【2026リーグ1部/PORTRAIT】憧れの地、日本で目指すプロへの道/#98スヴェトリシック イゴール(山梨学院大・4年・C)

2026関東リーグ

サッカー少年から 18 歳でバスケに転向し、セルビアから日本に留学生としてやってきた。ヨーロッパ出身の学生が日本の体育会で大学バスケットをするのは珍しいが、日本に興味を持ったことから来日し、バスケットの能力をかわれて入部したという、通常とは違うパターンだ。

日本のことはアニメを通じて知ったというが、日本語も堪能だ。山梨学院大では1年次からスタメンとして出場しているが、バスケット歴が短いとは微塵も感じさせない存在感を放っている。

昨年末にはB1秋田の練習生として活動したが、夢は日本でプロになること。「まだまだ」足りない」というが、バスケット経験年数からすればまだまだ伸び盛りともいえる段階。成長しながら挑戦を続けている。


サッカー少年から 18 歳でバスケに転向

スヴェトリシックのバスケットボール歴は決して長いものではない。サッカー少年として育ち、バスケに転向したのはなんと来日少し前のこと。「18歳まではサッカーやっていて、そこから本格的にバスケを始めた」といい、バスケットはそれまで遊びでやる程度だったというのだから驚きだ。大学1年で既に非凡なものを見せていたがそれでも「1年のときはいろいろ足りなかった」と振り返る。

日本留学のきっかけは、バスケそのものではなく、日本のサブカルチャーや文化面に興味を引かれてだった。「小さい時からアニメとか見て、色んな本とか読んだりして日本が気になって住んでみたいと思うようになった」という。『NARUTO』や『ドラゴンボール』『スラムダンク』『ハイキュー!』など、日本でもおなじみの作品を見て、憧れを持っていたという。

ホームゲームでは幼い頃の愛くるしい姿も飾られた。

そしてちょうどバスケットを始めたばかりの時期に、日本での奨学金のチャンスがあると聞いた。「普通に留学して、日本に住みたかったから、日本に来ることを決めました」と、純粋に日本での生活への憧れが原動力となってはるばる遠いセルビアから来日した。

スヴェトリシックの大学生活の土台となったのは、まずはiCLA(山梨学院大学国際リベラルアーツ学部)で学ぶ同じ留学生たちとの交流だった。彼自身はスポーツ科だが、iCLAは留学生が多く学ぶ学部で、「1、2年生の時はあまり日本語を喋れなかったんですが、iCLA は留学生ばかりなので、先にそこで友達できた」そうだ。今も日本語は「上手ではない」と謙遜するが、彼の日本語能力は1年時より先輩たちからも称賛されていて「彼は頭が良くて日本語も上手い」という声はたびたび聞こえていた。

厳しさと楽しさの両方を味わった日本での生活

日本での生活は、決して平坦なものばかりではなかった。2年時の新人戦では怪我を負い、長く戦列を離れたこともあるが、その他にも体調を崩したこともある。「怪我とか病気の時とかいろいろあって、結構難しかった。当時は日本語もあまり喋れていなかったので、そういうところがちょっときつかったですね」と、異国の地で苦労に直面した時期を振り返る。

それでも「それ以外は本当に楽しかった。学校も良かったし、友達もできました。先輩たちも優しかった。みんないい人たちばかりで本当に楽しい」と、4年間で自分の居場所を築き、周囲の人々との繋がりも支えになったと語る。

チームは一昨年2部に降格したが、1年で見事1部復帰。再び大学最高峰の舞台で戦うが、感想は「きついです」の一言。「みんなどのチームも強くて、イージーな試合が全然ないので、全試合頑張らないといけないのが大変」だという。しかしそれは決して苦痛ではなく、「面白いです。本当に面白いです。1部で最後で戦えるは本当に嬉しいです」と、上位リーグで戦える喜びを口にする。今リーグではホームゲームも開催し、観客席には留学生仲間たちも数多く応援に詰めかけていた。中には「卒業した友達も来てくれた」と、わざわざ駆けつけて応援してくれたことに感謝していた。

夢は日本のプロバスケ ― 頑張り続ける姿勢

将来の夢については「プロバスケを目指しています。日本のプロバスケは最近強くなっているし、日本に残りたいですが、まだいろいろ足りないですね。チャンスがあるかないはわかりません。でもそうなるように頑張ります」と、挑戦への強い意志を示す。昨年のオフにはBリーグの練習生としてもプロの世界に触れたが、少しでも次につながるように祈りたい。

山梨学院大には今年、新たにセルビアから留学生がやってきた(#62ストラヒニャ)。スヴェトリシックの後輩で、幼い頃からの知り合いだという。「彼は小学校の時からずっとバスケットをやっています。彼とはセルビアでも同じチームやっていて、日本でバスケットができると言ったら、興味を示して留学してきました」。先輩の挑戦の姿を見て、後輩もまた日本でのバスケに憧れ、海を越えてきた。

1人の挑戦がその次へも続いていく、そんなつながりもまた興味深い。山梨学院大に選手として存在を示したスヴェトリシック。学生としての残りのシーズンで次なる扉をこじ開けにいく。


スヴェトリシック イゴール
201cm/91kg
Medicinska skola Beograd

(2026.9.5インタビュー)

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