神奈川大は全11試合を戦い抜き、12位で大会を終了。リーグ戦の後、中3日でインカレ出場権をかけたチャレンジマッチを戦うことになった。
0勝11敗は数字だけ見れば良い結果とはいえないが、惜しい試合もいくつかあり、チームの中身は見どころの多いものだった。
トーナメントでは、昨年から引き続き出場している上級生が中心となって戦ったが、リーグ戦では多くの新顔がコートに登場した。特筆すべきはサイズだ。かなり過去まで遡っても、神奈川大にこれだけの身長のある選手が揃ったことがあるだろうかというほど、全体的にサイズアップが図られていた。ルーキーではセンターの#11阿部(1年・C・美原)が194cm、アグレッシブなアタックを見せる#5保坂(1年・PG・飛龍)もポイントガードとして180cmは大きな方だ。また2年生で頭角を現してきた190cmの#25向(2年・PF)や、柔らかいアウトサイドシュートが持ち味の191cmの#30三浦(2年・PF)といった選手たちの働きも目立った。幸嶋監督としても「先が楽しみ」な選手たちがこのリーグ戦では躍動した。
チームをまとめる主将の#3小針(4年・PG)も、その下級生の活躍と成長が大きな収穫だったという。
「コートに下級生が立つ時間が長く、1年生や2年生がリーグ戦を通して本当に成長してくれたと思います。そういった面では本当にいい刺激をもらったリーグになりました。勝利していないというのはありますが、本当に色んな経験が彼らはできていると思います」
今年は自動昇降格システムが採用されていないため、思いきっていろんなチャレンジを多くのメンバーにさせられたリーグ戦だった。しかしもちろん、それで良かったね、とはならない。なぜならシーズンはまだ終わっておらず、ここから神奈川大にとって山場といえるチャレンジに挑まなければならないからだ。
2部上位のチームと1部下位チームがインカレ出場権を懸けて戦うチャレンジマッチは、昨年から行われている。一発勝負ではあるが、その年の真の実力者がインカレに出場できるという意味では、妥当なシステムだ。神奈川大は昨年に引き続いてのチャレンジマッチとなる。
小針はチームとしての成長が感じられる分、後は「上級生がどれだけチームを鼓舞できるかどうか」が大事だという。 小針、#7東野(4年・SG)、そして怪我から復帰してきた#87高木(4年・SG)ら最上級生が、どれだけ4年生としてのプライドを見せられるか、ここが大一番だ。
「Aチームにいる4年生は多くないですが、プレー面で不調な時があっても、ベンチでの振る舞いなど、本当にチームのためを思って動いています。主将である自分がコートに立った時はコートで引っ張ることを考えていますし、自分がベンチにいるときには、自分と入れ替わりで試合に出ている4年生が本当に一生懸命声を出して引っ張ってくれています。最後までみんなで責任を持って頑張るだけです」
チャレンジマッチで戦う明治大とは、トーナメントで対戦し、勝利している。ただし互いに下級生があまり目立っていない時期であり、秋を越えてそれぞれ11試合を戦ったあとではほとんど別のチームといってもいいだろう。互いが積んだ経験はいずれも貴重であり、チームを変えている。
「チャレンジマッチに負けたら引退になってしまいます。この戦いは本当に4年生の気持ちが強い方が勝つ試合です。全力で戦うだけです」
昨年のチャレンジマッチ、神奈川大は明星大の4年生、小針の高校の1年先輩でもある新田の気迫の前に敗れた。
今年、4年生として挑む再びのチャレンジマッチ。今度は最上級生として小針がプライドをみせる番だ。