【2024関東リーグ1部/第19戦】盛り上がりを見せた大東文化大2度目のホームゲーム(2024.10.26)

2024関東リーグ
ホームゲーム開催の大東文化大。試合前に選手、チア、エスコートキッズも笑顔。

終盤戦、今週も東海大と大東文化大の2大学でホームゲームが開催され、会場は声援にわいた。

日本体育大が確実なシュートで日本大を引き離す

日本体育大#23ムトンボ(4年・C)と日本大#12コンゴロー(4年・C)は今季の大学界を代表する留学生。順位的にも2位と3位の注目の対戦は、開始早々に#23ムトンボがアリウープのダンクを決め、観客席をどよめかせる。一方の日本大は1分で#12コンゴローが負傷退場してしまうアクシデントに見舞われた。しかしそれでも#23ボロンボ(2年・C)が奮闘し、#7新井(3年・SG)が何度も#23ムトンボをかわしてレイアップを決めていく。日本体育大は#4小澤(2年・SF)、#9大森(4年・SG)らの得点でリードし、2Qに入るとディフェンスでも日本大を止める。日本大はアウトサイドが入って来ず、10点以上引き離されそうなところで速攻を出し5点差に迫る。しかし日本体育大は#4小澤のバスケットカウントや速攻で43-32と再び点差を広げて前半終了。

後半、日本大はシュート確率が上がってこず10点の差が縮められない。4Qに入るとようやくスリーポイントが入ってくるが、日本体育大も#10早田(3年・SF)、#52小田(2年・SF)のスリーポイントで詰め寄らせない。それでも粘る日本大は最後までスリーポイントを決めて点差を縮めるが、日本体育大も点を決めかえし93-84でタイムアップとなった。

日本体育大はベンチから登場する選手も安定している。#9大森は内外で日本大ディフェンスを翻弄。

日本大は打たされる格好になってしまったが、スリーポイントの精度がその他の試合でも試合結果に影響している。守られる中でどう得点するかはインカレに向けても課題だろう。順位的にはこの日、白鷗大が勝利したことにより、日本大は4位へ後退した。残り試合はもう負けられない。

日本体育大は安定感の高いアウトサイドが要所で決まり、日本大に追撃させなかった。スタメンだけではなくベンチスタートの#9大森、#10早田、#52小田の存在感も高まっており、後半は#52小田の2本のスリーポイントは特に大きく効いた。

拓殖大が肉薄するも大東文化大がホーム初戦を勝利

ホームの大東文化大拓殖大と対戦。拓殖大は#35加藤(4年・SF)のスリーポイントを皮切りに外を打って決めていくが、大東文化大は高さが生きて14-23とすると、2Qも点差を維持。拓殖大は守られて得意のシュートを簡単に打たせてもらえないが、ディフェンスで踏ん張り#1織田(4年・PF)のタフショットなども決まる。しかし点差は縮まらず前半は40-30。

大東文化大は#39アブドゥレイがゴール下で奮闘。

後半3Q、大東文化大はミスが続く。その間に拓殖大は#88大石(4年・PG)を皮切りに#18石橋(4年・SG)、#35加藤のスリーポイントが続くと一気に点差を縮め52-49とする。ここで一気に追いつきたい拓殖大だが、4Qは#39アブドゥレイ(3年・C)のインサイド、#10菅原(3年・SF)のスリーポイントが決まり、大東文化大も逃げる。拓殖大は#18石橋の連続スリーポイントに速攻も出て残り5分で2点差にまで詰め寄るが、ここからはチームディフェンスや#25山内(4年・SG)、#9田中(3年・PF)を軸に攻撃すると再び引き離していき、72-61。最後は再度点差が開き、大東文化大の勝利となった。

拓殖大#18石橋は6本のスリーポイントを沈め、追い上げを引っ張った。

大東文化大は立ち上がりに#3塚本(3年・PG)が負傷でベンチへ。その後ガードの不安定さが出て詰め寄られたが、最後は粘り強さが出て競り勝った。

拓殖大はリバウンドの差が20本と高さで劣る分苦戦する中、#18石橋の6本のスリーポイントで一気に追い上げを見せた。フリーであればシュートの精度は高いだけに、ディフェンスやリバウンドでどこまで粘れるか、残り3試合も必死の戦いは続く。

昨年に引き続き歓声が満ちたアットホームなホームゲーム

昨年からホームゲーム開催をはじめた大東文化大。2度目となった今年も近隣のミニバスや同大学の他部の仲間など、数多くの観客が詰めかけ、にぎわいを見せた。会場のビジョンには選手のコメント動画が流れ、来場者向けにはグッズ販売、景品の当たるクロスワードも開催。試合後には選手にサインを求める行列が長くできた。

2度目の開催ながら応援する空気感がしっかり出来上がり、1階・2階とも観客席はほぼいっぱいになった。この先の定着・隆盛を期待したい。

エスコートキッズと入場。#25山内選手。
#21富山選手。
ハーフタイムには山村国際高校のダンス部が舞った。入場も盛り上げてくれた。
応援席を緑で染めたラグビー部。2階には野球部も駆けつけた。
選手の身長の高さに顔写真を貼り、サイズ感を体感しやすい会場装飾。
試合後は即席のサイン会に。子どもたちが大勢集まった。

【INTERVIEW】「昨年よりも良いものになっている」進化するホームゲームで大事な1勝/#77松尾河秋(大東文化大・4年・主将・SG)

やや重い展開になり、相手に迫られるもチームとしては競り勝った。我慢の展開でも応援席の歓声やMCの盛り上げは力になったはずだ。最後は粘り強さを見せて勝利となった。チームとしては現在5位ともう一つ壁を越えきれていないリーグ戦だが、終盤戦をホームで戦えるのは心強いはず。応援を背中に受け、2連勝となるか。主将として大事にする声掛けや、持ち前のアグレッシブなプレーでの貢献にも期待したい。

─2度目のホームゲームになりましたけど、1試合を終えてどんな印象ですか?

「1回目よりもスタッフの方も慣れてがんばってくださったのはもちろん、選手も全員総出で手伝っていますし、いろんな力が昨年よりもついて、前回より良いものになったのかなと思います」

─バスケ部員はどのような参加の仕方でしょうか。

「主に設営の部分ですね。ラインを貼ったりリングを出したりっていうのは自分たちもやります。そのほかの自分たちはできない裏方の部分を、大東の学生のスタッフの方が手伝ってくれて、本当にいろんな方が協力してくれてできあがっています。事前の準備は僕らの知らないところでかなり動いてくれていました」

─そんな中で試合としては拓殖大も頑張ってきて、競り合いになりました。勝利の決め手は。

「全員がディフェンスからリバウンドいうところをうまく取り切ってくれたりとか、あとディフェンスで菅原(#10)がしっかりやってくれました。彼はすごく目立ちはしないんですけど、やるべきことをやってくれる選手です。そういうところで勝利に繋がったのかなと思います」

─リーグももう終盤戦ですが、ここまで戦いはチームとしてはどんな風に感じていますか?

「そうですね。今5位というのが自分たちの現状で、もっとやらないといけないと思いますし、多分誰一人として満足している人はいないと思います。残り試合で自分たちができることっていうのは、一つでも順位を上げることだと思っているので、今は一つ一つの試合に勝つ。それだけを全員が思っていることだと思います」

─チームとしてはどこに課題を感じていますか?

「ディフェンスチームっていうのもあって、ディフェンスにフォーカスする部分も結構ありますが、その一方で得点が伸び悩んでいる部分があります。そこで自分たちがオフェンスにフォーカスしだすとディフェンスが雑になるという、その繰り返しで自分たちから崩れていっています。これは去年からもずっと課題になってきているので、そこの部分をどう自分たちで修正するかっていうのはインカレまでに一番身につける部分かなと思います」

─キャプテンとしての立ち位置や意識はどのようなものを持っていますか?

「自分はめちゃくちゃ点を取るという選手ではないんですけど、数字には出ない、一見分からないような所の仕事であったり、声を出たりということを大事にしています。目立たないところでも本当細かいところをやって、自分が意識して引っ張るところはしっかり引っ張ってというのをやると、みんなも結構自立してちゃんとやってくれます。だから自分は本当になんか細かいところをやるだけですね」

─松尾選手が声を出しているシーンは印象に残るように思います。ホームゲームは明日もあります。

「そう見ている方が感じてくださるとうれしいです。明日も勝ってホームゲーム2連勝で締めくくれたら一番だなと思います。がんばります」


【勝敗/19戦終了時点】
1位 東海大学    17勝2敗
2位 日本体育大学  16勝3敗
3位 白鷗大学    15勝4敗
4位 日本大学    14勝5敗
5位 大東文化大学  12勝7敗
6位 専修大学    10勝9敗
7位 神奈川大学   10勝9敗
8位 明治大学    6勝13敗
9位 筑波大学    5勝14敗
──2部入れ替え戦進出ライン──
10位 拓殖大学    4勝15敗
11位 中央大学    4勝15敗
12位 山梨学院大学  1勝18敗

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