関東大学リーグ戦、3連戦は注目の試合が続く。第14戦ではこの時点で4位の日本大が3位の白鷗大に勝利、リーグ初戦での敗戦を取り返し、ゴールアベレージでも上回った。専修大は連敗で6位後退、下位では中央大がホームゲームで連勝を飾り上昇傾向にある。
そして第15戦では注目の首位決戦・日本体育大と東海大の戦いは最後の最後まで手に汗握る戦いとなった。
【PICK UP第15戦】日本体育大は追い上げるも東海大#4中川のスリーポイントが勝負を決める
1巡目の対戦では、持ち前のディフェンス力で日本体育大に勝利した東海大。2巡目での戦いもそれは変わらなかった。
東海大は前節で負傷した#7前野(4年・F)に代わり#4中川(2年・F)をスタメンに起用。それ以前より欠場している#18西田(4年・SF)に代わっては#16赤間(1年・SG・藤枝明誠)がスタメンを務めており、本来のメンバーではない中で試合に臨んだ。しかし、メンバーが違っても固いディフェンスは健在。立ち上がりこそ#41石川(3年・SG)に対してスリーポイントのファウルを与えてしまうが、そのあとはインサイドでは#25ムスタファ(1年・C・福岡第一)が#23ムトンボ(4年・C)をうまく阻み、#3ハーパー(4年・PG)、#2轟(2年・PG)の速攻が続く。日本体育大は#1コネ(2年・C)に交代してここで得点を取っていくが、#10ルーニー(2年・G)のアシスト、スリーポイントが効いた東海大が19-23とわずかにリード。
2Q、東海大はフリースローの確率が悪いが、#2轟がペイントに切れ込み次々にレイアップを決めると11点にリードを広げた。日本体育大は#23ムトンボをコートに戻し、#41石川のスリーポイント、#4小澤(2年・SF)らが難しい体勢からシュートを決めていくが、東海大は#3ハーパー、#26小林(4年・G)のスリーポイントもあってリードを保ち35-45と10点リードで前半終了。
3Qも点差はほとんど動かない。日本体育大は#7西部(3年・SF)のスリーポイントが決まってくるが、東海大はセカンドメンバーが好調で#38御林(4年・PF)、#10ルーニー、#26小林、#60佐藤(1年・F・東山)らがそれぞれ得点を重ねて50-63で4Qへ。
最終Q、日本体育大が猛追する。立ち上がりに#10早田(3年・SF)のスリーポイントが決まると、#23ムトンボのブロック、アリウープダンクが炸裂。東海大はオフェンスが重くなり、タフショットが増えていく。残り2分、日本体育大は#21月岡(3年・PG)のスリーポイントが決まり、ディフェンスでも東海大を24秒オーバーに追い込む。さらに#4小澤のスリーポイントで残り40秒で1点差にまで詰め寄った。東海大は続くオフェンスでサイドスローインからゴール下で#3ハーパーにうまくボールが入る。絶好のチャンスだったが、「ディフェンスが来ると予想して身体を当てようとしたら、来なかった」と、ノーマークになってしまったことで逆にバランスを崩しこれをミス。するとここから日本体育大は#21月岡が攻めてレイアップからのバスケットカウントを獲得。ボーナススローを決めて残り27.9秒で日本体育大が70-68と逆転に成功する。東海大は最後のタイムアウトでフィニュッシュを#4中川に託した。残り17.1秒、日本体育大のディフェンスがボールを持つガードに寄ったところ、パスを受けた#4中川が放ったスリーポイントが高い弧を描いてネットに吸い込まれ、70-71と逆転。日本体育大はタイムアウトから最後のオフェンスにかけるが、ディフェンスで守られターンオーバー。最後は残り1.5秒で東海大#2轟がフリースローを1本沈め、2本目はわざと外してきっちり処理し、70-72でタイムアップ。東海大が追い上げられ、逆転されるも劇的なスリーポイントで勝利をもぎ取った。
東海大は4Q、9点に終わったがそこまでの貯金が効いた。スタメンが2名いない中、誰が出ても変わらないディフェンスの強度と、出場メンバー全員のオフェンスの良さ、その両方が出たゲームとなった。#25ムスタファの高さは、1巡目同様#23ムトンボには効果的で、#10ルーニー、#26小林らセカンドメンバーの活躍も大きかった。これで日本体育大に2勝となった結果、東海大が首位に浮上した。
日本体育大は立ち上がりから#23ムトンボがうまく機能せず、自らのゲームに持ち込めなかった。4Qでの追い上げは良かったが、最後は#4中川の1本にやられる結果となった。
【INTERVIEW】「入れ、と願うだけだった」任された1本を見事に沈め、勝利に貢献/#4中川 知定真(東海大・2年・F)
前節でインサイドを支える#7前野が負傷。大事をとって日本体育大戦を欠場し、代わりにスタメンに入った。192cmの高さを活かしてリバウンドは7本。そして持ち味のシュート力で、勝負を決める1本を沈めた。もともと得点力には定評があり期待は高いが、それに見事に応えた形だ。
─大接戦でした。今日はスタメンに入っての試合でした。どんな意識でやっていましたか?
「前野さんが出られなくなった分。自分が同じポジションとしてしっかりバックアップを務めなくてはと思っていました。スタメンとしてしっかりプレーできるようにっていう気持ちでした」
─前半から本当にすごくチーム全体でも良かったです。こういう競り合いは予想できましたか?
「競るのは予想していたんですけど、最後はまさか自分に打てと言われるとは思っていませんでした。でも言われたからにはしっかりいつも通り、と思いました」
─最後のタイムアウトでの指示は中川選手で、ということだったんですね。相手も虚を突かれたところはあったと思います。
「でも打った瞬間はループも高くて、もう『入んないな』と思いました。でもとりあえずバンクでもいいから入れと願っていたら入りました。ちょっと焦りもあったのか、だいぶ高くなってしまいましたが、でももう願うだけで。本当に良かったです」
─見事なスリーポイントでした。チームは今、スタメンが2名抜けている状態で、下級生も頑張らなくてはいけない状況ですね。
「怪我人が出てしまったのは残念なんですけど、それでもみんな全員練習からベスト尽くしてやってるので、誰が出ても同じっていう気持ちでやっています。代わったスタメンのところ、交代したところが穴になるんじゃなくて、誰が出ても今までの東海と同じバスケことを心がけてやっています」
─日本体育大戦はそれが本当によく出た試合になりました。これを継続していくためには何が大事だと思いますか。
「やっぱりオフェンスは波があるので、自分たちはディフェンス・リバウンド・ルーズボールを強みとしてやっているので、どんなに流れが悪くても大事なところをしっかりやって、全員誰が出ても、ディフェンス・リバウンド・ルーズボールのところ徹底していけば絶対勝機はあると思います。そういったところをこれからも頑張っていきます」
【勝敗/15戦終了時点】
1位 東海大学 13勝2敗
2位 日本体育大学 13勝2敗
3位 日本大学 12勝3敗
4位 白鷗大学 11勝4敗
5位 大東文化大学 9勝6敗
6位 専修大学 8勝7敗
7位 神奈川大学 8勝7敗
8位 明治大学 5勝10敗
9位 筑波大学 4勝11敗
──2部入れ替え戦進出ライン──
10位 拓殖大学 4勝11敗
11位 中央大学 3勝12敗
12位 山梨学院大学 0勝15敗