前半は互角、4Qに青山学院大が流れを掴み1部残留
青山学院大と筑波大の対戦は、前半は同点で互角。注目の#12広瀬(4年・SF)への対応は#0髙田(2年F)に任せた筑波大だが、開始すぐの#12広瀬のドライブはミス。この日は「とても手が痛かった」といい、シュートタッチも終始良くなかった。青山学院大は#11深見(2年・PG)がスリーポイントやレイアップで奮闘。筑波大は#11北條(3年・PG)のスリーポイントや#41勝又(1年・F・福岡大附属大濠)のタップや速攻、#25金子(4年・F)のスリーポイントなどで盛り上がる。青山学院大はディフェンスで頑張りを見せ、終盤は#12広瀬から#86中武(2年・C)へのパスが通り、#12広瀬のスティールも出て逆転で18-16。

2Qも終始競り合った。青山学院大は#12広瀬の得点が伸びないが、アシストなど周囲を活かすプレーが続き、#5片岡(2年・PG)のスリーポイントも決まった。筑波大は#14坂本(4年・SG)、#2森田(3年・PF)のスリーポイントで逆転。青山学院大はリバウンドが取れず苦労すると、筑波大は#6副島(4年・C)のゴール下でリードを広げる。5点を追う青山学院大は#11深見のスリーポイント、#18鈴木(1年・C・桐光学園)のフリースローが続くと、#9上野山(4年・PG)のスティールから#17北條(3年・SF)のレイアップにつなげ、35-35と同点に戻して前半終了。
3Q、#6副島のインサイドでの活躍で再び筑波大はリードするが、青山学院大は#5片岡のスリーポイントが好調。#12広瀬がボールをカットし、#17北條のシュートも続いて逆転。青山学院大のディフェンスが冴えを見せる。筑波大は#3金山(1年・PG・尽誠学園)のスリーポイントにアシストも出ると48-47と1点差に縮めて4Qへ。

勝負の4Qは青山学院大が中盤から流れを握った。#86中武のゴール下、#6三村(3年・SG)の速攻が決まり、#17北條のシュートでこれまで1ゴールから2ゴール差だったところを一気に54-47と開いた。筑波大はタイムアウトで修正し、#0髙田のドライブや#6副島のスリーポイント、青山学院大のターンオーバーから#14坂本が走ってフリースローを獲得、残り6分半には57-56と再び追い上げる。しかしここからファウルやミスが続き得点がストップ。青山学院大は#12広瀬と#17北條で得点し、ディフェンスでは筑波大のオフェンスを封じる。残り2分半に遂に#12広瀬のスリーポイントが決まると66-56と10点のリードに成功した。優位に立った青山学院大がそのまま逃げ切り、75-59で試合終了。青山学院大が1勝のビハインドから2連勝で1部残留を果たした。

痛み止めを飲んで3試合に臨んだ青山学院大・広瀬は16得点。3戦目は2戦目までは感じなかったという手の痛みでスリーポイントが1/10と決まらなかったが、ドライブやディフェンスで貢献。しかしオフェンスは広瀬に偏りすぎず、16点の北條を筆頭に、4本のスリーポイントを沈めた片岡やゴール下で奮闘した中武ら、メンバー全員で勝利をもぎ取った。
筑波大は副島が14得点でいい流れを作ったが、4Qに青山学院大のディフェンスに何度も攻撃を阻まれ、4分近くノーゴールとなってしまい、勝負どころで爆発できなかった。
「勝てない中でも目標を定めてやることをやってきた」竹田 謙監督・HC(青山学院大学)

◆リーグ戦中はあまり雰囲気が良くない話もあった。どのように入れ替え戦に臨んだか
「やることは変えないということです。やるべきことは毎試合必ずやっていたし、リーグの最後に崩れかけたときは残留とインカレに切り替えて、そのために今からできることをやっていこうともう一回確認して、きっちり強度を上げていこうとしてきました。つらかったと思うんですよ。ゴールも見えないし、全然勝てないし。でもそういうことをないがしろにしないで、我慢してみんながやり続けたのが、今日出た感じです。3日間かけて出たものはちょっと大きいかなと思います」
◆ぐいぐい引っ張るタイプではないが、4年生はどんな風に頑張ってくれたか
「一番経験値も高いし、レベルも高いのが4年、3年生だったので、お手本じゃないけれどしっかり示してくれたっていうのが一番大きかった。少しずつ声が出るようになってきて、そこはみんなが成長したんじゃないかなと思います」
◆広瀬選手の怪我は入れ替え戦に戻れるという見込みで計算していたのか
「ちゃんと折れていたので手術はすぐ決めました。最初は入れ替え戦に無理だろうなと思っていましたが、OBなどの協力で頼れるドクターのところで診てもらえたのでなんとかなりました。練習は直前までチームと合わせられずにフィットとかも含めて心配だったんですが、それ以上にみんなが成長してくれたのが大きかった。彼のプレーにはみんなも多分驚いています。
やはり1部で揉まれた経験がすごく生きたなと思います。 こうしたらこういう風になるというのがやっぱりわかったし、お互いのやり合いのレベルが高かった感じがしました。今日もミーティングで大東さんの映像を見せたりしたんですけど、応用して使える部分を探したし、自分たちの失敗の経験もすごくたくさんあったので、それを生かして今日ゲームを組み立てられたというのは大きかったです」
◆入れ替え戦の経験は大学バスケの中ではどういうものになるか
「それはわからないです。でもやはりリーグ戦をしっかり戦って、リーグ優勝を達成できるような上位のチームに常にいられるようにならないと。だいたい同じようなチームがいて、去年は早稲田も優勝しましたし、そういうチャンスは絶対に自分たちにもあると思うので、そこを目指し続けることをやっていきたいと思います」
「何でもいいからチームを引っ張ろう」入れ替え戦で見せたエースの意地/#12広瀬洸生(青山学院大・4年・SF)

リーグ2巡目に左手の甲を骨折し、戦線を離脱した。
チームはそこから敗戦が続き、入れ替え戦へ。しかし復帰をあきらめず即手術をすると、入れ替え戦へは痛み止めを飲んで出場。左手はしっかりボールを扱えず、また手首のスナップも効かせることができなかった。それでも1戦目28点、2戦目23点、3戦目16点。得点に表れないディフェンスやパスでも見せ、エースとして、そして今年の学生選手を代表するスターとして3試合とも圧倒的な存在感を見せた。
チームとしても入れ替え戦で大きく成長し、広瀬以外の面々が伸びやかにプレーし、強敵の筑波大を撃破。続くインカレへは怪我を完治させ、一回り成長したチームとともに頂点を取りに行く。
─お疲れ様でした。3試合を終えてどのような気持ちですか。
「いや、本当に苦しい3日間でした。1戦目に負けて、昨日と今日も常に崖っぷちの状態でした。本当に、こうやって我慢して勝ち切れたことは、チームが一つになって成長できたということなので、良かったなと思います」
─手の状態もあったと思いますが、3試合とも素晴らしい活躍でした。どんな心持ちでしたか。
「リーグ戦の途中から抜けてしまいましたが、見ていて僕がやれることはいろいろあるなと思いましたし、何が足りないのかをいろいろと俯瞰して見ていました。そこで、やっぱり僕はエースとして、手の怪我に関係なく、何でもいいから本当にチームを引っ張ろうと思いました。その結果がこうなったのかなと思います」
─怪我の左手はどういうプレーが制限されますか。
「ボールカットや強いドリブル、フィニッシュの時に手首を使うことなどが制限されます。痛み止めを飲んでいましたが、今日はすごく痛くて、シュートも全然入りませんでした」
─だからスリーは確率的に悪かったんですね。
「でも、最後の最後にスリーを決めていいところだけ持っていけました」
─竹田さんもちょっと試合に出るのはもう難しいのかもと思っていたようですが、どの辺で入れ替え戦に出ようと決断しましたか。
「怪我をしてスタッフやトレーナーの方々がいろいろなドクターに当たってくれて、すぐに手術ができるところや、すぐに復帰できるところを探してくれました。入れ替え戦になっても間に合うなら、いち早く復帰して、出られるなら出たいなと思っていたので、ずっと復帰するつもりでした」

─それまではチームの雰囲気もあまり良くなさそうでしたが、そこからの入れ替え制はチームがガラッと変わったような雰囲気でした。
「4年生がリーグ戦でそんなに活躍できませんでした。リーダーシップもそうですが、何もできていませんでした。ここでやっぱり4年生がしっかりやろうと、4年生同士で話し合いました。この入れ替え戦では4年生がリーダーシップを発揮して、それに後輩たちもついてきてくれました」
─1戦目落として、あと2つ勝のは、どんな大会を見ても確率的には低い難しいことだと思いますが、残り2戦を勝ち切れた一番の強さ、要因は何だと思いますか。
「本当に2戦目が鍵でした。途中で10点差が開いても我慢して、最後に勝ち切れたことが、自分たちの自信にもつながりました。3戦目は、勢いもあり、もうやるしかないという感じで臨めたかなと思います。」
─毎試合、広瀬選手のところのマークを向こうも対策してきましたが、あまり気にしなかったのでしょうか。
「自分は、できることをやるだけでした。でも、困った時は自分が点数を取らなければいけませんし、自分がやらないといけないと思っていました。少し苦労して、迷惑をかけた部分もあるのですが、良かったですね」
─右手だけでこれだけのプレーができるんだと感心しました。
「自分でも少しびっくりしました。自分も最初は、カッティングやリバウンドで貢献しよう、点数は0点でいいからと思っていたのですが、点数が取れました」
─これからプロにもなっていくわけですが、学生バスケで良かったこと、学べたことっていうのは広瀬選手には何でしょうか?
「やっぱり、限られた時間の中で頑張るということですね。大学は4年間、高校だと3年間ですが、プロは良くも悪くもずっとキャリアが続いていきます。学生時代はこれからずっとプロでやる前の限られた時間です。その4年間が本当に濃くて、すごく楽しいです。本当にすごく熱くなれるし、いい学生時代を送っていると思っています」
─この3戦は気合の入り方が違っていました。 インカレはぜひ今日のような活躍を見せてください。
「インカレには怪我も完治しますし、もっと練習しないといけないなと思います。4年生は今日、緊張していました。インカレではみんなもっとやってくれると思います」


