2021年以来のリーグ優勝を果たした東海大。
開幕以来他を寄せ付けない戦いぶりを見せ、早々に優勝を決定。中盤位が団子状態の中、存在感を見せつける結果となった。優勝までには接戦も多く、それだけ今の関東1部に実力差が少なく、勝つのが容易ではないということだが、そんな戦いを勝ち抜いたことが強さの証明ともいえる。
ただ、頂点には立ったがその翌日には大東文化大に2度目の敗戦となり、課題はまだあるといえる。轟もインカレに向け、チームファーストの徹底、そして勝負どころで決めきる覚悟など、主将としてやるべきことは数多いと意識している。学生最後のシーズン、まだ手にしていないインカレの優勝をつかむため、勝たせるポイントガードとして全力を傾ける。
リーグ戦で出た課題やチームファーストの再確認
東海大が19戦で優勝を決めた時点で戦績は17勝2敗。負けたのは大東文化大と山梨学院大だが、100点ゲームで早稲田大を下した見事なゲームもあれば、反対に際どい試合もいくつかあり、後半戦には途中で大量リードを奪われた日本大戦のような試合もある。この2ヶ月の戦いはすべて順調というわけではなかった。
日本大戦では轟は原因をはっきりと受け止めていた。「日大戦に関しては相手の圧に完全に負けました。マインドセットができてない試合だったのかなと思っています」。
技術や戦術以前に、相手の圧力を受けたときにどう立ち向かい、跳ね返すか。それがうまくできなかったことで、チームとしての未熟さが出たという認識がある。特にガード同士の連携については、「自分とルーニー(#10)がうまく連携を取れている時は本当に流れがいいんですが、どちらかボールを持ちすぎた時間帯に重くなって、点も入らず、やられてしまっている」と話す。流れを作る立場だからこそ、ボールの持ち方、テンポ、周囲の生かし方が試合全体に直結する。轟は「もう一度ルーニーとしっかり話し合ってやっていかなきゃいけない」と、修正への意思を口にする。

ただし、気持ちが緩んでいたわけではない。「自分たちも本当負けられない。優勝するために負けられない戦いがずっと続いてるので、そこは気を抜くことはなかった」と言いきる。そのうえで課題として挙げたのが、チーム全体のマインドセットだった。日大戦での反省を生かして翌週はしっかりカムバックできた一方、負けた2試合は「自分たちのやるべきことを見失って、全員バラバラになって、もう本当に諦めたような雰囲気になってしまっていた」とも明かす。この話を聞いたあと、3敗目も喫したが、おそらく同じような状況に陥ったと考えられる。苦しい時間帯に全員が同じ方向を向けるかどうか。そこが、この先も大事な場面で重要になってくる。
「春は怪我人もいて、それでもある程度の結果が出ました。夏になってやっと全員が揃い、ここまでみんなでいい積み重ねが毎日できて、リーグ戦、インカレ優勝というチームの目標にみんなで向かっていけているので、この先リーグ戦で出た課題を意識しつつさらに高めたい」と語る。

轟が強調したのは、個々ではなくチームとして勝つ姿勢だった。「全員がというわけでもないけれど、個人がスタッツを気にし始めたりだとか、チームファーストになっていない状態が一番良くないことです」。5人で戦う競技だからこそ、誰か一人の活躍だけでは乗り切れない。だからこそ、ミーティングでもう一度「チームファーストで戦っていこう」と確認したいと話す。今季のリーグは例年以上に力が拮抗しているだけに、毎試合で自分たちの基準を保ち続けることが重要になる。

最後は自分が決めるという意志
学生バスケで成し遂げたいことを問うと、答えはシンプルだった。「自分がチームを勝たせて優勝して終わりたい」。入学以来、2年時に関東新人で優勝しているが、トーナメントでは4年間、リーグ、インカレの頂点には3年目まで立てず、ようやく4年目でリーグ戦のタイトルを獲得した。そして目指すはもちろんインカレだ。
優勝へのプレッシャーについても「すごく感じている」と認めたうえで、「それに打ち勝たないと、勝たせるポイントガードになれない」と受け止め、逃げずに重圧と向き合っている。
「勝たせるポイントガード」という言葉には、勝負どころで自分が前に出るという明確な意志が見える。昨季の重要な試合における敗戦について、「自分のゲームメイク力のなさ、自分のシュート力や勝負強さがなかったために負けたと思います」と振り返る。だからこそ今季は、その部分を意識し「今は試合で苦しくなったら自分が試合を決める、と決めています」と言う。
実際、リーグ戦を見ていると轟のレイアップやスリーポイントが勝負どころや苦しい時間帯に何度も決まり、流れを変えている。しかもそれは無理に仕掛けているのではなく、デザインされた上で彼らしさを発揮しているようなシュートが多く、4年生の落ち着きと貫禄を感じさせる。「もちろん、頼れる後輩や同期もいます。そこに信頼は置いていますが、最後は自分がやろうと決めている」そんな姿勢が凄みを生んでいるといえる。
「この4年間何も結果を残せず終わっているので、ただただ勝ちたい。最後はその想いだけです」
4年間の集大成としてチームを頂点へ導くこと。それが轟にとって、最後に残された最大の挑戦だ。

轟 琉維/とどろき るい
169cm/70kg
福岡第一
(2026.10.17インタビュー)


