【2021トーナメント】「自分がやらないといけないという気持ちが強かった」#23半澤凌太(筑波大・4年・主将・SG)

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筑波大は今大会を3位で終えたが、全メンバーが揃わない状態での戦いとなった。U19の代表としてワールドカップに3名を送り出し、パワーフォワードの#25栗林も怪我で欠場。さらには大会前日に不動のセンター#75井上が負傷してしまうというアクシデントが発生。大会後半には無理を強いて出てきたが、プレータイムが限られた。合計5名の選手を欠いた訳だが、中でも井上の怪我は大きく、緒戦のあとには「選手の組み合わせも、プレーも、ここまで練習してきたものが全部使えなくなった」と、吉田監督を渋い顔にさせた。

ゲームプランの大幅な修正を迫られる状況ではあったが、そこで頼もしい姿を見せたのが#13二上と#23半澤、2人の4年生だ。二上は「自分がプレーを引っ張っていかないといけない」と言い、半澤も「二上と一緒に出ているときに、コートの中でここで自分たちがやろうと話し合い、リーダーシップを発揮できた」と、互いの意識はピタリと重なっていた。その結果、二上は得点王を獲得。そして半澤は攻守で見せたが、大きかったのはリバウンドでの存在感だ。190cm、本来はシューティングガードでありながら、日本大学の#12コンゴロー、東海大学の#86八村に次いでリバウンドランキングは3位。ゴール下の密集地帯で何度も跳び、ボールをもぎ取る姿には、チームメイトも大いに勇気づけられたに違いない。得点面でも見せ、チームとして停滞する時間帯は欲しい1本を決め、責任感をプレーで表現した。

「リバウンドは気持ちの部分が大きかったですね。センターの井上や木林がいない分、自分がやらないといけないという気持ちで取りに行きました。チームが劣勢で駄目なときでも、自分がリーダーシップを取って、チームのために考えてやっていきたいと思ってやっていました。リバウンドはまさにそこでした。最終の日体大戦で出せたブレイクも同様です」

プレー面だけではなく、仲間に声をかけるシーンもたびたび見られた。今年は主将として「他の人よりもコートで声を出し、チームを引っ張っていく立場だし、そこを見せたい」というが、昨年まではどちらかというと黙々と地道な仕事をこなすことに徹していたようにも見える。「泥臭いことをやっていく」ことは自身の持ち味であることもいってきた。その上で何が違うのかという問いには、やはりチーム内での立場の変化が大きいという。

「一昨年、昨年までは牧さん(B1琉球)や山口さん(B1北海道)といった選手が自分と同じポジションにいて、点数を取っていました。彼らがやってくれるので頼ってしまい、自分ではやらなくても勝てるという感覚でいたと思います。でも今年は違います。いい選手はたくさんいますが、自分は最上級生であり、チームを引っ張り、やらないといけないという気持ちを強く持っています。そこが昨年までとは大きく変わったところです」

その気持ちは想像するよりも強く「二上はチームメイトだけど、彼にも絶対に負けたくない」という。同じポジションだからということもあるだろうが、他の誰でもなく、「自分がやるのだ」という強い気持ちをが、彼をこれまで以上に大きく見せている。

二上は専修大の#23キング、日本大の#12コンゴローと同率で得点王を獲得。v

とはいえ、主将としての立場を重く考えすぎてもいない。

「キャプテンだからということにすごくこだわっている訳ではありません。自分の調子が悪ければ二上が助けてくれるし、下級生も盛り上げてくれる。その中で他の人より声を出し、ハッスルするといったことを考えています」

常に何もかもできる訳ではない。チームメイトの力も借りながら、リーダーとして必要なときに力を発揮することが大事なのだ。定期戦としての日筑戦のときには、目指すチームについて自分なりに考えていると言っていた。この大会を終えて、そこに少しでも近づけたと感じただろうか。

「今の段階ではできていると思いますが、調子がいいときはいつでもできるものです。でも劣勢になったときこそ試されますし、準決勝の東海大戦ではそれをクリアできませんでした。そういったところを秋のリーグ戦でできるようにがんばります」

チームはこの春、メンバーが全員揃った練習が一度もできていない。代表選手を多く抱える強豪チームであり、教育実習など学業を疎かにはできない学生チームとしての悩みでもある。だがそれゆえに、フルメンバーになったときにどんな姿を見せるのかは、多くの大学ファンが楽しみにしているところだ。そしてそれを引っ張る半澤の姿にも注目だ。

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