終盤の盛り上がりが続く1部リーグ、この日は首位の白鷗大と2位の東海大の対戦があったほか、自動降格回避をかける早稲田大と国士舘大、入れ替え戦回避をかける明治大の試合が盛り上がり、8位の日本体育大は5位の大東文化大を倒した。また3位の専修大に対して7位の中央大も最後まで粘りを見せ、熱い戦いは最後まで見逃せないものだった。
一方、青山学院大は2部への降格が決まった。青山学院大の2部降格は2002年のリーグ以来となる(2003、2004年と2部に在籍)。
立ち上がりから互いの盾がぶつかり合う中、白鷗大が東海大を凌駕
首位の白鷗大は、2位の東海大を迎え撃った。共にディフェンスを持ち味とする両者は、立ち上がりで激しい守りあいが続き、なかなかイニシアチブを取ることができない。しかし開始2分に#0関屋(4年・G)のドライブが決まると、#33杉山(4年・SF)のスリーポイントが沈み、インサイドでも#25ジョエル(1年・PF・別府溝部学園)が強さを発揮。東海大は1Qを8-20と置いていかれてしまうが、2Qで#25江原(3年・F)のスリーポイントが決まり、スタメンにメンバーを戻したところからゾーンプレスで白鷗大のミスを誘っていくと、#15島谷(4年・PG)の連続得点で点差を3に縮める。しかし白鷗大は停滞する時間帯を#2脇(3年・F)のバスケットカウントが断ち切ると、#25ジョエルのシュート、速攻などでふたたび10点に差を広げる。前半は26-34の白鷗大リードで終了。
3Qの立ち上がり、白鷗大は#33杉山、#2脇がそれぞれ2本目のスリーポイントを沈めると、#25ジョエルのスティールからの速攻、#7ギバ(4年・PF)の得点で一気に東海大を引き離す。東海大はアウトサイド頼みになってしまい、#16西田公陽(3年・SG)、#13金近(2年・SF)、#4小玉(4年・PF)らがスリーポイントを決めていくが、このQで37-55と引き離されてしまうと、4Qも流れを覆せず。52-73で白鷗大が余裕ある勝利を収めた。
東海大は前節で足を痛めた#3ハーパー(2年・PG)をベンチ入りさせるも出場はさせず。#7前野(2年・F)、#10張(4年・C)ら、ここまでの戦いで負傷したセンター陣もいない状態も苦しく、また白鷗大のディフェンスの前にターンオーバーも頻発した。
一方の白鷗大は、前節の早稲田大戦ではミスが多く締まらない部分も多かったが、この試合では立ち上がりから本来の圧力の高いディフェンス力を発揮。リバウンドでは優位だったが、#2脇、#33杉山らのスリーポイントも好調で、内外バランスのいいバスケットとなった。これで2位以下に勝ち点2の差をつけ、残りは3試合。筑波大や専修大といった強敵との戦いを残すが、優勝へと一歩近づいた。
中央大は粘りを見せるが専修大に軍配が上がる
怪我人が多く苦戦しながらも上位をキープしている専修大に、中央大が食らいついた。前半は専修大がリードするが、中央大もつかず離れずついていく。専修大はスリーポイント、インサイドなど内外で得点。しかし#13クベマ(3年・C)が足を痛めて一時ベンチに下がるアクシデントもあった。中央大はこちらもインサイドでは苦しいが、#1久岡(1年・G・前橋育英)のシュートも決まってチームを盛り上げるなど、38-32で折り返す。
3Q、中央大はゴール下のディフェンスを粘る。専修大は#12市場(2年・SG)、#16淺野(2年・PF)らで得点していく。ここでようやく#21渡部(4年・SF)の1本目のスリーポイントが決まると、#11オヌ(2年・PF)、##60蒔苗(3年・PF)らのスリーポイントも続き、57-53の4点差に。4Q4分には#2内尾(3年・)のシュートで同点に追いついた。しかし、ここで専修大は#13クベマのスリーポイントが決まり、#16淺野のバスケットカウントが続いて引き離す。中央大は切れずにディフェンスで相手のミスやファウルを誘い、ワンゴール差でついていく。中央大は残り30秒切ったところ、2点差を追う場面での#21渡部の勝負所のスリーが決まらず、リバウンドを押さえた専修大の、#13クベマに速攻からダンクを決められてしまう。残り8.2秒に#21渡部が今度は決めて1点差に迫るが、そこから逆転する時間はなく72-69で専修大が逃げ切った。
日本体育大が1Qからリードを守って大東文化大に勝利
8位の日本体育大は、大東文化大に終始リードを保った。1Qは日本体育大#35ムトンボ(2年・C)のシュートから始まるが、大東文化大は#39アブドゥレイ(1年・C・中部第一)もサイズを活かし、簡単に中ではプレーさせない。しかし大東文化大はオフェンスでやや消極的となり、日本体育大にドライブや速攻、スティールなどを決められ、後手に回って前半は32-27。
追いかける大東文化大だが、日本体育大は#23小川(3年・PG)の速攻や#21月岡(1年・PG・昌平)のシュート、また#35ムトンボがアシストに回るなど、多彩な攻撃を見せて大東文化大を引き離していく。#12中村(4年・PG)や#3塚本(1年・PG・北陸学院)のスリーポイントや#9田中(1年・PF・中部第一)のバスケットカウントといった3点プレーで大東文化大が追い上げるが、追いつくところまではいけない。4Q、日本体育大は#35ムトンボ、#23小川、#26西部(1年・SF・東山)といったスコアラーたちがその後も安定して得点を続け、72-64で勝利した。
日本体育大は#1古橋(4年・SF)が欠場となったが、持ち味のリバウンドや速攻を度々出す、自分たちのバスケットを展開した。大東文化大も#34クリバリ(4年・C)の欠場があったが、日本体育大の勢いを止めることができず痛い6敗目となった。
明治大はトリプルオーバータイムで神奈川大に競り勝ち10位へ/早稲田大がゴールへのアタックを続けて12位浮上
入れ替え戦と自動降格、1部にとっては優勝争いとは別に、熾烈な戦いも終盤を迎えている。
国士舘大と早稲田大の自動降格回避を賭けた戦いは、互いにシュートを入れ合う形が続いた。国士舘大は前半、外のシュートの調子が良くまたリバウンドも取れていたが、後半になると精度が落ちてきてしまう。インサイドで攻撃が展開できず、攻撃がアウトサイド一辺倒になったところから、早稲田大にリバウンドを取られて走られる展開が続いた。早稲田大は#18岩屋(1年・PG・洛南)や#5堀(1年・GF・東山)ら、攻撃力のあるガードたちが走って得点。3Qまでは互角だったが4Qを24-12と差をつけ、79-72で勝利。国士舘大が13位、早稲田大が12位に順位が入れ替わった。
入れ替え戦を回避したい明治大は神奈川大と対戦。1Qから一進一退の競り合いが続いた。3Qで神奈川大が引き離すも、4Qで追いついた明治大が同点に戻して延長戦に突入する。しかしこの延長戦も全くの互角で、試合はトリプルオーバータイムにまでもつれた。再々延長、明治大は#13平松(2年・PG)のスリーポイントで幕を開け、#7伊藤(2年・PF)、#21田邉(3年・SF)が続くと、開始2分で9点のリードに成功。神奈川大はゴールを決めきれずにタンオーバーが続くと、116-123。明治大が粘り切って10位、入れ替え戦枠を脱する勝利を決めた。
【勝敗】2022.10.29第23節終了時点
1位 白鷗大 20勝3敗/勝ち点43
2位 東海大 18勝5敗/勝ち点41
3位 専修大 18勝5敗/勝ち点41
4位 日本大 18勝5敗/勝ち点41
5位 大東文化大 17勝6敗/勝ち点40
6位 筑波大 13勝10敗/勝ち点36
7位 中央大 12勝11敗/勝ち点35
8位 日本体育大 11勝12敗/勝ち点34
9位 神奈川大 9勝14敗/勝ち点32
10位 明治大 8勝15敗/勝ち点31
—————入れ替え戦進出ライン———-
11位 拓殖大 7勝16敗/勝ち点30
12位 早稲田大 5勝18敗/勝ち点28
—————自動降格ライン——————
13位 国士舘大 4勝19敗/勝ち点27
14位 青山学院大 1勝22敗/勝ち点24
※2〜4位は3チーム間の勝ち点数による。
※今年度のリーグは勝ち点方式で争われる。勝者に2点、敗者に1点、棄権・没収の場合は0点、新型コロナウイルス関連で活動休止となった場合は不戦敗となり勝ち点1、対戦校に勝ち点2が与えられる。同率の場合はゴールアベレージ、当該チーム間の勝ち点など、大会で定める方式で順位を決定する。