3日は残りのベスト16決めに入り、A・Bブロックの8試合が行われたが、前日に引き続いてのアップセットに会場は沸いた。
3部の慶應義塾大は今季2部となる青山学院大に4Qまで、2部の駒澤大は1部の明治大に対してこちらも4Qまでシーソーゲームで粘った。両者は惜しくも破れたが、2部の順天堂大は1部の中央大に逆転勝利。関東学院大に続いて2部チームが1部を倒し、ベスト16に勝ち上がった。
【Aブロック】専修大・青山学院大・東海大・順天堂大がベスト16へ
昨年優勝の専修大は法政大を相手に前半は競り合うが、3Qに一気に引き離すと4Qもそのままの勢いで逃げ切った。東海大は今季2部昇格の玉川大と対戦。立ち上がりは相手にうまく点を取られるシーンが目立ったが、次第に差をつけた。
また、青山学院大と順天堂大は接戦を勝ち上がった。
順天堂大は4Q終盤、勝負のスリーポイントが炸裂
高いシュート力を持ち味とする順天堂大は、2Q途中に停滞してリードされるが、3Qに息を吹き返して中央大に競り勝った。1Qはシュートを入れ合い、23-22と互角。2Qに順天堂大のシュートが落ち始めると、中央大が次第に抜け出す。しかし3Q、再び順天堂大に流れがくると57-59と2点差に追い上げて4Qに入る。
最後の10分は入れ合いになった。順天堂大は粘り強く打って#55戸笈(4年・SG)、#56勅使河原(2年・PF)と続いて立ち上がりに逆転。中央大は#2内尾(4年・SF)のシュート、#42山崎(2年・PF)のオフェンスリバウンドで取り返していく。順天堂大は#22鈴木(3年・PF)のファウルトラブルが痛いが、点差は付かず離れず。その中で順天堂大に流れが来たのは残り3分。中央大が2点、ないしはフリースローで加点するのに対し、順天堂大は#13中川(4年・SF)が3本のスリーポイントで返して上回っていく。その上で#22鈴木がフェイダウェイのジャンパーを沈めると、残り1分で76-72と4点のリード。中央大は#2内尾が連続でフリースローを得るが、2/4と全部を決めることができない。順天堂大は残り17.5秒でパスが合わずあわや、となるが中央大最後のオフェンスは残り3.2秒で放った#0樋口(4年・PG)のスリーポイントが落ち、残り時間を処理して順天堂大が76-74で勝利。競り合いを制してベスト16へ名乗りを上げた。
順天堂大・中川選手のインタビューはこちら【2023トーナメント】「打つと決めていた」4年の力を示し、1部チームを撃破してベスト16進出/#13中川拓人
青山学院大はディフェンスから粘る慶應義塾大を最後に振り切る
3部所属の慶應義塾大が、今季2部の青山学院大に食らいつき、互角の勝負を展開した。立ち上がりから激しいディフェンスを仕掛ける慶應義塾大は、再三ターンオーバーを奪い、アウトサイド、インサイドともオフェンスが上手く回る。青山学院大は得点が伸びずやや追う展開とり、2Q最後に#10槇野(4年・SG)のスリーポイント、#7進(3年・SF)のフリースローでなんとか逆転して26-27。
3Q、慶應義塾大は#13廣政(2年・SF)のスリーポイント、バスケットカウントが続き、6点のリードに成功。しかし青山学院大も#10槇野、#3新井(2年・PG)の連続スリーで返すなど、このQも差がないまま進行。43-43で入った4Qは、開始6分までは慶應義塾大がリードを保った。しかし外のシュートが落ちてきて、青山学院大にスティールやファウルからのフリースローを与えてしまうと、突き放されて54-69。青山学院大が苦しい展開から最後に抜け出して勝利した。
破れた慶應義塾大#4山本(4年・G)は「3部リーグ終了後の11月から練習をしてきて、目に見える形で成果として現れている部分もあります。まだ慶関戦、新人戦と試合が続くので、磨きをかけて早慶戦につなげていきたい」という。慶應義塾大の春夏シーズンの最大イベント・早慶戦(6/24@代々木第二体育館)に向け、この試合で得たものをさらにレベルアップさせたい。
【Bブロック】大東文化大・明治大・日本体育大・筑波大がベスト16進出
駒澤大が最後の最後まで明治大を追い詰める
このブロックは大東文化大、日本体育大、筑波大が余裕を持って勝ち上がった。最後までもつれたのは、2部の駒澤大と明治大の一戦。
駒澤大の1Qは明治大に速攻を出されるシーンもあったが、ベンチメンバーがディフェンスから奮闘。2Qに入ると持ち味の得点力が光り、スリーポイントも好調で、最大8点のリードに成功した。明治大は#13平松(3年・PG)を起点に、#35越田(3年・SG)や# 10結城(4年・PF)で返すが、ミスもあって前半は42-36と追う展開。しかし3Qは#10結城への合わせが立て続けに決まって同点に追いつくと、最後は#60武藤(1年・SF・開志国際)のスリーポイントでひっくり返し、54-56。
2点リードで4Qへ入った明治大は、速攻やオフェンスリバウンドで流れを掴んでいく。駒澤大も#11斉藤(3年・SF)のシュートなどで粘るが、苦しい場面も目立つ。明治大は#7伊藤(3年・PF)のスリーポイント、#13平松のドライブ、さらには#10結城の連続得点で残り3分で8点のリードに成功した。駒澤大はここから#3田中(3年・PG)がスリーポイント、タフショットのジャンパーを連続で鎮めて残り2分で3点差。残り時間、明治大はターンオーバーを連続で犯して加点できず、駒澤大のチャンスが続く。しかし勝負のスリーポイントを打っていくが決まらず、68-71。明治大が辛くも逃げ切った。
「逆転されたときにもう少し点差を抑えられていたら」と駒澤大の#3田中は悔しがった。ディフェンスが崩れて、明治大の#13平松に再三アシストを出されてしまったのも痛かった。しかしそれでも粘り強さを見せた。2部リーグでの戦いにも期待だ。