【2021リーグ2部】主将#29岡田と#3加藤の両エースが魅せる!順天堂大を劇的な延長戦で制した明星大(9/19)

2021関東リーグ
決勝シュートを決めた#29岡田がガッツポーズ。#3加藤が向かっていく。

先行する順天堂大を、劇的な逆転劇で下し3勝目

明星大にとって、リーグ戦最初の山場となったのは、19日、第3戦目となった順天堂大戦だった。

立ち上がりからシュートに定評のある順天堂大に外から決められ、大量リードを奪われた。「中を警戒し、守ろうとしたところを外からポンポン決められてしまった。それが前半50点取られた理由」と#29岡田(4年・SG)がいう。この日の順天堂大は素晴らしく、主将の#26増田(4年・C)が30点19リバウウンドと攻守ともに数字を牽引し、前半は39-50とリード。3Qに入ってやや明星大が持ち直す場面もあったが、結局は61-69と大きく差が縮まらない。

4Qに入るとようやく追い上げモードになり、#3加藤(4年・PG)の4連続得点から、岡田のスリーポイントなどで同点に追いつき、延長戦へ。開始早々インサイドの要の一人、#10福田(4年・PF)がファウルアウトとなったが、交代した#44今井(1年・PF・羽黒)もなんとか粘り、最後は残り22秒、2点のビハインドから岡田のスリーが炸裂し、92-91で劇的勝利を収めた。フェイスガードに苦しみ「途中では悪いシュートのシチュエーションもあった」と反省しつつも岡田は26点。そして加藤が28点、退場となった#10福田も11点8リバウンドと奮闘した。

「最後のシュートは、自分がエースなのだから、やりきるだけだと考えて気持ちを入れて打ちました。でも途中は皆が自分と加藤を見てしまい、自分たちで攻めないシチュエーションも多かった。それがダメでしたね。うちは福田を含めた3人が軸だけど、それだけじゃいけません。でも福田と交代した今井はファウルが続いたけれども、最後のプレーで我慢してくれた。ルーキーだけど頼れる存在です」

勝者と敗者、劇的な幕切れとなった。

延期時期を一つの機会として活かし、リーグ戦を通じた成長を

3連勝の明星大だが、夏の間はチームとして順調ではなかったと柴山監督も、岡田もいう。新型コロナウイルスの関連で練習に制限を受け、チームとして詰めきれないままリーグ開幕を迎えるところだったからだ。しかし1ヶ月の延期が、彼らにはいい方に働いた。

「自分もまだキャプテンとして未熟な部分があり、チームとしても時間が足りていませんでした。だけど、延期になった期間を利用して4年で話し合い、どうやっていくべきか詰められました。明星は試合を通して上手くなっていくことがリーグ戦の目標であり、それを乗り越えて勝ちきり、インカレ、2部優勝に到達したいと思っています。今日の試合の経験も活かしつつ、チームとしてこの11試合で上手くなりたいです」

昨年のチャレンジマッチでは、神奈川大相手に劇的な勝利を収め、創部初のインカレ出場を果たした。この春のトーナメントでは東海大相手に前半は互角の勝負も見せ、秋の躍進を期待させる部分もあった。今年も目標はもちろん、1部昇格と、インカレ出場だ。トーナメントのときには、「一発屋だと思われたくない」と岡田は語っていた。

「昨年はインカレ出場が目標でした。今年はインカレに出場し、どう戦うのかその内容まで含めて考えています。目標の段階が一つ上がったということですね」

決勝シュートを放つ岡田。

つまり、柴山監督が就任し、4部や3部でコツコツと戦い続け、現在2部まで到達した明星大は、新たなフェーズに入ろうとしているところにいる。だからこそ、目標が固さにつながることのないように、本来の明星らしい良さを出して戦って欲しいと芝山監督も考えている。

「プロになりたい、インカレにもう一度出たい、そこで勝ちたい、と段階が上がれば新たな欲が出てきます。そこでうちらしさを失わないでいることが、何よりも大事だと思う」

だが、それを乗り越えて成長を果たしていくのもまた、大学バスケにとって必須であり、醍醐味でもある。常にフェイスガードを受けるようになり、それでもシュートを決め続けている岡田は言う。

「明星大学で主将の番号である29番をもらったということが、どんなことか理解しています。スタートでチームを引っ張る人がキャプテンであり、29番をつけている以上は中途半端なプレーはできません。それを意識して、強い気持ちでこれからもやっていきます」

強い意志が、そこにはある。あとは一つひとつ、結果という形を示しながら目標に近づいていくだけだ。

岡田はチームメイトでもあり最大のライバルという加藤。「あっちが30点取るなら、自分は40点を取りたい。絶対に負けたくない」という。その負けん気が、チームを引っ張る大きな力になっている。

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