1位白鷗大、2位日本体育大、3位日本大が1敗でしのぎを削る
1部リーグは後半戦に向けて上位同士の対決が続く。
1敗が4チームあった中、大東文化大が連敗で2敗となり4位へ。これに勝利した日本体育大は2位となるが、残りの対戦がすべて上位の強豪。これを勝ちきれるかに注目が集まる。
1敗で3チームが並ぶが、ゴールアベレージにより現在は白鷗大が首位。10節は拓殖大といい勝負となったが、後半に引き離した。白鷗大はリーグ序盤に日本大を倒し、大東文化大には敗戦。上位との対戦は専修大戦、日本体育大戦が残される。
2位は日本体育大。こちらは江戸川大への痛い1敗があるが、怪我人はおらず、スリーポイントと高さという強みはきっちり発揮されている。残りの3試合が日本大・専修大・白鷗大が相手で、特に重要だ。3位は日本大。白鷗大に破れた以外は安定して戦い、こちらも怪我人は少ない。昨年は前半は好調だったが、後半にやや苦戦した。今年はその壁を越えられるか。
また、中盤の7位争いは、中央大、筑波大ともに勝利して順位は変わらず。7位までの上位グループ入りをかけ、最後まで互いに譲れない戦いが続く。
試合数の差はこの10節で揃い、1巡目が終了まで残り3試合となった。
1Qからリードした日本体育大が大東文化大を下す
上位対決として見逃せない一戦だった日本体育大と大東文化大の戦いは、日本体育大が好調な立ち上がりを見せ、1Qから内外で得点。大東文化大は#23ムトンボ(3年・C)に阻まれるシーンが目立つ。1Qは27-19と追う展開になった大東文化大だが、前半は#25山内(3年・SG)が奮闘。しかし点差は縮まらず44-35。後半、日本体育大のシュート確率が落ちて競り合う状態になるが、それでも大東文化大はオフェンスのチャンスをうまく作れず、点差を縮められない。終盤は日本体育大にミスが続き、大東文化大は#4菊地(4年・SG)が立て続けのスリーポイントで逆転可能なところまで粘って差を詰めるが、やはりミスで得点につなげられないシーンが目立ち、最後は日本体育大に連続得点され83-74。
日本体育大は#23ムトンボが22点19リバウンドのほか、全員に得点が散らばり、ディフェンスの的を絞らせなかった。
日本体育大は藤田監督がアジア大会のU23チームリーダーとして帯同し、不在のため、この試合は竹山コーチが指揮を執った。「藤田さんからは気持ちが大事なので、そこで負けないように」と言われたというが、学生コーチと連携し、選手の声も聞きながら大東文化大と対峙。「初めてのヘッドコーチで内心は緊張との戦いでしたが、選手たちも言葉数が減ることなくコミュニケーションを取っていて、そこに助けられました」という。粘り強く迫った大東文化大の追撃を、学生コーチ、選手ら一丸ではねのけた。
大東文化大は前半を#25山内が牽引し、23点。後半は#4菊地が猛プッシュでスリーポイントを合計6本決める27得点、#34クリバリ(4年・C)もリバウンド17本と奮闘したが、勝負どころで流れをつかめなかった。主力4人が一気に欠場した9戦・10戦は厳しい戦いを強いられたが、1巡目の残り3連戦を乗り切りたい。
筑波大は連日の接戦、神奈川大を最後に振り切る
7位以内を目指してもう負けられない筑波大は、神奈川大と競り合った。
前半は外のシュートが当たって筑波大がリードするが、後半に足が止まってくると神奈川大が逆襲。筑波大は3Q開始3分で#31小川(3年・PG)が4ファウル目を吹かれ、苦しい展開となる。神奈川大は終盤に#3山本愛哉(2年・PG)のシュートで逆転に成功、47-48で4Qに入ると、ここからは接戦に。筑波大は#1福田(2年・SF)をガードで起用するなど、足りないポジションの対応に苦慮しつつも、数点リードして試合が進む。しかし残り5分で勝負をかけ、コートに戻した#31小川がわずか1分で5つ目を吹かれファウルアウトに。食らいつく神奈川大だが、4Qはシュートが決まらない。それでも#21阿部(3年・C)がゴール下で粘り、残り2分半に2点差で食らいつく。筑波大は神奈川大のディフェンスの前に積極的な攻撃に出ていけない中、#7星川(1年・SF・洛南)が一瞬の隙をついて仕掛け、得点。さらに最後は#1福田が決めて流れを掌握し、61-53で厳しい戦いを制した。
筑波大は前半#41大澤(2年・SG)、#2木林(4年・PF)らのスリーポイントもあり、悪くない出足だったが、#31小川が早々にファウルトラブルとなってガード不足のチームを直撃。それでも最後は下級生たちが粘って勝利のきっかけを作った。このチームも怪我が多いが、なんとか持ちこたえたい。
神奈川大は、ディフェンスは良かったが、4Qに5点と失速。最後はスリーポイントを打っていったが決まらなかった。
【INTERVIEW】「頼むぞ」と声をかけられ、強い気持ちで挑んだ勝負どころ/#7星川開聖(筑波大・1年・SF・洛南)
筑波大のルーキートリオの1人として、春から期待の大きかった星川。しかし4月の日筑戦の前に膝を痛め、約4ヶ月の欠場に。7月の新人インカレで復帰し、優勝に貢献するが、その後再びの負傷でリーグ序盤は欠場となってしまっていた。
怪我に泣いている大学1年目ではあるが、日本体育大戦では劣勢の中、星川のドライブがチームに流れをもたらし、粘る神奈川大を振り切ることに成功。頼れるところを見せた。まだコンディションを戻している途中ではあるが、他にも怪我人が多いチーム状況の中、1巡目残りの試合も、求められるシーンが増えてくるだろう。
─最後までわからない勝負になりました。ゲーム終盤、星川選手の得点が流れを持ってきたと思います。
敦也さん(#31小川)がファウルトラブルで退場になってしまって、そこで自分が出る形になりましたが、そのときに敦也さんからも「頼むぞ」という言葉をかけられました。だから自分が決める気持ちでいきました。果たせてよかったです。
─春から怪我があって、リーグ序盤も欠場しています。ご自身のコンディションは?
春には膝を、その後に一度復帰してリーグ戦前に足首を痛めてしまいました。復帰はしましたが、まだ調子としては上がりきっていません。まだ思い切りいけないところがあるし、そこで集中しきれていないのもあります。今は試合をこなしながら、徐々にそうした面を慣らして上げていこうとしています。
─休んでいる間はどのように過ごしていましたか?
休んでいる間もトレーニングはかなりやっていました。ただ、足の怪我で下半身のトレーニングができない分、上半身とのバランスが悪くなってしまっているので、ここからは上下のバランスを見つつやっていきたいです。
─怪我で苦心されているところもあると思いますが、今心がけていることは?
自分が怪我をしている間、リーグ戦はチームとして負けが込んでしまいました。それを見ていることだけしかできなくて、そこは悔しかった部分です。チームとしては残りを勝ち切って、上位リーグ入りにつなげられるように。まずはこれ以上怪我をしないようにトレーニングもしながら、頑張っていきます。
下位グループ確定は10節終了時点で4チーム
今季、2巡目は上位・下位に分かれて戦うレギュレーションだが、10/1現在では早稲田大・拓殖大・江戸川大・明治大の4チームの下位グループ入りは決まっている。3勝の神奈川大と山梨学院大は自力では上位グループ入りはできないが、他チームの勝敗次第ではまだ望みが残るが、残り3試合は一つも落とせない。
そして、現在7位の中央大と8位の筑波大が上位・下位のグループの分かれ目にいる。同じ5勝5敗だが、直接対決で中央大が勝利しているため、中央大が有利な状況にある。この順位争いも見逃せない。
【第10節終了/勝敗】
1位 白鷗大学 9勝1敗
2位 日本体育大学 9勝1敗
3位 日本大学 9勝1敗
4位 大東文化大学 8勝2敗
5位 東海大学 7勝3敗
6位 専修大学 7勝3敗
7位 中央大学 5勝5敗
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8位 筑波大学 5勝5敗
9位 神奈川大学 3勝7敗
10位 山梨学院大学 3勝7敗
11位 早稲田大学 2勝8敗
12位 拓殖大学 1勝9敗
13位 江戸川大学 1勝9敗
14位 明治大学 1勝9敗