日本体育大が首位、強みの必勝パターンが生きる
日本体育大が前半戦を1敗、1位で首位ターンとなった。1年のときからスタメンを務めてきたメンバーたちに安定感があるだけではなく、今季はセカンドメンバーの出場時間も増えている。またインサイドでは#23ムトンボ(4年・C)だけではなく、#1コネ(2年・C)と交互にプレーすることで消耗を防ぐ。持ち味はスリーポイントとトランジション。たとえシュートが落ちてもリバウンドやスティールからの速攻が出れば、自分たちのペースに持ち込んで流れを作れており、スタイルが確立されている強さがある。対戦チームは高さと速さ両方に対処を迫られるが、強みを1つ以上持てているのが首位の理由といえる。
2位〜6位は混戦状態で1試合ごとに状況が変わる
2位は選手層の厚さと強いインサイドを持つ日本大。初戦では乗り切れず白鷗大に敗れ、また首位の日本体育大に負けた2敗以外は、安定した強さを誇る。怪我人もいるが、ベンチ登録しきれないほど使える選手が多い状態で、これを最適バランスでどう采配するかが勝敗の鍵を握る。#3米須(4年・PG)の復帰に加え、ベンチスタートの#7新井(3年・SG)が好調で、チームに活力を与えている。
3位の東海大は、首位の日本体育大に勝利した一戦では攻守とも良さが発揮された。#25ムスタファ(1年・C・福岡第一)はまだ荒削りながら、日本体育大の#23ムトンボよりも大きい210cm。高さが生きた試合となった。得点源の#2轟(2年・PG)、#3ハーパー(4年・PG)が躍動し、#7前野(4年・F)がインサイドで地道に我慢している日は強い。
4位の白鷗大は、序盤は連勝できていたが、日本体育大、専修大、そして1巡目最終戦で下位の拓殖大に敗れて3敗。今季はどの選手もまんべんなく活躍できるチームで、勝利した東海大戦では特にディフェンスの良さが光った。3連覇をするには後半戦はもう負けられない。
5位専修大は大会直前にジョベが抜け、インサイドポジションが手薄だ。その中で#16淺野(4年・PF)、#8介川アンソニー(2年・PF)がポジションを一つ下げる形で奮闘している。4年が多く、外のシュートも強いため、チームで戦い抜けば勝機は見える。
6位の大東文化大は1巡目最終週の2試合を2戦連続延長戦で落としてしまう、痛い1巡目となった。#9田中(3年・PF)が復帰したが本調子とはいえない。#25山内(4年・SG)、#21富山(4年・PF)ら4年生の奮起をもっと見たいところだ。
アップセットもあり、目が離せない下位チーム
真ん中よりやや下のチームも混戦だ。神奈川大は約5割の勝率を行き来し、昨年より勝負強さがある。1巡目は調子が上がりきらないものの、終盤に来て明治大が大東文化大を、拓殖大が白鷗大を破るアップセットを起こし、上位チームにとっても油断のならない試合を展開している。また、主力の約半分が怪我で欠場していた筑波大もようやく全員が復帰。3勝目をあげて入れ替え戦圏内から抜け出した。いずれにしても戦いはこれからだ。
全敗同士の対決は山梨学院大が猛追するも僅差で中央大勝利
全敗の2チームは最終の直接対決で中央大が1勝をあげた。
中央大は#21深澤(1年・C・土浦日大)が代表活動を終えて復帰。高さが出てリバウンドやブロックで戦えるようになってきている。得点力は高いだけに、後半の巻き返しができるかどうかに注目だ。一方の山梨学院大も#14菅野(1年・PG・帝京安積)が代表活動から戻り、得点源は増した格好だ。中央大との一戦は、#90野溝(4年・PG)が激しいマークを受けつつも37得点で猛攻を見せたがあと一歩届かなかった。チームとしてのサイズは全体でも小さいが、ディフェンスはいい。徹底マークを受ける#90野溝はそれでもポイントゲッターとして活躍している。チームとしても強敵相手でも接戦に持ち込むまではできている。そこから壁を越えられるかどうか、後半戦での粘りを期待したい。
後半戦はホームゲームが増えるが、試合は週末のみになり、ペースは前半戦より作りやすい。1巡目の課題をそれぞれのチームがどう克服していくか、優勝、そして入れ替え戦回避をかけてさらに戦いはヒートアップしそうだ。
【勝敗/11戦目終了時点】
1位 日本体育大学 10勝1敗
2位 日本大学 9勝2敗
3位 東海大学 9勝2敗
4位 白鷗大学 8勝3敗
5位 専修大学 7勝4敗
6位 大東文化大学 6勝5敗
7位 神奈川大学 5勝6敗
8位 明治大学 5勝6敗
9位 筑波大学 3勝8敗
10位 拓殖大学 3勝8敗
11位 中央大学 1勝10敗
12位 山梨学院大学 0勝11敗