【2022新人戦】日本大が5年ぶり、日本体育大が4年ぶりに決勝進出。両者による決勝は1983年以来(準決勝・2022.6.11)

2022関東新人戦
日本体育大が筑波大を撃破。

関東大学新人戦は準決勝が行われ、日本大は前回2位の筑波大を、日本体育大は連覇を狙った大東文化大をそれぞれ破って勝ち上がった。

決勝で両者がまみえるのは、1983年の第23回大会以来。日本大は最多優勝11回、日本体育大は8回と、それぞれ歴史を誇る両チームの久しぶりの対決に注目だ。そして優勝すれば日本大が2000年以来、日本体育大が2001年以来の栄冠となる。

【準決勝】日筑戦を制したのは日本体育大、#36ムトンボの高さ、スリーポイントが高確率で決まる

新人戦で伝統の“日筑戦”が実現。競り合いから日本体育大が徐々に流れを掴んだ。

筑波大はスタメンの#1福田(1年・SF)が欠場。青山学院大戦での負傷を押し、準々決勝の東海大戦はプレーしたが、この日は大事を取った。1Qは互いの持ち味で得点を重ねる。日本体育大は#35ムトンボ(2年・C)以外のスタメンは全員1年生。思い切りの良いアタックを続け、#26西部(1年・SF・東山)、#41石川(1年・SF・小林)のスリーポイントも好調。対する筑波大はいかに#35ムトンボを攻守で攻略するかがカギになったが、立ち上がりは#19間山(2年・PF)が得点。#31小川(2年・PG)や#41大澤(1年・SG・福大大濠)、#38黄(1年・SF・聖光学院)のスリーポイントも決まって1Qは19-22。2Q、両者ゴールが割れない時間帯が交互に起こり、重い展開が続くと11-6と得点は伸びずに終わる。しかし#35ムトンボに何度かボールが入った日本体育大がやや上回り、30-28と逆転して前半終了。

3Q、ここから日本体育大のエンジンがかかってくる。#35ムトンボは3つ目のファウルを吹かれてしまうが、それでもゴール下で高さを発揮、#26西部や#41石川のスリーポイントも決まっていく。筑波大は#28浅井や#31小川で攻め、互いに点を取り合うが、58-53と日本体育大5点リードで4Qに入ると、立ち上がりも#21月岡(1年・PG・昌平)のドライブ、#41石川のスリーで日本体育大がその差を10点に広げる。筑波大は#13岩下(1年・PG・福大大濠)と#31小川で打開をはかるが、日本体育大の勢いは止まらない。終盤は#26西部が次々と得点し91-70。決勝進出を決めた。

日本体育大は#26西部が5本のスリーポイントを含む33得点。#35ムトンボは28点29リバウンドのダブル・ダブル。さらにガードの#21月岡が11アシスト。ムトンボに何度も入ったパスは大きかった。センターの2年生を軸に置き、1年生を主体にしたチームは新人らしいフレッシュな魅力に満ちている。その勢いを決勝でも出したい。

日本体育大#41石川は4本のスリーポイントで14得点。

【2022新人戦】「1年生らしくアグレッシブにやりたい」宿敵の筑波大を倒し、決勝へ意気込む/#26西部秀馬(日本体育大・1年)

【準決勝】日本大が全員バスケで前回覇者・大東文化大を破る

連覇を狙う大東文化大は、いい雰囲気で勝ち上がってきた日本大に対して出遅れた。インサイドには大東文化大は#39アブドゥレイ(1年・C・中部第一)、日本大は#12コンゴロー(2年・C)のマッチアップ。お互いに簡単にゴール下では得点できないが、日本大は外が好調。開始早々の#30丸山(2年・SG)のスリーポイントを皮切りに、このQ4本のスリーポイントが決まり7-15。2Qもスリーポイント攻勢は続き、#81宮城(2年・PF)、#99下地(1年・PG・北陸)ら、ベンチメンバーも次々にスリーを決めていく。大東文化大は前回新人王の#21富山(2年・PF)がゴールへアタックして得点を量産。日本大は5分から得点が止まりがちになり、最大13点のリードから25-31と6点差にされて前半終了。

3Q、日本大学は#51一戸(2年・PG)がシュート、アシストで見せる。大東文化大は#25山内(2年・SG)がダンク、#21富山も引き続きの積極性を見せて得点していくが、#51一戸の2本のスリーや#12コンゴローのバスケットカウントなど、3点プレーが続く日本大は10点程度の点差を維持。41-53として入った4Q、3Q終わりにダンクを見せた#21富山がオフェンスリバウンド、フリースローにと奮闘する。ディフェンスでも粘り、残り7分半で6点差にまで持ってきた。しかし日本大はここで#10新沼(2年・PF)のスリーが沈んで悪い流れを断ち切ると、その後も大東文化大を詰め寄らせず60-74。リードを守りきり勝利した。

日本大は#3米須(2年・PG)がこの日は欠場。しかし、それでもまったく危なげない試合となった。出場した11人の選手がすべて得点、ないしはリバウンド等で数字を残す全員バスケは、誰が出ても遜色がない。その上、前日の白鷗大戦では#10新沼、この日は#51一戸が勝負どころのシュートを次々に沈め、日替わりで輝く選手が出ているという、非常に良い状態。決勝での戦いぶりも楽しみだ。

大東文化大は#21富山が24点。その奮闘ぶりは新人王を獲得した3ヶ月前よりも目覚ましいものだった。しかしチームとしては11本のスリーポイントが入った日本大に対して0。リバウンドやアシストでも差がつき、課題の残る1戦となった。

ベンチメンバーも非常にいいのが新人の日本大。#81宮城は#12コンゴロー、#51一戸に続く10得点。効果的に2本のスリーポイントが決まった。

【2022新人戦】「得点力を持ち味にしたスタイルでみんなを活かす」スタメンガードとしての責任を果たすために/#51一戸啓吾(日本大・2年)

【順位決定戦】白鷗大が5位決定戦へ、関東学院大は最終日を待たず7位確定

5位決定戦進出のかかる戦いは、白鷗大がリードを保って進めた。立ち上がりは関東学院大の#8山口(2年・SF)のスリーポイントや#6大野(2年・SG)のバスケットカウント、#30モーヌチソン(1年・C・福島東稜)のドライブ、#21野内(2年・SG)のスリーポイントと、スタメンがまんべんなく活躍。対する白鴎大も#8陳岡(2年・PG)、#36ポーグ(2年・SF)など、今大会好調なプレーを披露している選手たちが攻め、#25ジョエル(1年・PF・別府溝辺)も#30モーヌチソンと激しくぶつかり合っていく。関東学院大は5分を過ぎると次第に白鴎大のディフェンスに阻まれ、得点がストップ。15-24と白鴎大が9点リードで2Qに入ると、序盤に#78佐藤(1年・PG・福岡第一)のシュートが連続し、白鷗大はさらに流れに乗る。関東学院大は#21野内のスリーポイントで点差を縮め、粘りを見せるが、29-46と引き離されて前半を終えた。

3Qも白鴎大リードで試合は進む。しかし関東学院大は差を広げられそうになっても#21野内のスリーポイントがそれを引き戻すと言う形で、10数点を常に追う形に。逆に白鴎大はそこから大きくは引き離せない。4Qの立ち上がりに#17森山(2年・SG)、#20根本(2年・G)の連続スリーが決まった白鷗大は16点差とするが、#21野内、#23中内(2年・PG)のスリーで関東学院大も食らいつき、最後まで粘った。最終スコアは70-81。白鷗大が東海大との5位決定戦へ進み、関東学院大は早稲田大の辞退により、この時点で7位が確定した。

白鷗大#25ジョエルと関東学院大#30モーヌチソンの対決は、強いフィジカルの迫力あるぶつかり合いとなったが、数字では#25ジョエルが上回った。白鷗大は2019年以来の5位をかけ、最終日は東海大と対戦する。

関東学院大は#21野内が24得点、スリーポイント6本を決めたが、大会を通じて高いスコアリング能力を披露した。1部の明治大を倒し、また前回の新人戦では破れた山梨学院大を破っての堂々のベスト8入り。最終戦を待たずに大会を終えることになったが、魅力と能力を発揮した大会となった。

ダンクにいく白鷗大#25ジョエル モンガは、まだまだ伸びしろの大きそうな選手。
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