【2022関東リーグ入れ替え戦】早稲田大が東洋大との3戦目を制し、1部残留(2022.11.11)

2022関東リーグ
1部残留を決め、早稲田大の4年生たちが抱き合った。

入れ替え戦最終日、2部10位の東京成徳大は3部3位の國學院大を破り、2勝1敗。2部残留を果たした。1部12位の早稲田大と2部3位東洋大の1部入れ替え戦第3戦は、東洋大が猛追するが早稲田大が逃げ切った。

【1部入れ替え戦・GAME3】早稲田大が2勝1敗で1部残留、東洋大は3点差まで詰め寄る

1Q、立ち上がりは早稲田大東洋大ディフェンスの穴を突いて得点していった。東洋大は過去2戦同様、攻めあぐねてしまい、一気に10-0とされてしまう。早稲田大は全員がまんべんなく得点を重ねて27-17。2Qも#13星川(3年・F)の連続スリーポイントでさらに差を広げる。東洋大は#33秋元(3年・PF)のバスケットカウントや#67新井(3年・F)がスローインをカットしての得点など、徐々に良さが出てくるが、そのたびに早稲田大に返されて10点から先がなかなか縮まらない。前半は45-37の早稲田大8点リードで終了。

3Q、東洋大は#27丹波(4年・PG)のスリーポイントや、#18庄子(4年・SG)のフローターなど4年が奮闘。じわりと点差を縮める。しかし早稲田大も#77石坂(2年・F)がバスケットカウントで粘りを見せて簡単には寄せ付けない。東洋大は#18庄子、#5佐藤(2年・PG)のスリーポイントが続くが、早稲田大は#3高田(1年・SG・洛南)がこちらも2本のスリーポイントで返す。東洋大は6点差まで縮めるが、早稲田大が再び11点まで広げて3Qを終えた。

東洋大は#5佐藤が得点を引っ張った。2年目となり大きく成長を遂げたシーズンになった。

4Q、東洋大は#3佐藤のスリーポイント、#27丹波の速攻で幸先のいいスタートをきると、早稲田大のターンオーバーが続いて約3分半得点が止まる間に#11先崎、#5佐藤が粘って残り4分半で3点差にまで追い上げた。しかしここから早稲田大は#15兪(3年・C)がゴール下で高さを活かして3連続得点。さらに#5堀(1年・GF・東山)のスリーポイントが決まって残り1分半で再びリードを10に広げた。東洋大は最後まで粘るが点差を縮めるには時間が足りず87-76。あと一歩まで迫るが、早稲田大がリードを守りきり、3戦目を制して1部残留を決めた。

高さと攻撃力で勝っていた早稲田大が、一定のリードを保って試合を進めた。ディフェンスで東洋大にシュートを打たせず、速い展開で得点を重ねていった。

早稲田大は#15兪が高さとパワーで終盤の流れを引き寄せた。

東洋大は機動力とディフェンスの粘りで食い下がったが、届かず。ただ、3回連続入れ替え戦・チャレンジマッチに挑んできた中で、1勝をあげたのは今回が初めてになる。今年は3月の新人戦でもベスト8に入り、チームとしても多く経験を積んできた。2部3位でも1部相手に戦える部分を見せた入れ替え戦となった。

「素晴らしい後輩を2部でやらせる訳にはいかなかった」プレッシャーと戦いながら、強い気持ちでチームを牽引/#12土家大輝(早稲田大・4年・PG)

スタメン唯一の4年生として、大きな責任を背負ったリーグ戦となった。しかしなかなか結果を出せず、自分のパフォーマンスにも反省が多く苦しんだことも吐露。それでも、のびのびとプレーする下級生たちを支える、安定感のあるシュートを何本も決めた。
4年生として最後の大会に向かっていく今、考えるのは何よりもチームのことだ。残り時間でどこまでできるか、課題もまだある。それでも同期たちと支え合い、理念の実現を目指す。

─入れ替え戦を終えて1部に残留しました。まず今の気持ちを聴かせてください。

「正直ホッとしています。自分たちがインカレに出たいというよりは、こんなに素晴らしい後輩たちを来年2部で戦わせるなんてことは、自分の中ではありえませんでした。1部に残留できたというのはホッとしています」

─東洋大学も1勝しましたし、最後まで粘ってきました。簡単な対戦相手ではなかったと思います。

「東洋大学さんはサイズがないチームなんですが、ヘッドコーチもすごくいい方ですし、それに対してチームが1つになって全力で戦い、本当にチーム一丸でした。自分たちも正直見習わなければいけない部分が本当にたくさんあって、勝ったからには東洋さんの分もインカレで頑張りたいと思っています」

─リーグ戦はなかなか勝てず、難しいところがたくさんありましたね。

「4年生になってわかることが本当に多かったです。同期と一緒になかなかコートに立てない中で、4年では自分が1人で下級生とプレーする中で、引っ張っていかないといけない状態でした。ヘッドコーチから要求される役割というのが今年は変わって、そこに対して自分のプレーも全然確立できない中で、すごく迷いながらいろんな感情が混じり合いながら、複雑な気持ちで戦っていました。でも結局は同期の存在が自分の中ではすごく大きくて、コートに立っていようが、ベンチにいようが、一緒に戦っているだけで心強かったと思っています。同期がいなかったら無理だっただろうなと思っています」

─土家選手の今年度になって変わった役割とは。

「去年まではポイントガードで、自分が1番ポジションでゲームメイクをしながら、点も取りにいくという形でした。今年から岩屋(#18)が入ってきて、彼はコントロールもできますし、全国経験の実績ある選手で、とても落ち着いています。だから岩屋がゲームコントロールをしながら、自分はどちらかというと2番ポジションで星川(#13)と点を取りにいくことになりました。そこに対してドリブルが多くなってしまうと守られやすいですし、自分の悪い癖が抜けないままリーグ戦を戦っていて、ヘッドコーチからの要求も自分の中で消化しきれない部分もあって、葛藤しながらやっていました。でもチームのために貢献できた試合というのは、思いきりできていたので、結局は自分が強い気持ちでもっとやっていればよかったのかなと思います」

─入れ替え戦まで含めて全29試合をこなしました。この2カ月半を経験して成長できたと思える部分は。

「やはりディフェンスでしょうか。そこでの成長は少なからずあったと思います。プレータイムが長くなる選手も多い中で集中力の持続が課題ですが、それでも部分部分ではできるようなり、昨日もすごくいいディフェンスができていました。それを40分間続けられるかということですね。あとは、インサイドのところは高さで東洋には勝ちましたが、1部のチーム相手では自分たちは劣るので、そこに対してリバウンドというのは課題ではありますね」

─入れ替え戦の2、3戦目はとてもいいディフェンスでした。攻守両方が集中して40分できれば、というところですね。

「そうですね。でも今年は得点が分散できるのがいいところだと思うので、そこは自分がやろうやろうとしすぎずに、周りに頼りながらしっかりいけるところで決めきれれば勝っていけるんじゃないかなと思います」

─インカレはグループリーグからになります。初めての方式でのインカレになりますが、何を大事にしたいですか?

「早稲田にとっての財産を残したいですね。目標は今シーズンが始まった時から日本一、それは変わりません。ほかの大学や、見ている人がどう思うかは分かりませんが、やるからには一番を目指してやっていて、その中で後輩達に『4年生が居たから』という財産を残せればいいなと。それは結果もそうなんですが、早稲田のチーム理念、『早稲田大学バスケットボール部としての自覚と誇りを胸に、かけがえのない瞬間を創出し愛し愛されるチームであり続ける』に、どんどんチームが近づければ叶うと思います。この理念はみんなで話し合って、色んな意味が込められているんですが、その中でも“愛し愛されるチーム”というのが一番大事だと思っています。まずは自分たちの組織を好きであろうとしていて、あと少しのシーズン、チームのためにという姿勢を僕たち4年生が示していきたいと思います」

「個人としてはやり尽くした。後輩にはバスケを楽しんで欲しい」#18庄子立稀(東洋大・4年・SG)

下級生の多いチームの中で、得点源として欠かせない存在だった。持ち味は絶妙なフローター。この入れ替え戦でも何度も決めてチームを盛り上げたが、「16年間積み重ねた成果」と、にこりと笑った。チームとしてはいろんなことがあり、それを乗り越えてきた1年という。しかし4年間を終え、悔しいけれど自分にできることはやり尽くしたとして、次世代に期待をかける。

─お疲れ様でした。今の気持ちをお願いします

「惜しいところまでいったので、悔しいことが一番です。チームとしては本当に。勝てなかったので悔しいですが、個人的にはやり残すことなく終われたので、そこについては納得しています。あとは後輩たちに目標を達成して欲しいなと思っています」

─チームとしては3位となり、成長も見えたシーズンだったのではないでしょうか?

「チーム的にはいろいろあったんですが、最終的にはチームとして戦うことができました。いろんなことを乗り越えて来られたので、成長できた部分が大きいと思っています。年間を通して色々あったなと今は思います。でもそのおかげでバスケ的にも個人としても成長できた1年でした」

─特に下級生の成長は大きかったのでは?

「本当にそうですね。今年は試合に出る4年がそんなにいなかったので、2、3年生の成長は大きかったし、本当に頑張ってくれて、3位になれたのも本当に下級生の力だと思っています。そこは来年に期待ですね」

─東洋大での4年間を振り返って。

「チャレンジマッチも含めて3回の入れ替え戦に進みました。過去2回は1勝もできずに今回も1部に上がれなかったということで、悔しいのが一番です。でも4年間は総じて楽しかったし、やり残したことはないと思っています。今回の試合もやり尽くしました。入れ替え戦では自分のほかに(#27)丹波も頑張って、4年生の背中というか、かっこいいところを見せられたのかなと思うので、そこはよかったと思っています」

─下級生には何を大事にしてほしいですか。

「楽しんで欲しいというのが一番ですね。今年の4年生はなかなかうまくいかないこともありました。だからまず一番にバスケを楽しんでほしいと思っています。楽しんでいればそこに成績がついてくるはずです。とにかくバスケットを楽しんでやっていって欲しいと思います」

東洋大は昨年まではあまり出場機会のなかった#11先崎、#33秋元の3年コンビが今季大きな成長を遂げ、チームを支えた。サイズがない分をカバーするため、2人でトレーニングに励んでフィジカルを鍛えあったという。2部では何度も力強いインサイドプレーで相手を蹴散らし、また勝負強いスリーポイントも決めた。

【結果】

早稲田大学  1部残留
東洋大学   2部残留
東京成徳大学 2部残留
國學院大學  3部残留

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