中で見せないと、他がやろうとはならないと思いますし、自分たち4年がスタンダードを下げてしまうと、チームの士気の下がってしまうと思います。そこは4年生と話して今日の試合に臨みました」
─悪い試合のあと、今日のような試合ができたのは本当に大きいですね。
「逆にあの負けがあったからこそ、今日こういう試合ができたとポジティブに捉えています。残りも少なく、ここから落ち込んでいる暇はないと思うので、このあともどんどんポジティブにやっていきたいと思います」
7位中央大は山梨学院大を圧倒、8位筑波大は江戸川大相手に辛勝
7位の中央大は山梨学院大を1Qに8-33と圧倒すると、あとは余裕を持って試合を進めた。山梨学院大は30点差をつけられる時間帯もあったが、4Qには20点を切るところまで差を縮めるなど奮闘は見えたが、最初の差が大きく、88-98。中央大は7位を守る。
現在8位の筑波大は上位グループ入りするには、残りは全勝必須の状態だが、怪我人は続いており、#5岡川や#7星川が復帰してきた一方、この第9戦は#19間山、#35平田らが欠場に。江戸川大相手に前半は一定のリードを保っていたが、後半はゾーン対応に苦慮し、相手の早い展開やスリーポイントで終盤追い込まれた。それでも#3黄(2年・PG)の2本のスリーポイントが決まってなんとかリードを保ち、70-64。同勝敗の中央大も勝利したため順位は変わらず8位。
【第9節終了/勝敗】
大東文化大学 8勝1敗
日本大学 8勝1敗
白鷗大学 8勝1敗
日本体育大学 8勝1敗
専修大学 7勝3敗
東海大学 6勝3敗
中央大学 4勝5敗
筑波大学 4勝5敗
神奈川大学 3勝6敗
山梨学院大学 3勝6敗
早稲田大学 2勝8敗
拓殖大学 1勝8敗
江戸川大学 1勝8敗
明治大学 1勝8敗
※チームによって試合数が異なるため、勝敗のみ