【2024関東リーグ/入れ替え戦】早稲田大が1年で1部復帰、明治大は1部残留(2024.11.7)

2024関東リーグ
3戦目に勝利し、1部昇格を果たした早稲田大。

入れ替え戦3日目、1部入れ替え戦は3戦目。早稲田大は山梨学院大を下し1部昇格を決めた。3部から一気に駆け上がってきた山梨学院大は奮闘及ばず2部へ。また、明治大は法政大を下し1部残留。法政大は昨年2敗で入れ替え戦敗退、今年は3戦目まで持ち込んだがあと1勝に届かなかった。

【試合結果】
◆1部入れ替え戦
山梨学院大学(1部12位)63(9-20,24-12,14-29,16-23)84早稲田大学(2部1位)
明治大学(1部10位)62(10-11,24-13,11-12,17-14)50法政大学(2部3位)

明治大学   1部残留
早稲田大学  1部昇格
山梨学院大学 2部降格
法政大学   2部残留

【1部入れ替え戦】早稲田大が強みのシュート力を発揮し、1部復帰を決める

1部・山梨学院大2部・早稲田大は立ち上がりから早稲田大のシュートがやすやすと決まって開始2分半で0-10と抜け出した。山梨学院大はポイントゲッターが厳しいマークにあう中、エース#90野溝(4年・PG)、#5中村(2年・PG)がスリーポイントを決めていく。しかし早稲田大のシュートも引き続き好調で、1Qは9-20。しかし2Qになると山梨学院大にも得点が続く。#13菅野(1年・PG・帝京安積)のバスケットカウント、#9齋藤(2年・PF)のスリーポイントやドライブが続いて差を縮める。早稲田大はターンオーバーがつづくが、#6三浦(2年・F)の速攻や#0下山(2年・PG)のドライブからのバスケットカウントで再び引き離す。山梨学院大はディフェンスから粘り、#98スヴェトリシック(2年・C)の速攻からのダンクや#9齋藤の連続シュートなどで同点にすると、最後は#90野溝がスリーポイントを沈めて33-32と逆転して前半終了。

山梨学院大#90野溝は守られながらも奮闘を続けたリーグ戦だった。

勝負は振り出しに戻ったが、この日の早稲田大はシュートが安定。3Qの立ち上がりに#6三浦が立て続けに得点。#3高田(3年・SG)も好調でこのQだけで早稲田大は4本のスリーポイントを決めて山梨学院大を47-61と引き離す。山梨学院大は自分たちよりサイズのある早稲田大の前に簡単にシュートが打てず、一気に差が開いた。4Qも早稲田大はスリーポイント、ドライブと得点が続き、63-84。早稲田大が1年で1部復帰、山梨学院大は1部在籍2年で2部降格が決まった。

26得点、スリーポイントを4本入れた早稲田大#6三浦。2戦、3戦目は活躍が目立った。

【INTERVIEW】「個人の力があってもチームでやらないと崩れてしまう」2部で学んだ大事なこと/#16岩屋 頼(早稲田大・3年・PG)

2部の得点ランキングでは埼玉工業大のバシールに次いで2位。#0下山と同時出場の際は得点源としての活躍が目立ったが、好不調の波が少なく、安定的に得点源となっていたのはチームにとっては頼もしいところだったに違いない。3年目となり、チームからかけられている期待も大きい。それに応えて活躍し続けた2ヶ月半となった。

─1部復帰となりました。その前に2部リーグ戦を振り返って。

「自分にとって大学バスケで初めての2部ということで、1部よりはレベルが下がるっていうのは分かっていたんですけど、それでもやはり厳しい試合が続いて、3連敗ほどしてしましました。でも、そういうところから持ち直して、負けをきっかけにチームになってここまで来られた感じです」

─勝ち続けるのは難しいことですが、負けた時は何がダメだったのでしょうか。

「チームの流れが悪くなってしまうと、どうしても個人個人になって、自分がやってやろうと個人で戦ってしまうところがみんなにありました。それで負けてしまって、自分を犠牲にしてでもチームを勝たせるっていう意識が各々みんなに芽生え出して、そういう気持ちがあったおかげでチームになれて、勝てたという感じです」

─1巡目の終盤上位チームに負けたあたりですね。

「そうです。まず江戸川に負けて、そのあと青学、法政といった上位に連敗しました。それまではなんとかいけるかな?みたいなところがあったんですが、1巡目で3つ負けてしまったところで大きな危機感を抱きました。それまでの試合は自分たちのバスケができていたし、できていない時間でもなんとか個人の力で勝ってこられていたので、甘くなっていたんだと思います。でも負けが続いて、そこでチームにならなければと気づけました。2巡目の序盤にも1試合(対明星大)落としましたが、その負けも教訓に立て直して、そこからずっと勝ち続けることができました」

─結果的に4敗で、2巡目は1敗で済みました。それでは入れ替え戦もいい形で臨めた状況でしたか。

「最後に強豪を倒して入れたので、結果的には良かったと思います」

─2部降格したのは良いこととはいえませんでしたが、2部に行って学んだことはありますか?

「どれだけ個人個人の力があっても、組織力がないとチームとしては劣ってしまうということですね。1対1でやれば勝てる相手も多いんですけど、チームでやらないと崩れてしまった時にもろくて、チームで戦ってくる相手には負けてしまう。2部リーグを通してチームで戦うことの大切さは痛感したし、学ばせてもらったと思います」

─個人としては、岩屋選手はリーグを通じて安定したプレーをしていると感じました。

「自分は怪我なく試合に全部出られたというのは大きいですね。また、今年は監督がボトムアップの方針で、ほぼ学生主体のチームなんです。学生コーチのトップからも僕を信頼して使いたいし、もっとやって欲しいと、1巡目か2巡目の途中ぐらいで声をかけてもらっていました。立場的にもゲームキャプテンみたいな状態だったし、意識もそこで芽生えて、チームを勝たせないといけないなと責任感は強まりました。そのおかげだと思います」

─点数面では常にチームを引っ張る形でしたね。

「去年や1年生の頃は1番をやらせてもらうことが多かったんですけど、今年からはツーガードで下山(#0)が一緒に出る時間が多かったので、そこは彼にガードを任せて僕は点を取るっていう仕事にシフトしていました」

─司令塔のイメージが強かったので、ここまで点数を取る選手なんだと認識が新たになりました。

「実はこれまでもとりたかったんですけど(笑)、どうしてもガードだと流れとかを意識してしまうせいですね。でも今年は楽しくやらせてもらったなって感じです」

─早稲田大は4年生が少ないチームで、チーム一体となるには難しくなかったでしょうか。

「下級生がスタンダードを上げるために下から持ち上げるということはもちろんなんですけど、それでも少ない4年生がすごく引っ張ってくれました。キャプテンの飯島さん(#22)もすごいリーダーシップをとってくれたし、石坂(#77)さんとかも、怪我がありましたが最後はプレーでハッスルしてくれたりっていう。そういう4年生の力がいっぱいあったおかげで、結局最後はチームになれたなと感じています」

─まずは1部昇格し、次はインカレがあります。

「インカレがこのメンバーでできる最後の試合なので、勝ちにいくのはもちろんですけど、楽しんでバスケットしたいなと思います」

【1部入れ替え戦】明治大が2Qのリードを守り2部残留

1部・明治大2部・法政大の3戦目、1Qは互いに激しいディフェンスで10-11の重い立ち上がり。明治大は#91塚田(2年・PF)、法政大は#7本山(3年・PG)、#8石田(4年・SF)らがゴールをねじ込んでいった。2Qになると明治大のシュートが入り始め、#60武藤(2年・SF)が得点、リバウンドで輝きを放ち#35越田(4年・SG)の速攻、#12針間(3年・SG)や#13平松(4年・PG)のスリーポイントで10点以上の差をつけた。法政大は守られてタフショットが増えていく中、#10坂本()がスリーで返し、なんとか34-24の10点差にして前半を終えた。

入れ替え戦にかける強い気持ちが見えた法政大#7本山。

3Qも明治大が10点ほどのリードを保つ。明治大はフリースローの獲得や合わせのパスが決まる一方、法政大は単発のシュートが多く、点差が縮まらない。#8石田、#25鍋田(2年・PG)がなんとか返すが45-36で入った4Q、明治大はディフェンスを締め、法政大にオフェンスを展開させない。タフショットが多くなった法政大はシュートが決まらずじわじわと点差が開いた。法政大は最後まで攻めるが、明治大が逃げ切り62-50。2Qでのリードを最後まで守りきって1部残留を果たした。法政大は昨年に続き入れ替え戦に進んだが、1勝2敗で1部昇格ならず。

第3戦はディフェンスの集中力も高かった明治大。1部にとどまった。

リーグの序盤では「試合の入りが課題」と言っていた明治大#13平松。立ち上がりは重かったが、2Qで抜け出すことができた。「練習ではシュートにはこだわっていて、あとはリバウンドのような泥臭い部分を頑張らないといけないチーム」とも課題をあげていたが、3戦目はディフェンス面で法政大に攻めさせず、失点を50に押さえて入れ替え戦をしのいだ。

明治大#12平松は12点。#7伊藤、#35越田ら4年生を中心にチームで粘った3戦目だった。
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