関東大学1部リーグ戦、3連戦の最終日は両会場で接戦が続く見ごたえある1日となった。特に上位対決が続いた日本体育大会場は、どの試合も最後まで読めない試合が続いた。
黒星が増えてきている専修大と大東文化大は、中盤位同士の戦いで、3Qまで接戦が続いた。大東文化大は#25山内(4年・SG)が欠場。専修大はここのところ#8介川アンソニー(2年・PF)の欠場が続き、互いに主力が欠ける状態。その中でも両者1Qからスリーポイントが好調。大東文化大が#39アブドゥレイ(3年・C)を下げている時間は一進一退の攻防となり、3Q終了時で63-68。しかし4Qに入ると大東文化大のゾーンを専修大が崩せず、専修大の足が止まる。大東文化大は#39アブドゥレイがゴール下で高さを発揮し、ファウルももらっていくと、76-85で勝利した。専修大はこれで7位、大東文化大は5位。
【PICK UP】拓殖大は前半リード、東海大は4Q終盤に巻き返して勝利
前日に日本体育大に劇的勝利を飾った東海大は、拓殖大戦でも競り合いとなった。前半は拓殖大のペース。立ち上がりから#74小森(4年・PG)がアグレッシブにディフェンス・オフェンスを仕掛け、速攻も出る。#18石橋(4年・SG)や#88大石(4年・PG)スリーポイントも決まっていった。東海大も大きな点差はつかないが、攻守とも重く前半は36-41と拓殖大リード。
拓殖大は2Qの終わりに#88大石が超ディープスリーをブザーとともに沈めるが、3Qの立ち上がりも#88大石のスリーポイントが炸裂。東海大は#3ハーパー(4年・PG)のスティールやアシスト、#38御林(4年・PF)のスリーポイントで逆転するが、拓殖大も#18石橋がスリーポイントを返し、譲らない。しかし終盤に#3ハーパーの連続得点が出た東海大が53-49とリードして4Qに入った。
追う拓殖大は4Q、#18石橋の2本のスリーポイントでシーソーゲームに持ちこむ。しかしその後は守られてタフショットが続いた。東海大はフリースローをもらっていき、#2轟(2年・PG)の1対1が決まりだす。対する拓殖大は#88大石がバックドアやフローターで返してついていく。拓殖大がわずかに追う終盤、東海大は#3ハーパーのスリーポイント、#2轟の連続のレイアップでついに流れを掴んで畳み掛け、引き離した。拓殖大は守られて追加得点ができず76-68でタイムアップ。東海大が逆転で勝利した。
東海大は日本体育大戦から一転、重い立ち上がりとなり、拓殖大の持ち味であるトランジションとスリーポイントが生きる前半だった。後半はらしさを取り戻した東海大らしい展開でディフェンスも良くなった。拓殖大は惜しい試合が続くが、2巡目には白鷗大を破る試合もしている。順位は下位だが上位チームにとって侮れない力を見せた試合となった。
【INTERVIEW】勝つためには「どれだけ集中を切らさないでやれるか」/#3ハーパー ジャン ローレンス ジュニア(東海大・4年・PG)
3連戦のうち日本体育大、拓殖大が接戦となったが、接戦を制した。東海大は現在1位ではあるが、競り合いも多い。その理由は「今年の1部はどこも力がある」から。まだまだ先は油断できないが、主力が数名不在の中でもハーパーの攻守がチームに流れを引き寄せるシーンは多い。油断せず、「集中力の持続」で頂点を目指す。
─拓殖大との接戦になりました。
「やっぱり昨日の勝利(日本体育大戦)がでかくて、みんなちょっと油断した部分があったかもしれません。前半負けてビハインドの状態で後半に入ったんですけど、その前にみんなで再確認して、自分たちがどういうチームかっていうところを再認識して、ディフェンスからというところに集中できたから勝てたかなと思います」
─それでも拓殖大もかなり粘って4Qに逆転してくるようなシーンもありました。
「リードを取った場面から追いつかれることは多いんですけど、そこはやっぱり油断だと思います。次からその油断をしない、そしてイージーミスをなくすことによって、もっといい試合ができると思います。まだ次の試合もホームゲームもあるので、そこをみんなで再認識して頑張っていきたいと思います」
─日本体育大戦のように立ち上がりからいい出だしができる日もあるし、最初から最後まで競り合う試合もありますね。
「今年の関東の1部はどこのチームも差がないと思いますし、どれだけ自分たちの流れを作ることが大事っていうのが自分たちでも分かっています。自分たちの流れを長く保てるかどうかが大事ですね。どのチームも能力があるから、流れを作るという意味では残りの試合も油断できません。今は前野(#7)と陽成(#18西田)が出られていない状況なので、そこでやっぱり下級生がステップアップすることが大切だと思っています。日体戦でも下級生がステップアップしてくれたから勝てたと思うので、またチーム一丸となって一からスタートして頑張っていきたいなと思います」
─手に汗握る試合が続きます。
「危ない試合がこれからも続くと思うので、どれだけ集中を切らさないで最後までやるかを大事にしていきます」
【PICK UP】日本体育大は白鷗大相手に接戦を落とし痛い連敗
上位対決のもう一つ、前日東海大に敗れて2位となった日本体育大と、4位の白鷗大の戦いは、こちらも最後までもつれた。
1Qは日本体育大#23ムトンボ(4年・C)のインサイド、#41石川(3年・SG)のスリーポイントに速攻と、“らしさ”が出てリード。白鷗大も#88佐藤(3年・PG)の速攻、#25モンガ(3年・C)のダンク、#20根本(4年・SG)のスリーポイントと、こちらも取るべき選手が点を取って譲らない。1Qから互いに激しい守備も展開されるが、#10早田(3年・SF)のスリーポイントも決まった日本体育大が20-11と9点のリード。
2Qは打って変わり、スリーポイントの入れあいとなる。日本体育大は#3土家(4年・PG)、#10早田、そして白鷗大は#22内藤(2年・G)、#93齊藤(1年・PF・京都両洋)、さらに#20根本が4本連続のスリーポイントを沈め、一気に逆転。32-36として前半を終えた。
3Q、今度は日本体育大の3点攻撃が続いた。#7西部(3年・SF)、#9大森(4年・SG)のスリーポイントに、#23ムトンボのバスケットカウント、そして持ち味の速攻も出て55-54と逆転。一進一退で勝負は4Qに入る。立ち上がりは互いにスリーポイントを決め合うが、白鷗大は#25モンガのインサイドや#22内藤の速攻、#88佐藤のシュートも続いてリードを奪い返す。日本体育大は#4小澤(2年・SF)のスリーポイントが決まってきて引き離されない。Qの半ばに白鷗大にテクニカルが出るが、そのあとの数分間は日本体育大の攻撃が続き、残り2分半で再び#4小澤のスリーポイントで4点のリードに成功した。白鷗大はタイムアウトで流れを切ると、試合再開すぐに#22内藤のスリーポイント、#36ポーグ(4年・F)のドライブが続き1分を切って2点のリードに。日本体育大は#21月岡(3年・PG)が渾身のドライブで加点し、残り40秒で80-80。これに対し白鷗大は#88佐藤のドライブが残り13.6秒で決まり80-82。最後の攻撃に賭ける日本体育大は、#21月岡のドライブを白鷗大#25モンガがブロック。激しいシーソーゲームを白鷗大が制し、大きな1勝をあげた。
白鷗大が13本、日本体育大が12本のスリーポイントを決め合うハイスコアなシュート合戦になった。白鷗大はこの3連戦で2勝1敗、上位では日本大に敗戦したが、日本体育大には勝利。特に日本体育大戦では日本大戦よりもスリーポイントが大きく改善した。この試合5本のスリーポイントを沈めた白鷗大#20根本は「昨日の筑波大戦でシュートが良く、今日はもう迷いなく自分たちのシュートを打てたし、皆も決められていました。その前の日大戦ではシュートが悪かったです。スペーシングの部分の課題を明確にして、そこをしっかり整えてから攻めようと網野さんから指示があったので、それを意識したのが良かったと思います」という。この3連戦の中で修正できた部分が勝利につながった試合だった。
筑波大会場も熱戦が続き日本大、明治大、神奈川大が勝利
1勝の欲しい山梨学院大と順位を上げたい明治大は激しく競り合い、山梨学院大が一時逆転するが、最後は明治大がリードを奪い返して勝利。山梨学院大は惜しい試合続きだが#98スヴェトリシック(2年・C)が復帰してきている。終盤戦にもうひと粘りしたい。
日本大は調子を上げつつある下位の中央大に後半同点にされるが、4Qで引き離した。中央大はホームゲームで連勝し、選手が揃ってムードも良くなっている。ここからの挽回が期待される。
また、神奈川大と筑波大は前半から1点を奪い合う激しい展開になり、終盤にリードを奪った神奈川大の勝利となった。神奈川大はリーグを通じて勝負強さを増しており、現在6位。さらに順位を上げられるかどうかに注目だ。
【勝敗/16戦終了時点】
1位 東海大学 14勝2敗
2位 日本体育大学 13勝3敗
3位 日本大学 13勝3敗
4位 白鷗大学 12勝4敗
5位 大東文化大学 10勝6敗
6位 神奈川大学 9勝7敗
7位 専修大学 8勝8敗
8位 明治大学 6勝10敗
9位 筑波大学 4勝12敗
──2部入れ替え戦進出ライン──
10位 拓殖大学 4勝12敗
11位 中央大学 3勝13敗
12位 山梨学院大学 0勝16敗