【2024関東リーグ1部/第20戦】約2000人の観客が詰めかけた首位・東海大のホームゲームで筑波大が見事な勝利(2024.10.27)

2024関東リーグ
勝利に笑顔の筑波大。

リーグ戦は残り3試合。最後の順位戦が繰り広げられる中、この日は筑波大が目の覚めるような試合で東海大から金星をあげた。

東海大は3敗目を喫し、勝敗数では2位の日本体育大に並んだ。また3位には1勝差で白鷗大が続き、優勝争いは最終戦までわからない状況になってきた。

【PICK UP】3Qに#7星川が爆発、首位の東海大に筑波大が逆転勝利

東海大はホームゲーム初戦で明治大を下し、2試合目は筑波大を対戦相手に迎えた。

立ち上がりは東海大の独壇場。#25ムスタファ(1年・C・福岡第一)の高さが生き、#4中川(2年・F)のダンクも会場をわかせた。筑波大は東海大の勢いの前に課題となっている出だしの悪さが露呈する形になるが、Qの終盤に得点が決まり始めると24-11として2Qに入る。すると東海大のシュート確率が少しずつ落ちていった反面、筑波大がタフショットながらじわじわ得点を重ね、#7星川(2年・SF)のバスケットカウントをはじめ#13岩下(3年・PG)、#19間山(4年・PF)らのシュートで一時逆転。しかし東海大は#18西田(4年・SF)がアウトサイドで反撃し、39-36の東海大3点リードで前半を終えた。

17点、4本のスリーポイントの東海大#18西田。最後まで粘った。

後半3Q、ここで筑波大は#7星川が圧巻の活躍を見せる。序盤に#3黄(3年・PG)がアンスポーツマンライクファウルを吹かれたものの、#7星川が東海大のペイントに果敢に切り込み、次々にゴール。ドライブ、アシスト、フリースロー、スリーポイントと東海大のディフェンスをものともせず得点を重ね、このQのチーム得点25点のうち、17点を稼ぐ。東海大はシュートが入らないが、リバウンドも筑波大に押さえられ、このQ11点に終わると50-61と筑波大リードで4Qに入った。

最終Q、東海大が守りを固め、筑波大は守られて24秒ぎりぎりを使ったオフェンスになっていくが、#3黄、#19間山、#6副島(2年・C)らが得点。開始約3分で17点もの差がついた。東海大はディフェンスで高い位置から当たってターンオーバーを誘い、#7星川には#3ハーパーをつけて、簡単にボールを持たせないように守る。オフェンスでは#4中川のドライブやオフェンスリバウンド、#7前野(4年・F)のシュートなどで食い下がり、守っては24秒オーバーも奪っていく。残り3分から#2轟(2年・PG)の2本のスリーポイントが決まり、残り1分半で5点差にまで詰め寄った。しかし最後の鍵を握ったのはこの日のヒーロー、#7星川。残り40秒でバスケットカウントを決めて8点差にすると、その後は東海大のファウルゲームをしのいで65-77。2000人の観客が見守る中、アウェイで大きな勝利をもぎ取った。

筑波大#19間山は12得点7リバウンドで#7星川に続いた。

29得点をあげた#7星川は、3Qは「ゾーンに入っていた」という。ベンチに戻ると感極まって涙を流したが、チームとしてこのリーグ戦は苦戦が続き、怪我人も相次いで星川自身もリーグ復帰は1巡目の終盤だった。さらに前週のホームゲームでの2連敗も苦しかったに違いない。「怪我もあったし、復帰後もチームを勝たせることができていなかったし、吉田先生が求めているものも汲み取りきれなくて、迷惑をかけていました。その想いがあふれました」という言葉からは、ようやく応えられたという喜びが伝わってきた。入れ替え戦もちらつく中での大一番、ようやく出し切れた試合に、星川のみならず、チーム全員の笑顔と歓喜がはじけた。

ベンチの皆に迎えられる中、こらえきれない様子を見せた#7星川。

大学リーグでは最大規模・東海大のホームゲームはより華やかに

この日、観客席はほぼ一杯に埋まった。土曜日が1411人、日曜は1912人と、2日間で合計3323人の観客が詰めかけ、体育館前ではボッチャなど体感できるアクティビティや、キッチンカー、グッズ販売などさまざまなイベントを実施しにぎやかな2日間となった。

ホームゲームとして2日間で過去最大数ともいえる観客が訪れ、会場は熱気でいっぱいになった。

会場の盛り上げには東海大のチアリーディングチームFINEのパフォーマンスや、よさこいチーム、ダンスグループなど多彩なゲストがハームタイムを彩った。

入場はエスコートキッズとともに。
試合前の両チームの記念撮影。
大学構内には一人一人のバナーも掲示された。
恒例の選手の個人ポスターも体育館内に。

それぞれの想いが伝わるスピーチに客席からもあたたかい拍手

今回のホームゲームは、さまざまな想いが交錯するものになった。対戦相手となる筑波大の吉田監督は、陸川監督にとっても長年の盟友。選手としてのみならず、近い時期に大学の指導者となって以降も対戦して切磋琢磨し、またあるときはアンダー代表チームのスタッフとして協働してきた。吉田監督は今季をもって筑波大学を退職するが、試合前には陸川監督からは長年の友への感謝と、これから行う試合への期待が語られた。

そして、陸川監督もまた今年度をもってHCの座から退く形になる。そのためこの試合は両者にとって大学のHCとして最後の対戦となるものだった。試合後に筑波大の奮闘を再び称え、自身とチームの今後についても語った。「来年から私の後を入野コーチ引き継ぎます。私はアソシエイトコーチとして入野をサポートします。皆さんよろしくお願いします」と挨拶。それに応えて入野コーチからは「来年からということですが、まず来週2連勝してリーグを優勝し、インカレでも優勝します。ぜひよろしくお願いします」と、残り2試合にかける意気込みが語られた。

入野コーチは2004年、チームが1部昇格を成し遂げたときの主将で、強いリーダーシップでチームを牽引した。卒業後は東海大三(現在の東海大諏訪)のコーチとして長く高校バスケでも存在感を示し、来季からは大学界でHCとして新しい挑戦をはじめることになる。

また、試合後の挨拶に立ったもう一人、主将の#22大久保のスピーチも心を打った。予定にあった試合後の挨拶や、子どもたちからの質問に答えたあと、再び希望してコートに進み出るとホームゲーム開催への感謝を述べた。このホームゲームが数多くの関係者や裏方の人たちの協力あってできていることを改めて強調。中でも「Bチームが朝から屋外ブースでもシフトを組んで入れ代わり立ち代わりで働き、選手、スタッフ全員が本当に協力してくれました」と、開催にあたって朝6時から練習し、その後1日働き、また応援してくれたBチームに感謝した。「こういった場所を借りてお礼を言わせてください。自分が応援するとともに、会場のみんなの拍手でBチームに感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございました」と声をかけると、会場からはベンチ裏に座るBチームに向けて大きな拍手が巻き起こった。

最後はチームがコートを1周し、観客の応援に応えた。

【勝敗/20戦終了時点】
1位 東海大学    17勝3敗
2位 日本体育大学  17勝3敗
3位 白鷗大学    16勝4敗
4位 日本大学    14勝6敗
5位 大東文化大学  13勝7敗
6位 専修大学    11勝9敗
7位 神奈川大学   10勝9敗
8位 明治大学    6勝14敗
9位 筑波大学    6勝14敗
──2部入れ替え戦進出ライン──
10位 拓殖大学    4勝16敗
11位 中央大学    4勝16敗
12位 山梨学院大学  1勝19敗

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