全関を初めて制した神戸医療未来大。2013年の創部以降、リーグでは着実に昇格を続け、昨年は初のインカレ出場を成し遂げている。関西3冠タイトルは今回が初戴冠。現在の主力は3年生が中心であり、まだまだ伸び代を感じさせるチームでもある。決勝後、その喜びの声を聞いた。
「見ている人もワクワクさせるバスケットをやっていきたい」田川博久監督(神戸医療未来大)
「創部10年目ですが、こうして優勝することはずっとイメージしながらやってきましたし、目標は日本一だと言っています。今年特別なテーマを掲げているわけではなく、目標は普段と変わらず日本一なので、選手にはプレーヤーとしての成長だけでなく、人間としての成長も、両方求めながらやっています。
今日は終盤に追い上げられましたが、初優勝になるのですんなりいかないとは思っていましたし、選手たちにも追いつかれることもイメージしながらということは言っていました。大阪学院さんの意地は感じましたけど、選手も慌てることなくやってくれました。もちろん本当はきっちり勝ち切らないといけないので、そこは次への課題です。
学年でバスケットするわけではありませんが、ベンチの4年生はしっかりと声を出してくれて、スポットライトを浴びないところでチームを支えてくれていることには感謝しています。それがあってこその下級生の伸び伸びしたプレーにつながっていると思いますので。ただプレーが始まったら、学年は関係なく実力の世界だと思うので、そこは気にせずにやっています。
優勝した今でもそうだと思いますけど、選手たちは全然満足していないと思います。それは『あのレベルに達したい。日本一を目指したい』という思いがあるからなので、そこは頼もしいです。インカレ後の新人戦を含めてここまで公式戦では負けていないので、インカレで白鴎大や東海大と戦うまでは負けずにやっていきたいという思いは、僕も選手も持ちながらやっています。
留学生以外でサイズがないのは、フィジカルで戦うしかないですね。トレーナーさんにも協力してもらって。あと僕たちは全員寮生なので、食事の面にも気を配って、高さでは勝負できない分フィジカルで勝負していこうというところですね。あとは平面では負けずにリバウンドやルーズボールに飛び込む気持ちです。それとフセイン以外の4人がガードもできることが強みだと思っているので、それをチームのスタイルにして。本当は高さのある選手がいた方が良いですが、そこは考えずに考えを振り切ってやっています。
僕も指導していて面白いです。彼らが次に何をやってくれるんだろう?と。こうして見ている人もワクワクさせるバスケットをやっていきたいですね。たまに僕がイメージしているより上のレベルのプレーをしてくれるんですよね。例えば今日の3Qの終わりに田中がタップで押し込んでくれたんですけど、あれは僕のイメージにはなかったことなので、選手が阿吽の呼吸でやってくれたことでした。彼は1年生の時から試合に出ていますが、ここまでの積み重ねがあってっしうプレーを見せてくれたことは楽しいですね。こういうことが日を追って増えているので、究極は僕が何もしなくても勝てるようになったら、関東勢にも勝てるようになるのかなと思っています。
「チームに対してのリーダーシップ、コートの中でしゃべっていくことが、今回はよくやれた」#32ジリメンヤ・カトウ・フセイン(3年・C)
本当に嬉しいです。今までの練習や試合のことがこの結果につながったと思うので。
留学生のいないチームはダブルチームもやってくるので嫌ではあります。簡単に一対一もできないのでフラストレーションも溜まります。ただそれでも最後まで集中力は切らさないように心がけています。今大会に関しては、リバウンドと、そこから押し込めていけたこと。それとチームに対してのリーダーシップですね。コートの中でしゃべっていくこと。そこが今回はよくやれたかなと思います。
インカレに出たことで色々なことを感じましたし、相手のチームはもちろん留学生も強かったので、そこからすぐの新人戦で一人ひとりの意識は変わったと思います。『この大会では絶対に負けないぞ』という感じでした。
まずはケガ人を出さないようにして。次の大会もリーグ戦でもまた1位を目指してやっていきます」
「得点面は自分が埋めつつ泥臭い部分も」#39中村瑞樹(3年・PG)
「嬉しい気持ちとほっとした気持ちと、どっちもありましたけど、素直に嬉しかったです。ただここで終わりではないので、また次の目標に向けて頑張りたいと思います。
目標である日本一のイメージは固まってきています。去年インカレで白鴎大と戦って、そこでかなりイメージが湧いてきています。そのために、サイズがない分、リバウンドの部分と体づくりには力を入れています。
今年のチームは去年のキャプテンが抜けた分、得点力というのは落ちるんですけど、そこは自分が埋めていきつつ、ディフェンスとか泥臭い部分には力を入れていこうと思っています。日本一に向けて、チーム一丸となってやってくつもりです。この優勝に満足せずに、西日本や新人インカレに向かってやっていきたいです」