新人戦はベスト4が決定。どの試合も勝利への強い意志が見える好勝負となった。
ただしこの日、4試合のうち1試合が中止となり、早稲田大が大会を辞退。これまでの出場校の中に体調不良者が出たためで、早稲田大が影響を被る形となってしまった。これにより、対戦相手だった日本体育大が自動的にベスト4へと進出した。
11日以降の戦いについて整理すると、
・早稲田大は8位が確定し、12日の7位決定戦は行われない
・11日のC/Dブロックの敗者による順位決定戦は行われず、東海大は自動的に12日の5位決定戦に進出
・A/Bブロックの敗者、関東学院大と白鷗大は11日に順位決定戦を行い、敗者が自動的に7位確定
東海大がしぶとく粘り追い上げるが、筑波大が辛くも逃げ切り
東海大と筑波大の戦いは、一時は大きく点差が離れたものの、終盤には僅差の接戦となった。1Q、立ち上がりは東海大はスリーポイントも決まりいいムードの立ち上がり。筑波大はタフショットが続いたが、#28浅井(2年・PF)、#1福田(1年・SF・中部第一)のスリーポイントで持ち直し、12-17と5点リード。2Qも#31大澤(1年・SG・福大大濠)のスリー、#31小川(2年・PG)の速攻が続き、一気に引き離す。東海大は開始3分#13金近(2年・SF)が負傷退場となり苦しい状態に追い込まれる。その後も内外のシュートが気持ちよく決まった筑波大が26-41と引き離して前半終了。3Qも最大20点差をつける展開で、39-55として4Qに入るが、ここから東海大が巻き返す。
ここまでもスコアを引っ張ってきた#26小林(2年・PG)がさらに爆発的なオフェンスを見せ、#18西田(2年・SG)のスリーポイント、#7前野(2年・F)のバスケットカウントなど、次々に得点を重ねる。筑波大はパスが合わなかったり、ダブルドリブルなどバイオレーションが続いて、じわじわと点差を詰められていく。東海大もミスはあるものの残り4分で5点差にまで詰め寄り、追撃圏内。フリースローのミスが出るなど筑波大にやや焦りがみえる一方、東海大は残り1:12で#26小林の5本目のスリーポイントが決まり、3点差。どちらに転んでもおかしくない中、ここで筑波大は#13岩下(1年・PG・福大大濠)が早い展開から自ら持ち込み得点。残り20秒で66-71と優位に立った。東海大は#3ハーパー(2年・PG)が1本シュートを決めるが、逆転するには時間が足りず、68-72でタイムアップ。
東海大は4Q29点の猛攻を見せたが、わずかに及ばず。しかし緒戦から見せている粘り強さは、チームの一つの特徴となっている。陸川監督がいう「粘り勝ち」を目指すチームは、一つ経験を積み、次に向かう。
一方の筑波大は、青山学院大戦に続いて、20点近い点数を追い上げられる格好に。勝ちきってはいるが、この流れを断ち切りたい。
【2022新人戦】「自分の持ち味を出しつつ、大学の強度に対応していきたい」筑波大に勝利を呼び込む期待のルーキーガード/#13岩下准平(筑波大・1年)
3Qで差をつけた日本大がリードを守りきり白鷗大に勝利
日本大と白鷗大の一戦は、3Qが勝負の分かれ目になった。日本大は#12コンゴロー(2年。C)、白鷗大は#24ジョエル(1年・PF・別府溝辺)という、インサイドに体の強い留学生を擁する両チーム。立ち上がりからここは相殺される場面が多く、両者一気に抜け出す流れにはならない。2Q、開始すぐに#3米須(2年・PG)が#5松村(2年・SF)のスリーポイントをアシストし、日本大が逆転。さらに#99下地(1年・PG・北陸)のドライブや#10新沼(2年・PF)のスリーポイントなどで日本大に流れが来るが白鷗大はタイムアウト後にプレスをかいくぐって#25ジョエルが得点。#51良知(2年・SG)のスリー、#36ポーグ(2年・SF)のジャンパーや速攻も続いて逆転する。日本大はしぶといディフェンスから相手のミスを誘い、残り1分半から#51一戸(2年・PG)のスリーポイントが2本決まると、再度逆転して32-28で前半終了。
3Qも一進一退となるが、ここで勝負の流れを変えたのは#3米須。開始約3分でコートインすると、持ち味の前に引っ張るパスを連発し、速攻が生まれていく。この日好調の#10新沼をはじめ、#4井上(2年・SG)、#3米須もスリーポイントを沈めると、拮抗した競り合いから一転、10点リードに成功し、53-43でこのQを終える。4Q、日本大はファウルや#12コンゴローのティンディングなど、やや乗り切れない時間帯もあったが、メンバーが声を掛け合ってチームを落ち着かせ、また#10新沼の連続スリーポイントがチームを盛り上げた。白鷗大も#36ポーグや#25ジョエルがスコアを引っ張り、粘っていくが3Qでついた10点の攻略は簡単ではなく、74-65で試合終了。
日本大は15名のベンチ登録のうち、12名を出場させる全員バスケに近い状態で奮闘。ミスが出ても#10新沼や#13泉(1年・SG・福大大濠)が終始声を出し、まだ出場時間が限られる#3米須が、勝負どころで役割を果たした。白鷗大もまんべんなく得点が分散し、積極的なアタックが光ったが、3Qで相手に走られたことが惜しまれる。
【2022新人戦】準々決勝で17得点の活躍に、「基礎からバスケをやり直したことが、ちょっとずつ出せるようになってきた」と手応え#10新沼康生(日本大・2年)
大東文化大がリードする中、関東学院大は最後まで食らいつく
大東文化大と関東学院大の戦いは、1Qから大東文化大がリードを握った。#10菅原(2年・SF)がセカンドチャンスで粘り#25山内(2年・SG)のシュートも決まった。対する関東学院は#21野内(2年・SG)が日本のスリーポイントを決め、#30モーヌチソン(1年・C・福島東稜)も器用さを発揮していく。1Qで19-10とリードした大東文化大は2Q、#25山内のランニングダンク、続くスリーポイントなどでさらに差を広げる。関東学院大は#21野内のスリーは引き続き好調だがその他の得点が伸びず前半は35-19。
3Qも大東文化大は#39アブドゥレイ(1年・C・中部第一)の高さを活かし、また#21富山(2年・PF)や#47品田(2年・PG)のスリーが次々と決まった。しかし関東学院大もやはりスリーポイントは好調で#21野内をはじめ、#6大野(2年・SG)や#23中内(2年・PG)が次々と決めていく。4Qになると#30モーヌチソンがスリーポイント、ドライブと、多彩なプレーで得点。3Qには20点ほど開いた時間もあったが、しぶとく粘っていくことで残り5分には#21野内のスリーポイントで11点差にまで近づき、応援席からも大きな歓声が上がった。しかし大東文化大はそこから先の点差は詰められることはなく、69-57で締めくくり、準決勝へ進んだ。
大東文化大はリバウンドで52-28と差をつけたものの、決めきれないシュートも多く、得点が伸び切らない試合に。一方の関東学院大は#21野内が17得点、5本のスリーポイントで得点を牽引。#30モーヌチソンは#39アブドゥレイとやり合いつつも18点13リバウンド、スリーポイントも2本決めるなど、オールラウンドな活躍を見せた。