緒戦の大東文化大戦、第2戦の専修大戦に勝利した白鴎大。ともに終盤は競り合い、際どい勝負となった。
この2戦、勝負を決める決定的なプレーで魅せたのが主将の#66松下(4年・G)だ。身体を張ってゴール下に入り、またディフェンスでも相手を止めに行き、頼もしさにあふれる姿を見せた。
「専修大戦は3Qで自分たちのバスケができました。試合全体としても、チームルールで相手を65点以下に抑え、自分たちは70点を取りたいとしていて、それができた勝利です。専修大は個々の能力が高いので、個人で対応してしまっては難しい。チームで勝とうとしていました」
大東文化大を56点、専修大学は64点に抑え、まさにチームで求めた通りの結果を出した。特に、攻撃力が持ち味の専修大をこの数字にとどめたのは大きい。
トーナメントではやや大人しい印象を受けた白鴎大だが、このリーグ戦では活発にコート内でも声を掛け合っている様子が見え、ベンチもにぎやかだ。松下によれば春は「緊張もあった」ことが、チームが静かだった原因の一つという。
「春はまだ、団結力も低かったですね。でもそれではいけないと、自分はキャプテンだしチームが落ちているときこそ、もっと盛り上げようと、鼓舞することを春以降は心がけてきました。しゃべるのは得意ではないので、ディフェンスやリバウンドなど、バスケットのプレーで鼓舞し、みんなにエネルギーを与えていきたいと思ってやっています」
4年生の多い今年は、春は自分が強いキャプテンシーを発揮して引っ張るというのとは違う、と語っていた松下。しかしここにきてやはりキャプテンとして、自分が先頭に立つことの大切さを意識しはじめている。この2戦はまさにそれをしっかり見せた試合だ。その上で、周囲の仲間にも信頼は厚い。スタメンでは#25角田(4年・SG)、#56小室(4年・PF)、#52ブラ(4年・C)等、主力の4年に加え、#2脇(2年・F)も勢いあるプレーを見せている。
「4年の仲間はもちろん、他のメンバーは自分より身体能力もあるし、助けてもらって感謝しています。あとは自分がそれぞれをどうやって活かすかが仕事だと思います。この先もチームを鼓舞して頑張りたいと思います」
松下を筆頭にどうチームが戦っていくのか、この先も見ものだが、ここにもう一人、期待をしたいのが#0関屋(3年・G)だ。
高い得点能力で1年時にはチームに貢献したが、2年目は良いパフォーマンスを見せられなかった。この春は体調を崩してトーナメントを欠場。このリーグでようやく少しずつ“らしさ”を出し始めている。ベンチからのスタートになるが、大東文化大戦では23分、専修大戦では18分出場。専修大戦の勝負際では、シュートは外れたものの、そこを松下がうまくカバーして決定打につながった。「体力的に交代かと思った」というのが、やはりここ一発に期待されるものはあるだろう。
大学生にとって3年目は将来を見据えて自分の幅を広げ、固めていく時期にある。上級生としてチームの中心になっていかなくてはならない存在でもあるが、ガードとしてどこまで魅力的になれるか、まだまだ成長途中でもある。
「ポイントガードを見据えてやることも大事ですが、意識して考えすぎてしまうとうまくいかないのが今の自分です。ポイントガードだけど、点を取る自分の持ち味も活かしたいと思っています」
目下、チームの軸である「ディフェンスからエネルギーを出したい」とするが、どんなプレーを見せてくれるのか。「ここからです」という関屋の復活もまた、一つの注目ポイントになりそうだ。