常時派手なプレーをするタイプではないが、コートにいると安心できる、そんな選手だ。昨年もチームに怪我が続く中、安定して出場し続け、要所で働いた。新人戦に続き、4年生となってキャプテンを務める。今年は主力の4年生は野口と2人。少ない分、責任感も強く感じている。ロスターに入る下級生は昨年から試合経験も積んでいるが、それでも大学バスケにおける最上級生の存在は、チームを左右する。準々決勝の早稲田大戦は、ミスもありつつ、最低限の働きは見せた。残り試合でも頼もしい姿を見せて欲しい。
─早稲田大との一戦、1Qは22-11で非常に良かったですが、その後に反省が多いような展開になってしまいました。
「今、試合に出ている留学生がチーム状況として1人になっています。そのため、日本人メンバーで出る時間帯は絶対来るっていう話をしていたんですけど、そのメンバーでディフェンスリバウンドが取れなくて、相手のリバウンドからセカンドチャンスを与えてしまい、それが入りだして波に乗らせてしまったなというのがあります。それを含めてスタートの選手が最初点差を離したからといっても、じゃあ3Qも1Q同様に入りが良かったかというと全然良くなかったので。そういうのを含めて離せる時に離さないと、勢いのあるチームは追いついてきます。そこが一番の課題でした」
─相手は小柄でスピードのあるチーム。対応は難しかったでしょうか。
「とりあえず中を締めようという話はみんなでしていたんですけど、相手がスモールラインナップにしたときに、デイビッド(#12コンゴロー)がアウトサイドの選手につかないといけません。昨日の江戸川大戦ではその形でもつく相手は留学生だったので意識的にはまだ良かったんですけど、相手がサイズダウンした時に、ディフェンスのマークマンに対応するのがちょっと大変でした」
─苦しみつつの勝利でしたが、オフェンスでは勝負所でコンゴロー選手に入れようとしたところで、2度ターンオーバーを犯したのが痛かったですね。
「デイビッドで行こうというオフェンスのオプションがあったんですけど、そこにボールが入らない時に、無理矢理にでも入れようとしてしまって、ターンオーバーを2つしてしまいました。自分がボールを持っていたので、自分がドライブで切っていってやればよかったなというのが反省点ですね」
─ただ、4Q最後の早稲田大のスローインからのドライブは、陳岡選手が止めて延長戦にしたのは素晴らしかったです。
「前半と後半、トータルで見た時に個人の感覚ではチームにいろいろ迷惑をかけてしまったので、あのブロックで少しは貢献できたんじゃないかなと思います」
─今年キャプテンを務めますが、どのような思いでやっていますか。
「自分が入学してから3人のキャプテンにお世話になっています。みんなそれぞれ違う色を持ったキャプテンだったので、そのいいところを吸収して、また自分が卒業して後輩たちがキャプテンになったときに、あんなキャプテンになりたいなという理想像で、自分の名前が上がるような、背中でも声でも引っ張っていけるキャプテンになりたいなと思ってそこを目指しています」
今年は4年生が少ない分、自分と野口(#6)は自分たちが崩れたらチームが崩れてしまうという話をしているので、自分たち2人は4年生として、チームの最高学年として、崩れないようにという意識を2人で持ってやっています」
─昨年は4年が多かったですが、今年は少ない年ですね。
「4年生が多い年は崩れることが少なくて強かったんですが、4年が少なくても勝てるんだぞということを見せたいですね。印象的なのは2年前のインカレで、筑波に負けた時のことです。あれは相手の4年生にやられて、4年生の意地というのを見せられました。だから自分たちの代になったときはあんな風に背中で引っ張っていける4年生になろうと、同期で話し合っています。本当にそれを目指して1年やっていきたいと思います。次の2試合、まずは頑張ります」