【2024関東リーグ2部/REPORT】6試合を終え、早稲田大がついに1敗、法政大が全勝で単独トップに立つ(第6戦終了/2024.9.8)

2024関東リーグ
6試合を終えて法政大が全勝。

2部リーグは3週目までの6試合を消化。この時点で全勝チームは法政大のみとなった。1敗で早稲田大、江戸川大、2敗で上武大が続く。中盤は混戦で青山学院大、明星大、東洋大らどこが抜け出してもおかしくないチームでの激戦が続いている。

法政大は総合力の高さを見せて6戦全勝

並んでいた早稲田大が6戦目で1敗を喫し、法政大がこの時点で6戦全勝の単独首位に立った。2部の中では高さがあり、攻撃力も高い法政大は例年序盤で躓くことも多かったが、昨年と今年は開幕から白星を重ねている。留学生はいないがビッグマンがインサイドにおり、ディフェンスでも粘りを見せるのが今年のチーム。そこにガード陣の攻撃力が加わり、攻守ともバランスが良い状態だ。1巡目はまだ江戸川大や早稲田大といった強敵との対戦を残し、ここからが1巡目の正念場だが、これを勝ちきれるかが注目になる。

法政大は#7本山も得点や守りでチームを引っ張る。

早稲田大が6戦目で江戸川大に敗戦、ともに1敗で2位争い

江戸川大が6戦目で無敗だった早稲田大を破った。

江戸川大はディフェンスの激しさとガード陣の早い展開からのアップテンポなバスケットを持ち味とするが、早稲田大戦では#1アデツツ(2年・SF)が22点14リバウンドと存在感を見せて早稲田大を撃破した。上武大に敗れた1戦が痛いが、大事な一戦を制した。

江戸川大は#13大出のアウトサイドシュートも大きな武器。勝利した早稲田大戦では19点。

一方の早稲田大は1部でも遜色のない屈指のガード陣を揃え、オフェンスの破壊力は高い。一方でインサイドでは#77石坂(4年・C)が開幕から欠場、#17高羽(4年・C)も怪我を負いつつのプレーで、現状#11初宮(3年・F)のみがゴール下を支えているのが苦しい。欠場中の#77石坂、#4城戸(2年・G)はもうまもなく復帰するみ込みだが、それまで我慢が続く。

早稲田大は怪我人が復帰すれば厚みを増す。

上武大が2敗で食い下がり、青山学院大、東洋大が続く

中盤戦は熾烈な戦いが続く。6戦終了時点で上武大が4位に立った。昨年も序盤に上位チームを撃破したが、今年も侮れない存在として存在感を放っている。江戸川大に勝った1勝が大きいがこのあとも勢いが続くかに注目だ。

ベンチスタートだが高い得点力を持つ上武大#20深谷。

東洋大青山学院大は3敗。東洋大は青山学院大、早稲田大、法政大といった上位チームにことごとく競り合うが、勝負どころのあと1本が出ずに惜敗が続いた。ディフェンスの良さには定評があるだけに、勝負際を制して上位チームをどう打ち破るかで2部の順位を左右する存在だ。

東洋大は#5佐藤が激しいマークを受けるが、それをどうかわしていくかもある。

青山学院大は江戸川大に延長戦で競り負けたほか、法政大、駒澤大に敗れた。#3新井(3年・PG)を起点にアグレッシブに攻めるが、こちらも勝負際にもう一段ギアを上げきれない部分が垣間見える。ここで食らいついていきたいところだ。

3敗の青山学院大は新HCの竹田氏の元で浮上なるか。

中盤は例年最後まで順位が変動しがちだ。青山学院大に勝利した駒澤大、下級生主体で昨年より成長が見える明星大、新人戦では躍進した立教大が巻き返すかが見どころになる。

国士舘大は5戦目、埼玉工業大は6戦目でようやく初勝利、順天堂大も1勝

開幕4連敗で苦しんでいた国士舘大は、5戦目の明星大戦を延長戦で制してようやくの初勝利。しかし6戦目では敗れなかなか浮上のきっかけがつかめない。昨年の主将・鍋田、インサイドで泥臭い働きをしていた佐藤が抜け、ここぞの1本とリバウンド面で安定感や粘り強さを欠く試合が多い。#5大迫(4年・SG)や#9大滝(4年・SG)といった1年時より活躍してきた選手を軸に、どこまで盛り返せるか。

国士舘大は5戦目で明星大相手に延長を制した。#9大滝が26点、3Pは5本を決めた。

今季2部復帰の埼玉工業大は6戦目で明星大を破って初勝利。点差がつく試合が多いが、明星大戦では5人が2桁得点で大きな1勝をあげた。インサイドの#0バシール(2年・C)の強みを活かしてここから調子を上げたい。

順天堂大も1勝で下位戦線にいる。#18津野(4年・PG)、#22鈴木(4年・PF)ら昨年から出続けている選手も多いが、高さがない分どこまでアウトサイドシュートを決めていけるかが鍵だ。


【INTERVIEW】「チーム全員で相手に向かっていけている」#25鍋田憲伸(法政大・2年・PG)

開幕6連勝中の法政大。チームとしてのまとまりがあり、攻守ともに安定感が見える。その中で、得点面で貢献しているのが司令塔の1人#25鍋田だ。#7本山(3年・PG)とともにゲームを動かす役目を担うが、連勝はチームとしてプレーできているおかげという。

「ここまで連勝というのはすごくいいことなんですけど、一戦一戦、相手にアジャストしながらスカウティングをして、チーム全員で相手に向かっていけているというのがいいところだと思っています。そこ忘れずにしっかりやることが今後も大事です」

今年のチーム状態も、出足の好調さに関係していそうだ。もともと個の能力が高い選手が揃うが、それで押し切ってしまうところがあった。今季は各々が自分のやるべきことをしっかりやろうとしているところが見えている。その動きがあってこそ、鍋田のプレーも際立つ。

「4番ポジションや5番ポジションの人がリバウンドにいってくれて、安心してオフェンスでシュートを打っています。リバウンドを取ってくれるという信頼があるので、本当に安心して打てていますし、その信頼関係が今年のチームのいいところかと思います。個人的にオフェンスの回数は去年も確かに多かったんですが、今年は昨年よりももっと増えています。特に3・4年生が数字には出ないんですが、本当に泥臭いところで頑張ってくれていて、そこに乗っからせてもらって、僕が点数を取らせてもらっているという感じです」

2年目のシーズンを送るが、上級生から遠慮せずに点を取りに行くようにと促されていることで、思い切りやれているともいう。ディフェンス面も同様に上級生の存在があってこそだ。

「ツーガードで出ていますが、もう1人がディフェンスをタフにやってくれているので、僕はそこでうまく守っているだけ。本当に周りの4人のディフェンスに助けてもらっていますが、ディフェンスで相手を抑えられているのもリーグ戦のいいところです。自分が確かに点数を取っているんですけど、そこまでにみんながいろいろつないでくれているからこそ点も取れるし、勝てている要因だと思います」

今年のチームの良い面は互いに言いあい、指摘できるところだと感じている。

「練習でも結構言いあったり、ダメなプレーがあればダメだよと指摘できるチームに最近はなってきています。監督が来られる日が少ない分、選手主体でチームづくりや練習ができているし、チーム力という部分では去年より上がっていると思います」

その上で現状より高めたいのは、ボールを止めずに良い形でオフェンスを動かしていくこと。「自分がボールを止めがち」な点を認識しており、止めずに動かすことや、「全員が良い形でオフェンスをつないでいけるようにしたい」という。対戦はここから先にまだ強敵を残すが、やることを突き詰めれば「全然面白い試合ができる」という鍋田。昨年に引き続き今季も入れ替え戦を目指し、この先も勝ちきっていけるか今年の法政大は“チーム力”に注目だ。


【勝敗/6戦目終了時点】

法政大学    6勝0敗
江戸川大学   5勝1敗
早稲田大学   5勝1敗
上武大学    4勝2敗
青山学院大学  3勝3敗
東洋大学    3勝3敗
明星大学    3勝3敗
立教大学    2勝4敗
駒澤大学    2勝4敗
順天堂大学   1勝5敗
国士舘大学   1勝5敗
埼玉工業大学  1勝5敗

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