【2022関東リーグ1部】筑波大のホームゲームはあたたかな雰囲気が選手を後押し(2022.10.22,23/第20,21節)

2022関東リーグ

筑波大のホームゲームは10月22日の20戦で日本体育大、23日の21戦は専修大という強敵を迎えた。従来のホームゲームはつくばカピオを使って開催してきたが、今回は筑波大の体育館が舞台。大学の体育館を使用する場合は、まだまだ制限がかかっているところも多く、筑波大もその一つだ。今回も1面のコートに簡易設置の観客席という会場は入れる観客数が限られ、入場制限がかかる状態にはなったが、両日とも満場の観客がチームをあたたかく応援した。

Tシャツやタオル、また例年人気のトレーディングカードといったグッズが用意され、人気のトレーディングカードは早々に完売。レアな選手の直筆サイン入りカードを引き当てた購入者が盛り上がる場面も見られた。また、館内の壁面には選手の子供時代の写真と、各々のコメントが展示され、現在の姿との違いを楽しめるちょっとしたお楽しみコーナーも。ハーフタイムには子どもたちと大学生の、微笑ましいシュート対決も開催された。

しかし試合は、そんな和やかさとは別の激しいものに。前節で2位の専修大を倒した日本体育大との対戦は6点差。その翌日、専修大との戦いも最後は1点を争う状況で、最後のオフェンスを決めて2点差で勝利。どちらも競り合いながらリードを守りきった勝ち方に会場も湧いた。このリーグ戦は波のある戦いを続けている筑波大だが、ホームで開催した試合はこの2試合以外もすべて勝利を収める、上場の結果となった。

筑波大のホームゲームは東海大に次ぐ規模で、これまで観客を集めてきた。状況が落ち着き、自由に観戦が楽しめるようになれば、再び観客を大勢入れての開催に戻っていくことを願いたい。

挨拶を終えたあと、最後に館内を一周し、一列。

「応援してくださる方々に対し、どういったバスケットを見せるのかも追求していく」#92中田嵩基(筑波大・4年・PG)

日本体育大戦ではアシストで、専修大戦では得点でもチームを牽引するプレーを見せた。それもホームの応援あってこそ、と感謝する。リーグ戦では試行錯誤が続き、チームの勝率は5割を行ったり来たりという状況だが、長期戦で出てくる課題を潰し、インカレにつなげてきたチームでもある。そんな中、チームで唯一、インカレの優勝を経験しているのは4年生のみ。主力に若い選手が多いだけに、伸びしろは多い。主将としてここからどうチームを飛躍させられるのかも見どころだ。

─ホームゲームの2試合で勝利を収めました。

「日本体育大にも専修大にも、1巡目の対戦では負けています。どちらも留学生のいるチームで、そうした相手に対して自分たちのバスケットをいかにやるかという状況でしたが、ホームゲームということで、いつもよりシュートが入った気がしています。自分も普段はそんなに確率がいいわけではないんですが、シュートを決められたし、観客が盛り上がる感じを久しぶりに得られて、懐かしさと同時に気持ちが高ぶる部分がありました。

これだけの人が応援してくれているというのが、僕たちの力になっていると思います。2巡目に入ってから、気持ちの入っていない試合も目立っていて、応援してくれている人がいるのになぜこういう試合をするのかということが、チームとしても問題になっていました。勝ち負けも大事ですが、チームとして応援してくださる方々に対してどういったバスケットを見せるのか、それを大事にしていこうとしていて、このホームゲームをきっかけにしていければと思います」

─1巡目から波のある状態が続き、安定感という面でも苦労していますね

「怪我から復帰した横地(#11)と木林(#2)が一緒に練習する機会がなくリーグ戦に入り、どういうメンバーで組み合わせていくのか、試行錯誤がありました。僕自身もスタメンに入ったり、そこから控えになったり、またツーガードになったりワンガードになったり、いろいろ変更もあって。その中でこれがハマっているのか、いいのかどうか、プレーの中に迷いが出てきていましたね。それでもBチームから上がってきている青山(#57)というプレイヤーがそこを指摘してくれて、吉田先生とも個人面談や、コミュニケーションをとるようにして、最近は少しずつチームとして仕上がってきていると感じます」

─気持ち面の課題は克服されてきていますか?

「16戦の神奈川大戦で負けてしまったとき(82-74)に、どこかで“勝てるだろう”という雰囲気があったと思います。下級生がたくさん出ているチームなので、ふわふわしたり、少しだれたりといった部分が出てきて、そこに他のチームと気持ち面で差があったように思います。その部分についてミーティングを行い、4年生のあり方なども話し合いました。リーグとインカレは4年生がどれだけ頑張れるかが前提なので、そこに関して練習からしっかりやっていこうとし、徐々に成果として出てきているとも思います。

いい意味で個性の強いメンバーが多いチームなので、キャプテンとして自分が一旦引いて、嫌なことでもチームに対して言えるようになろうとしていて、それが自分に合っているとも思います。先生にも『チームに魂を注入するのはあなただ』と言われています。1年生の頃は牧さん(現B1琉球)や増田さん(現B1川崎)から好きにやってくれと言われ、一生懸命でしたが、今度は僕らがそういう環境を下級生に作ってあげたいと思っています。今年のAチームは4年生が8人います。その分、下級生を自由にやらせてあげられる環境のはずなので、彼らをサポートしながらやっていきたいと思います」

下級生をのびのびと活躍させる環境をどう作るか、シーズン終盤に向けて注目だ。
タイムアウト等、試合の合間に掲げられた応援ボード。
吉田監督が「写真だけじゃ、誰だかわからない人の方が多いね」と語った選手の子ども時代。今との違いを楽しめる。
最後は体育館を一周してお別れ。

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