【2026リーグ2部/PORTRAIT】再び1部を目指し、悔しさをバネに駆け抜けるラストシーズン/#14坂本康成(筑波大・4年・SG)

2026関東リーグ

関東大学バスケットボールリーグ戦、昨シーズンは悔しい結果に終わり2部に降格した筑波大。2部リーグで新たなスタートをきったが、1部復帰という至上命題を背負いチームを牽引している1人が、最終学年を迎えた坂本だ。リバウンドからアウトサイドまで幅の広いプレーを見せているが、主力として勝負どころでボールを託されることも多く、その責任を果たそうとしている。

激闘が続く中で見据える今と未来、そして3×3に参戦して得たものやラストシーズンに懸ける覚悟など、さまざまなものがプレーから伝わってくる。


2部リーグ特有の難しさに直面しつつも首位をキープ

筑波大が2部リーグを戦うのは2008年以来。当時はまだ1部や2部は8チームしかなく、あの頃とはすべてが変わった。しかし変わらないのは、2部は1部とは違う戦い方をすることだろう。体格の小さな選手たちがアグレッシブに仕掛けてくるスタイルや、1部のセオリーとは異なるタイミングでのシュートなど、戦い慣れない状況に対応する難しさがある。仲澤HCも「ここまでどれも勝てると思えた試合がない」という中で戦ってきている。接戦や逆転ゲームも多いことがその言葉を証明している。

坂本も初の2部での試合に試行錯誤している様子がうかがえる。

「1部に比べてよくわからないチームが多く、アグレッシブにやってくる相手に対して最初はアジャストに時間がかかりました。でも、次第に慣れて守れるようになってきました感じはしますし、今のところは自分たちのやるべきことを徹底して勝ちきることができています」

開幕当初こそ相手のリズムに戸惑い、先行される場面もあったが、チームは着実に適応力を高めてきているのを感じさせる。その結果として1巡目を終えて10勝1敗。一つの負けが大きく響く2部で、わずか1敗にとどめて折り返した。

連勝街道を突き進んできたが、勝利の最大の要因として坂本が挙げるのは、今季、練習から徹底して取り組んできた「早い展開のバスケット」だ。清水や北條に加え、金山という将来性豊かなルーキーガードが加わり、試合はよりアップテンポでスピーディーになった。ガード個々の個性も違っており、「対戦相手や試合状況に応じて柔軟に戦い方を変えられる」選手層の厚さも大きな強みとなっている。さらに、タイムシェアが機能していることで深刻な故障者もおらず、チーム全体のコンディションと士気は高い。「勝ち続けることで雰囲気もいい」のは、チームにとって何よりいいことだ。

10戦目では強敵の江戸川大に競り負けたが、1巡目最終戦はきっちり勝利し、首位で後半戦に入っている。ただし、後半巻き返してくるチームがあるのが2部の特徴。この先も気が抜けない試合が続く。

3×3挑戦が変えた身体とプレー

この4年間でプレースタイルも変化してきたが、幅を一段と広げるのに役立ったのは、3×3の経験だろう。3×3の代表になることは「想像もしていなかった」というが、声をかけられて「やります」と即答した。昨年は3X3に必須のフィジカルも強化。今年は機敏さも活かせるよう、身体の厚みは残したまま体重を少し絞り、バランスの取れた身体に仕上げるなど適応度を高めた。今夏は2部リーグ開始直前まで中国で開催されたFIBA 3×3ユース・ネーションズリーグ 2026 -U23 アジア セントラル/イースト(2026/8/10-8/16)に参戦した。大学のリーグではなかなか対峙することのない、大柄な外国人選手たちとマッチアップしたことは一つの財産だ。

「自分より大きな相手と戦う中でのフィジカルの強さや、3×3ならではのスペースの使い方など、とても貴重な経験をしてきました。その感覚を5対5のプレーに落とし込んでいきたい」という。リーグ戦序盤では3×3らしいパワフルでアグレッシブな奮闘を見せていたが、1巡目中盤以降は次第に5対5らしいプレーとミックスされ、馴染んだものになってきたように見える。こうした融合が見せるレベルアップにも注目したい。

一方で、海外遠征はコンディショニングが難しかったという。持参したレトルト食品などを活用しながら維持に努めたのが苦労話だが、今後もバスケットを続けていけばこれらすべての経験が役に立つに違いない。そして身体づくりやコンディショニングへの意識を持つことで、慢性的な疲労やケガのリスクを減らすことにもつながっていくだろう。

プロを見据えたプレースタイルの変化

坂本は高校時代、スリーポイントシュートを武器とする大型シューティングガードとして名を馳せた。しかし大学での4年間ではインサイドへのアタックも増え、フィジカルを活かしたタフなぶつかり合いにもひるまず挑む。こうしたプレ―は意識して変えてきたもので、プロを目指す上では必要なことだという。

「プロで戦っていくためには、シュートが打てるのはもちろん、ドライブ、速攻での走り、リバウンドなど、すべてを高いレベルでこなせなければ生き残れません。特に自分に足りないと感じていたドライブを磨き、サイズがありながら速攻の先頭を走り、泥臭い仕事も徹底してやりきれる選手になりたいと思っています」

アウトサイドシューターから「大きくて走れるオールラウンダー」へ。今のバスケット界は、上のカテゴリに行くほど複数の武器が必要だ。大学バスケの世界でも高校からガラリと役割やプレーの内容を変えていく選手が多いが、坂本もその1人。今、リバウンド争いやルーズボールといった数字に残りにくい泥臭いプレーで挑戦を続けることで、未来へとつなげていこうとしている。

2部優勝、1部復帰、そしてインカレへ

大学バスケの集大成となるラストシーズン、掲げる目標は明確だ。「全勝での2部リーグ優勝」、その先にある「入替戦を勝ち抜いての1部復帰」、そして「インカレ出場」だ。

「自分たちがやるべきことを見失わなければ、絶対に勝てると思っています。まずは全勝でリーグ戦を勝ちきり、入替戦を突破して必ず1部に戻る。そしてインカレの舞台へ行くことが目標です」

話を聞いたあとの10戦目に敗戦してしまい全勝の目標は途絶えたが、2部リーグを首位で後半に向かう。残りの試合を勝ち抜き、目標を達成できるか、最後の大学シーズンのコートを全力で駆け抜ける。


坂本康成/さかもと こうせい
194cm/82kg
中部第一高

(2026.9.9インタビュー)

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