上位リーグは残り1試合だが、まだどのようにも転ぶ接戦となっている。東海大会場では日本体育大が破れ、再び白鷗大が首位に躍り出た。優勝および2〜6位は11月3日の最終戦、最終試合にて決定する。
大東文化大会場での2試合も、一つでも上を狙うチームたちの熱い戦いが繰り広げられた。
専修大が後半に逆転し、3位以上に望みをつなぐ
3位争いに絡む日本大と専修大の戦いは、前半は日本大のペースで試合が進んだ。開始早々#8陳岡(4年・SG)のスリーポイントが決まると、その後速攻が続き、#11奥浜(2年・PF)の連続スリーポイントも決まった。専修大は#14佐藤(3年・PF)、#6上村(3年・SF)、らのシュートなどで盛り返して24-18とするが、2Qになると攻撃が停滞。日本大はQに続き得点を重ねて前半50-35の大差をつけた。
3Q、専修大はディフェンスを締め、じわじわと詰め寄る。日本大は#8陳岡のスリーポイントはあるが、それ以外で攻撃が重くなり、終盤には#31松野(2年・SG)や#6上村に早い展開から速攻やスリーポイントを決められ、68-63。専修大が10点縮めて4Qに入った。
最終Q、追い上げる専修大は#97ジョベ(1年・C・高知中央)が得点、アシストで見せる。日本大も#8陳岡のスリーポイント、#11奥浜の速攻も出て追いつかせないよう粘るが、開始5分、#6上村のスリーポイントで遂に専修大が逆転。日本大は中をしっかり守られた上に外が決まらなくなり、残り2分に#12コンゴロー(3年・C)がファウルアウト。専修大は#13クベマ(4年・C)がゴール下の強さを見せ、#31松野のシュートでダメ押しとなる点数を決めると、81-86で見事逆転勝利を治めた。
上位は団子状態のため、順位はまだわからない。専修大最後の対戦相手は日本体育大。1巡目は見事な試合展開で勝利しており、注目の再戦だ。
日本大は前半好調だったものの、後半専修大のディフェンスを攻略できずに崩れた。力の拮抗した上位リーグでは一瞬の油断も許されないが、後半に追い上げられる試合がこのリーグではいくつか見られている。インカレの4シード獲得には最終戦の勝利は必至。立て直しが求められる。
【INTERVIEW】「オフェンスに心を向けないよう、しっかりディフェンスした」#97ジョベ モハメド(専修大・1年・C・高知中央)
ルーキーイヤーながら存在感は抜群。204センチ、また100キロオーバーの体躯でありながら、プレー幅は広く、フォワード的な動きもできる。7月の新人インカレでも準優勝に欠かせない存在として抜群のインパクトを残した。リーグ戦はコンディション不良もあり、序盤は欠場したが中盤戦からは復帰してきた。
前節の大東文化大戦では反省も多かったというジョベ。しかし日本大戦はディフェンスを意識したことでオフェンスも好転。17点9リバウンドでチームの勝利に貢献した。
─見事な逆転ゲームでした。
「昨日の試合はディフェンスがあまりよくありませんでした。自分がしっかりディフェンスができなくて、いいプレーができなくて、監督と話をしました。そうしたら、しっかりディフェンスをしたら絶対にいいプレーができると言われました。だから今日はオフェンスに心を向けないように、しっかりディフェンスをやりました」
─チームでディフェンスが良かったです。
「先輩たちもジョベがしっかりディフェンスをしたら、いいプレーができるよと言われて。今日はディフェンスをしたら絶対勝つと思って、心もディフェンスに集中していました。ベンチのみんなの力も出たし、すごくいい試合だったと思います」
─今日は日本大のコンゴロー選手(#12)などともマッチアップしてシュートも決めましたね。
「デイビッドは大学でいい留学生だから。僕も大学で一番いい留学生になりたいから。絶対に。デビッドはめっちゃいい選手だから、この試合に勝とうと思っていました」
─大学1年目、リーグ戦は初めてですが、いかがですか?
「こんなに長く試合をするのは初めてです。でも優しい先輩がいっぱいいて、いろいろ教えてくれます。監督も自分のことを分かっているから、いろいろ教えてくれます。すごくいいチームでプレイできています。高校の時から僕は日本一になりたいと思っていました。この先、大学で日本一になれるように頑張ります」
大東文化大はリーグ最終戦で筑波大を下しホームの観客に応える
ホームゲーム2試合目、大東文化大は筑波大と対戦。1Qから大東文化大が内外で強さを見せ、筑波大は#2木林(4年・PF)、#34三谷(4年・SF)のスリーポイントでしのいでいくが、大東文化大も最後に#70髙橋(2年・F)のスリーポイントが連続し、26-14とリードすると、2Qでもリードを保って45-32。
3Q、筑波大の攻撃がテンポアップ。#31小川(3年・PG)、#2木林、#28浅井(3年・PF)のスリーポイントで点差を縮める。しかし大東文化大も#34バトゥマニ(4年・C)のゴール下でのプレーも続き、6点差まで縮められた点差を13にして4Qに入ると、#25山内(3年・SG)がスリーポイント、バスケットカウントと続けて見せる。そのままの勢いで最後は87-62と差をつけて試合終了。
大東文化大はこの試合がリーグ最終戦。ホーム2勝という最低限の目標は達成し、12勝7敗で最終順位を待つことになる。
筑波大は既に順位は確定している。常に誰かがいない状態で安定しないリーグ戦ではあったが、#34三谷や#11横地の復帰でようやく4年生が揃った。終盤戦は前半苦戦していたスリーポイントも決まってきている。良い材料だと切り替えてインカレに向かいたい。
【INTERVIEW】「下のメンバーにのびのびやってもらえるようにしてきた」下級生に助けられたことに感謝/#14谷川海斗(大東文化大・4年・PG)
Aチーム登録の4年生は3名。菊地(#4)、バトゥマニ(#34)、そして谷川だ。2021年度の新人戦(2022年3月開催)では中心メンバーの1人として活躍。競争が激しいチームで出番を争ってきたが、最終学年はリーグ戦でもたびたび出番を獲得。最終戦でも得意のスリーポイントを決めた。
長いリーグ戦を終え、インカレが迫る今、終わりが見える大学バスケのキャリアに寂しさもうかがえる。最後に優勝を目指し、精一杯のはたらきを見せてもらいたい。
─オープニングムービーで6月のホームカミングデーの試合は、教育実習で出られなかったとコメントしていましたね。この2日間はいかがでしたか?
「ホームゲームは素直に楽しかったというのと、こういう雰囲気の中でバスケットができて2連勝できたので、すごく良かったなと思います」
【大東文化大学フレンドリーマッチ】大東文化大初のホームゲームで、観客の声援に応える見事な勝利を収める【その他の試合】(2023.6.3)
─やはり自分のチームでのホームゲームは特別ですか?
「アウェイで東海のホームゲームを経験したことはありますが、自分のホームでホームゲームは素直に楽しかったです」
─他のチームより一足はやくリーグ終了となりました。このリーグ戦はいかがでしたか?
「4年間を振り返って早かったというのと、今年のリーグは本当に優勝を目指していたんですけれど優勝には届かなくて、いいところも悪いところもたくさん出たリーグ戦だったと思います。このリーグで出た悪いところを残り1ヶ月で修正して、インカレで優勝できるように頑張りたいです」
─4年生として心がけてきたことは?
「今年は4年生が少ないので、1・2・3年生にのびのびやってもらうということと、積極的にコミュニケーションを取ることを大事にしてきました。選手だけでなくて、学生コーチや西尾さんともコミュニケーションをとることを心がけています。うまくいったかどうかわかりませんが、下級生はのびのびやって結果を出してくれていますし、自分が4年生として。何かしたというよりは、本当に下級生に助けられたなと思っています」
─今の関東大学1部は、上位にほぼ実力差がなく、勝つのが難しい時代になっています。インカレに向けては?
「インカレでどこと当たるかもまだわからないですし、去年は4年生が引っ張ってくれて、プロに行くようなせ絶対的な2人(中村拓人B1広島/高島紳司B1宇都宮)がいても優勝に届きませんでした。そういうことをみんな経験していますし、今年はどこが相手でもしっかり倒して優勝できるように、あと1ヶ月頑張っていきたいと思います」
─他のチームより一足先に最終戦を迎えるのはちょっとさびしいですね。
「本当にそうです。昨日はそんなに感じなかったんですが、今日は試合をやりながら『今日でもう終わりなんだ…』となりました。厳しい練習をしている時なんかは早く引退をしたいなぁと思っていたんですが、こうやって終わりが見えてくると寂しいです。次のインカレ一発勝負なので、何試合できるかもわかりません。本当に最後頑張りたいと思います」
【第19節/勝敗】
<上位リーグ>
白鷗大学 14勝4敗
日本体育大学 13勝5敗
大東文化大学 12勝7敗
専修大学 12勝6敗
日本大学 12勝6敗
東海大学 12勝6敗
7位 筑波大学 9勝9敗
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<下位リーグ>
8位 中央大学 10勝8敗
明治大学 7勝12敗
山梨学院大学 7勝11敗
─────入れ替え戦──────
神奈川大学 6勝12敗
拓殖大学 6勝12敗
────2部降格〈確定〉────
13位 早稲田大学 5勝13敗
14位 江戸川大学 2勝16敗
※試合数が異なるため、確定のみ順位を記載