第17節、終盤にかけて上位チームが確実に白星を増やしていく中、中盤から下との差が開き始めている。長かったリーグ戦も残り9試合でやや先が見えてきた。ここからは1つの試合がより重くなっていく。
上位争いは1位から5位までが1勝差で並ぶ。第17節はその5チーム、専修大・大東文化大・白鷗大・日本大・東海大が揃って勝利し、順位は変動なし。一方で6位の筑波大以下はこの日の結果で5位と勝ち点で4以上の差がついた。しかし終盤にかけては上位同士の対戦も続く。中盤位のチームはその間に巻き返しができるかが鍵となる。
上位チームが安定感のある戦いを見せる
1巡目では激しいディフェンス勝負を繰り広げた大東文化大と筑波大は、大東文化大が終始リードを握った。筑波大はスタメンを入れ替え臨むが、次第に大東文化大のディフェンスの前にオフェンスが重くなった。大東文化大はディフェンスから流れを組み立て、後半は外のシュートも立て続けに入り、リードを守って65-75で勝利した。
日本大は前半から拓殖大を圧倒し、前半で52-20と大差をつけた。拓殖大は後半になると得点も決まってくるが、最初の差が大きく響き、日本大がまんべんなく選手を出場させて94-67で勝利。
専修大は早稲田大に1Qからリードするが、後半は迫られた。しかし#13クベマ(3年・C)の26点16リバウンド、#16淺野(2年・PF)の22点7リバウンドに加え、#12喜志永(4年・PG)、#13久原(4年・SG)も2桁得点で94-88と逃げ切った。
東海大は前節で筑波大を倒した神奈川大を前半から寄せ付けず、63-84。後半戦に入り好調を持続している。神奈川大は前節で強敵の筑波大を倒したが、2連勝はならず。
その他、6〜10位は専修大、中央大を立て続けに破って波に乗る明治大が青山学院大と接戦を繰り広げ、71-69の2点差で勝利。順位を10位へと上げた。9位の日本体育大も#23小川(3年・PG)が欠場しているが、国士舘大に立ち上がりからのリードを守った。
乗ってきた明治大は10位に上がり、9位の日本体育大に勝ち点差1、8位の神奈川大にも2点差で迫ってきた。連敗となっている6位の筑波大や7位の中央大もうかうかしていられない状況になりつつある。
3年ぶりのホームゲームで白鷗大が完勝
第16節、17節は現在2位の白鷗大のホームゲーム。コロナ禍以降、大学は部外者の立ち入りが厳しく制限されているところが多く、まだ以前のように使える状況にはなっていない。その中で、昨年は東海大が唯一ホームゲームを開催したが、今季はいくつかの大学でホームゲームが予定されている。
白鷗大では体育館の前にはキッチンカーや売店も登場するなど、賑わいある週末となった。今年はセンターサークルやコートの外周に大学名の入った装飾も施され、見た目も華やかに。そして野球部やラグビー部など、学内の仲間たちをはじめ、多くの観客がチームの応援に訪れて見守る中、オープニングムービーが流れて選手がコートに登場。声出しこそできないが、試合中はMCを努めた栃木SCのスタジアムDJ・TETSU氏にガイドされ、応援スティックを叩いたり、音楽に乗ったりと、試合の状況に合わせて会場が盛り上がる、ホームゲームらしい光景が多く見られた。
肝心の試合は、16節では日本大に追い上げられたが、接戦に勝ちきり1点差の勝ち、17節の中央大戦では開始から大きく差をつけた。白鷗大はディフェンスの強さが活き、またホームの後押しもあり、特に中央大戦はメンバー全員のシュートも好調で、2試合とも見事勝利を収めた。
白鷗大はここまでコツコツとホームゲームを開催してきた。3年ぶりの開催ながら、会場の座席もほどよく埋まり、その応援あっての選手のパフォーマンスも見事だった。網野監督は「すべての大学がホームゲームを開催するようになって欲しいし、それぞれのチームが大きな声援を受けるようになるのが理想的な形だと思う」という。今は無観客や関係者のみの大学会場もあるが、応援され、それによって良いパフォーマンスを見せ、盛り上がる空間を作っていかなければ大学スポーツの発展はない。そしてその恩恵を限られた大学だけではなく、すべてのチームが均等に受けられるのがあるべき姿といえる。世の中が落ち着いたのちには、応援のエネルギーが空間に充満するようなホームゲームが増えていくことを祈りたい。
このホームゲームでは最後にサプライズもあった。主将の#7ギバ(4年・PF)が試合後の挨拶の最後に、誕生日を迎えた石井アシスタントコーチを観客も一緒に祝って欲しいとコメント。バースデーソングが歌われる中、祝福された石井Aコーチやメンバーの笑顔があふれた体育館は暖かな空気に包まれ、ホームゲームは幕を降ろした。
「3年ぶりの開催に、感謝してもしきれない」#7ギバ賢キダビング(白鷗大・4年・PF)
「日大さんと中央大さんという、ホームゲームでは2日ともすごく力のあるチームと対戦させていただきました。結果として勝ち切れたことは、本当に良かったです。リーグではもうこの両者と対戦しませんが、インカレでは当たるかもしれないので、今日の勝利をしっかり噛み締めて、練習をしていきたいと思っています。
ホームゲームは、部員はもちろん、学校の関係者をはじめ、多くのの方々のおかげで3年ぶりに開催することができました。想像以上にたくさんの方々に手伝っていただいたので、本当に頭が上がりません。お客さんにもたくさん来ていただき、応援していただきましたし、3年前にはなかった床のシートも貼らせていただいて、本当に感謝してもしきれない、思い出に残るホームゲームになりました。これを糧に、インカレも残りのリーグ戦も戦い抜いていきたいと思います」
【勝敗】2022.10.9 第17節終了時点
1位 専修大 14勝3敗/勝ち点31
2位 大東文化大 14勝3敗/勝ち点31
3位 白鷗大 14勝3敗/勝ち点31
4位 日本大 13勝4敗/勝ち点30
5位 東海大 13勝4敗/勝ち点30
6位 筑波大 9勝8敗/勝ち点26
7位 中央大 9勝8敗/勝ち点26
8位 神奈川大 8勝9敗/勝ち点25
9位 日本体育大 7勝10敗/勝ち点24
10位 明治大 6勝11敗/勝ち点23
—————入れ替え戦進出ライン———-
11位 拓殖大 5勝12敗/勝ち点22
12位 国士舘大 3勝14敗/勝ち点20
—————自動降格ライン——————
13位 早稲田大 3勝14敗/勝ち点20
14位 青山学院大 1勝16敗/勝ち点18
※今年度のリーグは勝ち点方式で争われる。勝者に2点、敗者に1点、棄権・没収の場合は0点、新型コロナウイルス関連で活動休止となった場合は不戦敗となり勝ち点1、対戦校に勝ち点2が与えられる。同率の場合はゴールアベレージ、当該チーム間の勝ち点など、大会で定める方式で順位を決定する。