190cmの長身が、大きなストライドでコートを駆け抜けた。
3クォーターの立ち上がり、
#34三谷(2年・SG)の2本の速攻から続く攻守でのプレーは、
その後展開される4年生たちの活躍とともに
チームの勝利に欠かせないものとなった。
下級生が代表活動で抜けたこともあり、春から夏にかけてはプレータイムも多く、
持ち前の機動力を活かしたプレーで存在感を放った。
しかし、リーグ戦ではボールを持ってもオフェンスで躊躇する場面が多く、
完全に自分を見失っているように見えた。
初めてのリーグ戦の勝手がわからなかったのか、それとも他の要因か、
うまく自分自身をコントロールできていなかった様子が伺える。
しかし、対日本大戦では完全に元の姿を取り戻した三谷の姿があった。
― すごい試合でした、どんな気持ちですか。
「まず勝てたこと、4年生と試合をすることが増えたというのが嬉しくて、安心の方が大きいです。今日はあまりミスのことは考えず、思いきってやれました」
― 今日いいプレーをできた理由は。
「リーグ戦では消極的で後悔が残っていて、そこから1ヶ月でゴールを狙う姿勢をもう一度思い出してやってきました」
― 春の日本体育大等の定期戦やトーナメントではとてもいいプレーをしていたと思いますが、リーグ戦でそんなふうになってしまった理由は何でしょうか。
「自分の中ではリーグ戦の序盤、早稲田戦と青山学院戦のときに、ふわふわしていて体が地に足が着いていないような感覚がありました。ボールをもらっても、まず目の前の相手と1対1を仕掛けるというところを忘れてしまって、焦って、何だか自分じゃないような気がしてたんです。前半でイージーミスを連続でやったりしてしまった試合でした。そこからネガティブな考えを持つようになって、本当に自分のバスケ人生の中でも後悔の残るリーグ戦だし、結果になってしまいました」
― 気持ち面だけが原因でしたか?チームの怪我人が増えて良くない状況に入っていたと思いますが、そうした雰囲気も影響したでしょうか。
「まずは気持ちです。なんでだかわからず、でもめっちゃ悔しかったんです。何をしたらいいかというのがわかっていなかったです。チームの雰囲気もあまり良くなかったこともありますし、チームシステムも少し曖昧だったので、そこも迷いがあったのかなと思います」
― リーグ終盤のプレーは悪くなかったように思います。
「リーグ戦の後半は少しずつ自分の持ち味を出せるところが増えてきて、6位という結果で終わってしまったんですが、それは結果として受け止めました。そしてインカレまでの1ヶ月間に、練習から積極的にゴールを狙っていくことをもう一度思い出してやっていって、徐々に取り戻せたという感じです」
― 何がいい方に働くきっかけになりましたか。
「リーグ戦の後半あたりから、アシスタントコーチの仲澤さんに個人的に話してみたりしました。もっと積極的にやったほうがいいとお言葉をもらったので、それを思い出して。今日もマイナスなことは考えないように。今日はベンチのみんなもスタンドのみんなも、すごい声を出して頑張ってくれたので、コートに出ている僕たちが一番頑張らなくてはいけないと思って、中の5人でしっかりつながるということを意識して、声をかけていました」
― 本当に三谷選手らしい良さが見えた素晴らしい活躍でした。去年はほとんどインカレでは出場機会がありませんでした。今年はおそらく次以降も重要な役割を担うと思います。インカレにかける想いを聞かせてください。
「今日は率先して走って、それが起点になってチームの流れも変わったところも少しありました。去年は準優勝という結果で終わったんですが、ベンチで見る時間が多くて、自分の中でも悔しかったんです。その悔しさを晴らしたいです。今は積極的に狙いながら、状況も見て、チームに勢いをつけるようなプレーというのをもっと心がけてやっていきたいと思います」
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