【関東リーグ2023/1部】1巡目を終了し、日本体育大が首位で折り返す(第13節/2023.10.9)

2023関東リーグ
白鷗大に勝利した日本体育大。#41石川は安定してシュートを決めており、特に試合開始の流れを作ることが多い。

全チーム総当りの1巡目、そしてその結果で上位と下位グループに分かれる2巡目という、これまでにないレギュレーションに挑んでいる関東1部リーグ。1巡目の最終節を終了し、日本体育大が首位で折り返した。

2巡目は勝敗にかかわらず、各グループ内で順位が決まる。13位、14位は2部へ自動降格、11位と12位は2部1位、2位との入れ替え戦に進む。また、その結果によりインカレの出場チームも決まる。

残りは6試合、最後の戦いがはじまる。

日本体育大が好ディフェンスで白鷗大を抑え、首位ターン

1敗の白鷗大と2敗の日本体育大が最終戦で激突。2Q以降に日本体育大が大きく引き離して87-71とし、白鷗大と同率だが直接対決の結果、1巡目の首位に立った。

1Qは日本体育大が16-11とややリードしたが、2Qで#1コネ(1年・C・帝京長岡)のシュート、#9大森(3年・PG)のバスケット・カウントなど、勢いある攻撃が続き、#41石川(2年・SG)、#7西部(2年・SF)のスリーポイントがたたみかけるように決まる。白鷗大は#20根本(3年・SG)が勝負強く返し、速攻も出るが、34-25で前半終了。

3Q、日本体育大はこのQ、激しいディフェンスで白鷗大に思うようにプレーをさせず、シュートチャンスを何度も奪う、見事な守りを披露。ディフェンスから攻撃につなげてこのQで66-48とすると、4Qも粘る白鷗大を振り切って見事に勝利した。

日本体育大は#4小澤が21得点のチームハイ。

日本体育大はこの3連戦、日本大と延長戦、専修大には破れ、最終戦の白鷗大には勝利するという、激闘が続いた。難しい試合が続く中で集中を切らさず、上位チームとの3連戦を2勝1敗とし、首位で折り返す。#21月岡(2年・PG)は「今日一番良かったのはディフェンスのところ。前半は甘さを感じたので、3Qは特にディフェンスを意識して入りました」というが、それでも前半は得点源でもある#88佐藤(2年・PG)に思うようにシュートを打たせない守りを披露した。

攻撃が目立つチームだが、最終戦は特にディフェンスが良かった。チームでは「うちはコネ(#1)とジャンピさん(#23ムトンボ)という強力なセンターがいるので、そこにいい意味で頼るというのもいいんですが、その前のオンボールのところで抜かれすぎないというところを意識してやっています。1巡目はリバウンドを取られすぎている課題が出てきているので、留学生2人に任せないでリバウンドを徹底しようということを意識しています」という。昨年までのように#34ムトンボの数字が圧倒的、という試合は減り、今年は周囲の面々のスタッツがそれぞれ伸びている。月岡もこの試合、6リバウンドで貢献した。

日本体育大#21月岡は白鷗大#88佐藤をブロックする場面も。ディフェンスで粘った。

攻撃力に加えてディフェンスの強化も見られることが、1位通過の理由ともいえる。後半戦もそのままの意識で頂点を走り続けられるかが見どころだ。

最終節の勝敗で筑波大が上位リーグ確定、中央大は下位リーグへ

上位と下位の分かれ目になる筑波大中央大の7位争いは、筑波大が苦しみながらも6位に滑り込んだ。前日の試合で7位・筑波大、8位・中央大に順位が変わっていたが、両校ともに7位以上になるには勝利が必須、1巡目最終節で中央大が勝利し、筑波大が負ければ再び順位が入れ替わる状況だった。

まず、中央大江戸川大と対戦。江戸川大は前節でも日本大に最後まで粘ったが、この日も立ち上がりからスリーポイントが好調でよく決まり、27-18とリード。2Q、3Qには中央大が巻き返す一方、江戸川大はタフショットが続いて得点で遅れをとり、4Qには逆転される展開に。しかし#13大出(3年・SG)のスリーポイントで同点に戻すとそこからはシーソーゲーム。残り1分からは#1ジャキテェ(4年・C)の連続得点で4点リードになった。中央大は残り30秒、#2内尾(4年・SF)のドライブは惜しくもチャージングに。そこからは江戸川大の流れになり、79-70。しぶとく奮闘した江戸川大が最終戦で2勝目をあげた。

江戸川大は#13大出の勝負強いシュートが流れを引き寄せた。また#5梶谷もルーキーとは思えないプレーを続けている。

また、筑波大大東文化大と対戦。

前半は互いに点の取り合いが続き前半は1点差。3Qで大東文化大のシュート確率が落ちてくると、ここで12-20と差をつけた筑波大が優勢になった。このリードを4Qも守りきった筑波大が67-73。筑波大は前の試合で江戸川大が勝利したため、試合前に7位以上は決まった状態だったが、自身も勝利することで、最終的には6位の座を勝ち取った。大東文化大は、順位は変わらないが4敗で4位。まだ十分優勝は狙える位置だが、1巡目の後半は課題も見えた。残り6試合で修正が求められる。

大東文化大戦は#2木林が得点を牽引。

【INTERVIEW】「4年生の今が一番成長している」ようやく到達した1部リーグで、毎試合挑戦が続く/#1ジャキテェ ダオウダ(江戸川大・4年・F)

江戸川大の大黒柱でありエースは、留学生では珍しく、198cmのフォワードとしてプレーする。フォワードタイプの留学生も近年はちらほら出てきているが、サイズがあり、動きが機敏なため、ディフェンスする相手には厄介だ。ジャキテェの動きは軽く、しなやか。ドライブ、スリーポイントどちらも得意とし、チーム最大の得点源でもある。新人戦で鮮烈なデビューを飾った#40アデツツがリーグ戦は欠場となり、フル出場の試合も少なくない。しかしそれでも黙々とチームのため、そして来年の下級生たちが1部にいられるようにと、プレーを続けている。

─13試合を終えての感想は。

「2部から上がって、1部の試合は誰も経験がないです。日本一を目指そうとなった中で、ここまでいい試合はできていたんだけど、最後に経験値の差が出て負ける試合が多かったです。でもチームは最後まであきらめないでやり切ろうと。下級生のために1部にチームを残したいと思ってやっています」

─1部の選手との対戦は個人的にはどうでしたか?

「1部のマッチアップ相手はフィジカルも強くて、2部と違ってハーフコートバスケットがうまいので、そこは印象に残っています。デイビッドが怪我をしてしまって、自分のプレータイムが長くなるのは想像できていたんですが、チームでそこどうカバーするかとかも練習をしてきました。それが今日は結果に繋がったと思います」

─1部の試合は楽しいですか?

「上のレベルで戦った方がモチベーションも上がるし、毎日毎日、勝ちましょうとなって面白いです」

─勝った試合と負けた試合の差は?

「もう一歩で負けた試合が多くて、勝てないなと思う試合はなかったと思うんですが、4Qでもう一歩の力が足りなかったと思います。それを2巡目にどうつなげるかが大事だと思います。ここからもう一度挑戦していきます」

─江戸川大学を選んだ理由を教えてください。

「高校の時から1部リーグでプレーしたいなと思っていたんですが、自分の身長やバスケスタイルを考えると、1部のチームだと留学生が外でプレーできるチームがあまりありません。自分のプレーができるチームに行きたいと思って、江戸川に決めました。江戸川だと中も外もボール運びも全部やらせてもらえます。日本ではみんなが面倒を見てくれて、日本語をすごく一生懸命教えてくれたり、生活もフォローしてもらっています。だから自分はバスケを頑張り、縦横と縦の繋がりも大事にしてここまでやってきました」

─4年間で成長した部分は?

「1年生のときはコロナでなかなか試合に出られなくて、2年生のときは怪我が長くかかって、3年生になってようやく主力として2部リーグに出ることになりました。1年生の時から1部リーグに上がれたらいいなと思っていましたけど、なかなかそううまくいかなくって、4年生でようやく1部リーグでプレーできているのがうれしいです。だから4年生の今が一番成長している状況です」

─後半戦、残り6試合に向けて。

「優勝をチームで目指していたんですが、下位グループに分かれるので一つ目標がなくなった状態です。でも二つ目の目標はインカレに出場することです。インカレに出るためにチームのみんなで頑張ります」


【INTERVIEW】「4年生として簡単なミスはできない」大きな責任を背負った1巡目を経て、2巡目へ/#2木林 優(筑波大・4年・PF)

大東文化大戦では16点。スリーポイントも3本沈める活躍だった。
主将の三谷が前半戦を欠場し、横地も復帰前という状況下で、前半戦はキャプテンを努めた。正直「できていない」というが、4年生がたった1人になった試合もある。プレッシャーのかかる試合が続く中で、そう簡単な心境ではなかったかもしれない。
しかしチームは終盤粘って、6位に滑り込んだ。後半戦は4年生が一丸となりチームを引っ張る形が見られるかどうかが、一つの楽しみだ。

─最後の3連戦は連勝、最終戦は大東文化大に勝利しました。

「公式戦で大東文化大にはなかなか勝てていないので、今日の勝利は大きかったです」

─13試合を終えていかがですか?

「1巡目全体を通して最初はなかなかチームも良くなかったし、自分的にも課題ばっかりの試合でした。でもこの3試合はチーム全員が一丸となって戦えていましたし、個人的にも調子は上がってきています。確実にチームはステップアップしてきているので、2巡目に良い流れで繋げていけると思います」

─今日は特にスリーポイントも含め、得点では見事でした。1巡目は三谷選手が欠場で、キャプテンという立場でした。キャプテンとしてやってみていかがでしたか?

「正直、キャプテンはできない、そんな感じです。試合中もハドルとかを組んだ時にこうしようとか、チームの雰囲気を上げる喝を入れるようなことを意識してやっていましたが、できているかどうかは分からないし、おそらくできていません。特に最初は本当にできていないと思っていました。でも最近ようやく慣れてきて、徐々に良くなったのかなとも感じます」

─そのプレッシャーのようなものはプレーにも影響したでしょうか?

「多少はありました。ただ、キャプテンというよりは、4年生として簡単なミスはできないし、責任のあるプレーをしなくてはいけないと思っていたので、そこが大きかったと思います」

─終盤チームが一つになれたのは何が大きかったでしょうか。

「一度悪い流れを改善するためにチーム全体でミーティングをしたんですが、そこは大きかったかなと思います。あとは1・2年生が盛り上げるというか、声を出してくれる選手が多いので、それを積極的にやって声を出してくれるようになったので、チームとしても少しずつ士気が上がってきました」

─上向きな感じはしますし、三谷選手ももうすぐ復帰とのこと。2巡目に向けて。

「ディフェンスからブレイクという筑波のバスケットを、出ている5人がしっかり遂行して、今の良い雰囲気をなくさないように頑張っていきたいと思います」

早稲田大が東海大を倒して3勝目

前節で大東文化大に鮮やかな試合を見せた東海大は、早稲田大に苦しめられた。ゲームは1Qから25-22と点の入れ合いとなり、ハイスコアリングゲームを得意とする早稲田大のペース。東海大はややリードされた形で追いかけるが、迫るたびにシュートを決められてしまう展開で、最後まで逆転が叶わず87-79。東海大はこの敗戦により、7位で1巡目終了。早稲田大は最終戦でようやく3勝目。現在地は入れ替え戦圏内だが、残り6試合で抜け出しにかける。

#6三浦18点、#5堀19点と、得点源が活躍した早稲田大。

【第13節1巡目終了/勝敗】

<上位リーグ>
1位 日本体育大学  11勝2敗
2位 白鷗大学    11勝2敗
3位 日本大学    10勝3敗
4位 大東文化大学  9勝4敗
5位 専修大学    9勝4敗
6位 筑波大学    8勝5敗
7位 東海大学    8勝5敗
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<下位リーグ>
8位 中央大学    6勝7敗
9位 神奈川大学   5勝8敗
10位 山梨学院大学  4勝9敗
11位 明治大学    4勝9敗
12位 早稲田大学   3勝10敗
13位 江戸川大学   2勝11敗
14位 拓殖大学    1勝11敗

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