大学シーズンの3月から4月初旬は、新チームを仕上げていく段階にある。各チームは大小さまざまな規模で練習ゲームや、東京六大学リーグのような大会を行うのが慣例になっている。
その代表的なものの一つが、神奈川大を中心として開催されてきたKU Hiratsuka Camp(KU CAMP)だ。神奈川大の湘南ひらつかキャンパス近隣のチームが集まっていたところから年々規模を拡大していき、正式にタイトルをつけて開催する形に進化。回を重ねるごとに関西をはじめ全国からのチームの参加も増えていき、20近いチームが集う盛況な催しへと発展してきた歴史がある。10年以上開催してきた中には、2011年3月11日の試合中に東日本大震災の揺れを感じ、「遠征で来たチームを体育館に避難をさせ、一夜を明かした」(幸嶋監督)という忘れられない出来事もあったという。
近年は大学のみなとみらいキャンパス(横浜市)移転や、コロナ禍もあってキャンプ自体を開催できない時期が続いた。さらに、2023年3月31日をもって湘南ひらつかキャンパスの横浜市への完全移転を終了。閉鎖となることから、今回はバスケットボール部が尽力し、想い出深い体育館で最後のKU CAMP-2023-(3/19-3/22)を開催する運びとなった。
開催にあたっては、バスケット部自体が完全にみなとみらいに移転していたため、「必要な機材や道具をみなとみらいから運んだり、この体育館を知らない学生もいるので慣れておらず、準備が大変だった」という。しかし関西、九州も合わせて18の大学が最後のキャンプで顔を合わせ、新チームでの力試しを行った。
この体育館は秋リーグのホームゲームで使われたこともあるが、それを知る現役の選手はいない。新4年生のみが、一時期ここで練習した経験がある。ただし、コロナ禍により使えたのが9月以降で、わずかな期間での使用ではあった。2023年度のキャプテンを務める#25向(4年・F)は、この体育館での練習を知る一人だ。
「ここを使ったのは、現役の学生では自分たちの学年だけになります。そこまで慣れ親しんだとはいえませんが、みなとみらいキャンパスの体育館よりも長い時間使えて、トレーニングルームもすぐ下にあって、思い入れがたくさんあるところです。だからちょっと悲しいですね」と、名残惜しそうにいう。みなとみらいキャンパスは1面のコートだが、3面を取れるひらつかのコートは、そのほとんどをバスケット部が自由に使うことができ、練習に打ち込める環境だった。しかしそれでも「最後にキャンプが開催できてよかったです」と、新1年生たちも含めて最後の試合に臨めたことを良しとした。
KU CAMPは春先のチーム作りには欠かせない場だった。今後は不透明だが、違う形で続くことも考えられる。ただ、この場所での開催は最後となるのは確か。KU CAMPは神奈川大湘南ひらつかキャンパスの34年の歴史とともに幕を閉じた。
【湘南ひらつかキャンパスPLAY BACK】【2019リーグ1部】10/30レポート(第13戦の振り替え試合)
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【KU CAMP2023②】2023年シーズンが始動、KU Hiratsuka CAMP-2023-参加チームキャプテンの声
※2023年度の学年で表記しています。