【2026リーグ1部/PORTRAIT】春の悔しさを力に変えたリーグ戦でのプレー/#4中川知定真(東海大・4年・F)

2026関東リーグ

今季、チームを支える4年生の1人として、重要な役割を担っている。
チームに高さが必要なときはゴール下で、得点が必要であれば内外からのシュート、ディフェンスではガードへのマークでもミスマッチを生かして対戦相手の起点を潰す。

春シーズンを怪我で棒に振った分、秋は存在感を発揮した。入野監督はリーグ優勝を決めたあと、「このリーグのMVPは中川。彼が春プレーできなかった分、頑張ってくれた」と評価した。

東海大のホームゲームを終えた時点でチームの強みと課題、自身が磨くべきプレー、春に腰を痛めた悔しさ、そして代表活動で得た経験まで。勝ち切るために必要な修正点について聞いた。


立ち上がりに残る課題と、インカレを見据えた修正

ホームゲームの初戦では国士舘大と対戦。接戦を制したが、口にしたのは試合の入り方だった。大きく崩れているわけではない。ただ、国士舘大相手に競り合いに持ち込まれるなど、一気に自分たちの流れへ持ち込む迫力が、最近はやや薄れていると感じている。「入りの流れが悪いとかではないと思うんですが、特にこちらの流れになることもなく、静かに始まってしまうゲームが続いています」。特にここ数試合は欠場する選手もいたため、スタートメンバーの顔ぶれが変わっている。そのことで全体として噛み合いきっていない部分があるかもしれないとも考える。「そこをもうちょっとアジャストしていければ」と、勝ち星の先にある内容の充実を求めている。ただ、修正点はあるものの、リーグ戦では序盤から他に追いつかれることなく独走体制で、際どい試合の数々を制したのはさすがといえる。

中川自身は「リーグの優勝は強く意識していない」という。なぜならチームの目標はリーグ戦の先にあるインカレ優勝であり、残された公式戦をどう成長の場に変えるかの方を重要視しているからだ。「毎試合無駄にせず、自分たちがどれだけステップアップできるか」を考えているからこそ、リーグ戦で負けないことは重要だが、結果に満足することはない。

個人の出来としては、持ち味である身体能力を生かしたドライブ後のフィニッシュ力、そしてアウトサイドシュートの確率向上を課題に挙げる。将来を見据えれば、2番、3番のどちらでもプレーできる幅を持ち、味方が作ったアドバンテージを確実に得点へ結びつける力が必要になると考え、残りの学生生活でもその部分を高めていきたい気持ちは強い。

我慢強さとディフェンスの再確認

目標とするインカレで勝つために必要な修正点として、負けた試合の共通点を冷静に見つめる。それは自分たちの思うようなオフェンスができず、その停滞がディフェンスにも影響し、相手に主導権を渡してしまう展開だ。「流れを変えられずに15点、20点と離されて、追いつけずに負けてしまう」というのがそれだ。一方で、厳しい試合を経験し、それに勝ったことで感じた手応えもある。2巡目の日本大戦では18点差から逆転まで持ち込んだが、「そういった粘りが常に備わっていけば、インカレも優勝できる」と確信する。

そしてそのために必要だと考えるのがディフェンスだ。

チームは入野監督に交代してからトランジションを強く意識するスタイルとなっている。一方で、それがうまくいかない時間帯にこそディフェンスへ立ち返る必要がある。大学に入学してからは陸川監督の元でディフェンスを磨いてきた。指導者やチームが変化しても、東海大のアイデンティティがディフェンスにあるということは、変わっていない。「ディフェンスをもっとフォーカスできれば、さらに強いチームになる」。攻撃の勢いだけではなく、苦しい時に守りで踏みとどまれるかが、頂点への鍵になる。

腰の負傷で味わった春の悔しさ

春先には腰の負傷に苦しんだ。李相佰盃の代表選考の最終合宿を目前にした練習で腰を痛め、「まともに歩けない」ほどだったという。もともとシーズン序盤から腰に痛みを抱えていた中で、再びひねるような形になり、トーナメントはもとより、代表活動も辞退せざるを得なかった。昨年はこの大会に出場して得た経験の大きさを知っていたからこそ、その場に立てなかった悔しさは強い。「李相佰盃やそのための合宿は、すごく良い経験になるというのを去年参加して知っていたので、自分の中でそこに入れなかったっていうのはすごく悔しい気持ち」。見ているだけの時間は、中川にとってもどかしさを残した。

さらに、代表活動の中で自身に期待をかけてくれていた指導者の存在もある。「網野さんともう一度一緒にバスケがしたかった」という想いは、負傷によって失った機会の大きさを物語る。一方で、代表活動を通じて高い基準に触れ、自分に何が求められているかを改めて感じられたことは、現在のプレーや意識にもつながっている。

李相佰盃の合宿では高いレベルで切磋琢磨した。

リーグ戦での課題修正、インカレでの勝負、そしてその先のステージへ。春の悔しさと代表で得た刺激を力に変え、頂点を目指して歩みを進めている。


中川知定真/なかがわ ちでぃま
192cm/97kg
東海大諏訪

(2026.10.10インタビュー)

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