【2022新人戦】延長戦を制した日本体育大が21年ぶりに栄冠をつかむ(決勝/2022.6.12)

2022関東新人戦
日本体育大は#21月岡がディフェンスの隙をつき、周囲の選手へのパスを出していった。

1、2年生が参加する2022年の新人戦は最終日。既に早稲田大が辞退して8位、関東学院大の7位が決定していたため、最終日は残りの3試合が行われた。

決勝の日本大と日本体育大の対戦は、一時水を開けられた日本体育大が追いつき、2005年の青山学院大と法政大以来の延長戦に突入。決勝にふさわしい熱い戦いとなった。

なお、この大会における上位4チームは、7月に行われる新創設の全国大会・全日本大学バスケットボール新人戦(プレ大会)へと出場。新人日本一を目指し、再び戦いに挑む。

【決勝】日本体育大が4Qに日本大に追いつき延長戦を制す

新人戦の決勝では39年ぶりに顔を合わせた日本大日本体育大。日本大は2年生を中心にしたチーム力が光り、日本体育大はスタメンの4名が1年生というフレッシュな布陣。戦いはインサイドの攻防がまず一つの鍵になった。

日本大は#12コンゴロー(2年・C)、日本体育大は#35ムトンボ(2年・C)という、既に大学界を代表するビッグマンがマッチアップ。2人のサイズは変わらないものの、ウイングスパン230cmを誇る腕の長い#35ムトンボの攻略は課題の一つ。日本大はゾーンに対してチーム全体でシュートを打ちあぐねる時間が長かったが、#51一戸(2年・PG)を筆頭にスリーで得点していく。日本体育大もアウトサイドには安定感があり、こちらも外打ちが中心。こぼれれば#35ムトンボがカバーする形で1Qは18-19と互角。

2Q 、日本大は残り6分でベンチから#3米須(2年・PG)を投入。マンツーマンディフェンスに戻った相手に対してボールを回して次々にシュートが生まれると、38-28と10点差をつけて前半を折り返した。

日本大#15一戸は15得点。スタメンガードとしてチームを牽引し、優秀選手賞受賞。

3Q、ゾーンに対し日本大は#51一戸がポイントゲッターとして躍動。中盤になるとようやく#12コンゴローのところで得点が続き、#30丸山(2年・SG)、#7新井(1年・SG・沼津中央)のスリーポイントなども決まっていくと、54-42と12点リードで最終Qに入る。すると、ここから日本体育大の巻き返しが始まった。#10早田(1年・F・福岡第一)のジャンパーを皮切りに外、そして#35ムトンボの中での得点が続き、じわじわ点差を縮める。日本大はシュートの決定力が上がらず、またファウルも続いて苦しい状況に。残り5分半、再びここで#3米須を投入するが、得点に結びつかない間に、日本体育大は#21月岡(1年・PG・昌平)の積極的なアタックや#10早田のスリーポイントで流れを掴み、#26西部(1年・SF・東山)の速攻が生まれると残り3分で61-61の同点。日本体育大は#41石川(1年・SF・小林)のスリーや速攻で逆転するが、日本大も#51一戸が返して互いに譲らず、68-68でタイムアップ。延長戦に突入した。

最後の5分、主導権を握ったのは日本体育大。#35ムトンボが4ファウル目を吹かれるが、オフェンスリバウンドで強さを発揮。ここに#10早田のスリーポイントが加わり流れを掌握すると、最終スコア71-77で21年ぶりの優勝を決めた。

全員が得点源だった日本体育大。決勝では#10早田が17得点、うちスリーポイント3本と大活躍。

日本体育大は#35ムトンボが21点34リバウンドと、リバウンドは驚異の30本越え。守っても日本大#12コンゴローを簡単にプレーさせなかった。そこに1年生の思い切りの良さが加わった逆転劇だった。エースガードで新人チームキャプテンの#18土家(2年・PG)が大会前に負傷し、1年生4名がスタメンとなる構成だったが、その分新人らしい伸びやかなプレーが目立った。3月は大会辞退となったが、その悔しさを晴らすような価値ある優勝を手にした。

一方の日本大は#35ムトンボに対して慎重になる分、オフェンスがやや消極的で、シュートもリングに嫌われた。距離を取ったシュートも多かったが、ブロック被弾は7と少なくなく、攻略の難しさが感じられる。しかし#3米須が復帰戦でプレータイムが制限される中、全員バスケで勝ち上がったチームは誰が出ても遜色ない状態で、試合ごとに異なるヒーローが生まれるなど、チーム力が際立った大会となった。

大会を通じ、#41石川のシュートが試合の流れをたびたび変えた。優秀選手賞受賞。

【3位決定戦】筑波大が4Qに反撃するが大東文化大がリードを譲らず

3月の新人戦決勝で戦ったチームが、今回は3位決定戦で相まみえた。1Qから先行したのは大東文化大。#21富山(2年・PF)のシュート、#39アブドゥレイ(1年・C・中部第一)の208cmの高さ、#25山内(2年・SG)の速攻やスリーポイントで一気に差を開く。一方の筑波大は#31小川(2年・PG)、#19間山(2年・PF)が相手の高さに苦しみつつもなんとかシュートチャンスを得ていくが、#28浅井(2年・PF)のインサイドは思うように機能せず、得点が伸びない。1Qで9点リードした大東文化大はその後も順調に内外で得点を重ね、前半は41-20。

3Qの立ち上がり、筑波大は#13岩下(1年・PG・福大大濠)が奮起。また早い展開を出そうと試みる。大東文化大は#39アブドゥレイ、#9田中(1年・PF・中部第一)のゴール下での得点が続き、最後は#21富山のタフショットで60-41と点差を維持。4Q、筑波大はディフェンスを締めて反撃し、残り5分半で点差を6にまで縮めた。しかし大東文化大も落ち着いて対処し、再び10点ほどのリードにすると、その後は緩まず74-58で試合終了。3位を確定した。

大東文化大はリバウンドで筑波大に14本の差をつけたのが大きかった。前回新人王の#21富山が3月時点よりも大きな存在感を示し、今大会が初の公式戦となる#9田中も次第に調子を上げていった。筑波大はインサイドで苦戦。大会序盤に負傷した#1福田(1年・SF・中部第一)が後半の日程は欠場したのが惜しまれる。

5月のトーナメントは怪我で欠場した#9田中。大東文化大期待のルーキーは最終戦で12得点。

【5位決定戦】白鷗大が2Qに東海大を逆転し、そのまま駆け抜け

1Qは東海大#26小林(2年・PG)や#18西田(2年・SG)のシュート、#3ハーパー(2年・PG)のダンクなどで幸先のいい立ち上がりを見せた東海大。一方の白鷗大は今大会好調の#36ポーグ(2年・SF)や#51良知(2年・SG)のスリーが決まってくると得点差を詰めていくが、1Qはスリーポイントの当たった東海大が19-27とリード。白鷗大は2Qになると#25ジョエル(1年・PF・別府溝辺)のインサイドを活かして追いつき、逆転。ディフェンスではポイントゲッターをきっちりマークしてこのQ東海大を6点に抑え、前半は36-33として終了。

後半3Qも#25ジョエルの存在感は大きく、東海大は#3ハーパーが奮闘して食い下がり、56-54と2点差で4Qに入る。しかし開始1分半、東海大はここまでゲームを引っ張ってきた#3ハーパーが足を痛め、一時ベンチに。するとこの間に白鷗大が得点差を10点に広げた。数分で#3ハーパーはコートに戻り東海大が食い下がるが、大きくは得点差を詰めきれず73-67でタイムアップ。

白鷗大は#25ジョエルが33点16リバウンドの活躍。#36ポーグ、#8陳岡(2年・PG)、#78佐藤(1年・PG・福岡第一)等、ガード・フォワード陣も大会を通じて積極的なアタックが見られた。東海大は1Qのリードを守りきれず。しかし#25小林や#7前野(2年・F)、#23君座(1年・PF・宇都宮工)といったニューフェイスたちのプレーぶりが見られた大会でもあった。

東海大#7前野は#13金近が大会途中で欠場したあと、インサイドで奮闘。走れるセンターとしてこれからの成長に注目したい。

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