新シーズン最初の関東学連の公式戦、第72回関東大学バスケットボール選手権大会は、いよいよ1部シード校が登場する段階となった。5月7日(日)の最終日まで、強豪校が関東の王者を目指し、熱い戦いを展開する。
2日はC・Dブロックでベスト16を決める対戦が行われた。
【Cブロック】日本大・江戸川大・早稲田大・山梨学院大が勝ち上がり
昨年3位の日本大、早稲田大、また昨年躍進を遂げた山梨学院大が危なげなく勝利した。江戸川大と国士舘大の一戦は、激しい応酬の中で江戸川大がディフェンスの強さを発揮して追いすがる国士舘大を振り切った。
江戸川大は1Qから強度の高いディフェンスで国士舘大のオフェンスを封じると、自らは1Qから気持ちよくスリーポイントが決まってリード。国士舘大はシュートを打てているが、インサイドでは守られ、得点が難しい。前半はなかなか江戸川大のディフェンスが割れず、35-25と点が伸びなかった。3Qになると#9大滝(3年・SG)のスリーポイントに#7樋口(4年・PG)の速攻やドライブが決まり一時は逆転。しかし江戸川大も#10坂本(4年・PG)のプッシュで攻撃を切らさずリードを奪い返す。4Qもそのままの流れで江戸川大が得点を重ねて67-49。国士舘大は強みのシュートを出させてもらえずロースコアとなった。
【Dブロック】白鷗大・明星大・神奈川大・関東学院大が勝利
Dブロックはアップセットがあった。昨年準優勝校の白鷗大はやや鈍い出足ながら立教大を下し、明星大も西武文理大を大差で下した。競り合いがあったのは、拓殖大-関東学院大と、東洋大-神奈川大の戦い。このうち、関東学院大が逆転で拓殖大を下す金星を挙げた。
最後のワンプレーが決まらず拓殖大は関東学院大に敗れる
拓殖大と関東学院大の戦いは、前半からロースコア。大きく差がつかないまま、ゲーム終盤までもつれた。前半は拓殖大がリードしたものの、関東学院大も僅差でついていく。拓殖大は2Q終盤から得点が伸びず、3Qに9点と失速。逆に一定のリズムで得点を重ねた関東学院大は3Q終盤に逆転に成功し、43-42で4Qに入ると、一時は10点ものリードを奪う流れとなった。このリズムを持ってきたのは、後半に入って続いた#21野内(3年・SG)のスリーポイント。さらに4Qの勝負どころでは#30モーヌチソン(2年・C)のバスケット・カウントもチームを盛り上げてリードを維持していった。残り数分からは拓殖大が追い上げ、残り13.4秒で59-61の2点差に詰め寄る。最後のポゼッションは関東学院大だったが、スローインでオフェンスファウルを吹かれてしまい、攻守が交代。最後のオフェンスを拓殖大が仕掛けたが、シュートは決まらずタイムアップ。関東学院大が逃げ切って59-61。嬉しい白星を挙げた。
神奈川大は後半のディフェンスで東洋大を封じる
神奈川大と東洋大の対戦は、前半東洋大がリードした。立ち上がりは東洋大が立て続けにファウル。しかし神奈川大もシュートを決められず、互いに抜け出せない。東洋大は持ち味のゾーンが効き、またインサイドでは新加入の#25ヌンビ(1年・C・福岡第一)の高さでリバウンドにも絡む。さらに外のシュートが入ったこともあって18-15とすると、2Qもリードを維持。#25ヌンビのインサイド、#30霜越(1年・SG・藤枝明誠)のスリーポイントが決まると10点のリードに成功した。神奈川大はオフェンスでミスが続くが、#24中島(3年・SG)のスリーポイントのバスケットカウント、#3山本愛哉(2年・PG)のスリーポイントなどでつないだ。しかし前半は34-28。東洋大が6点のリード。
3Qに流れを掴んだのは神奈川大。ディフェンスの強度が高まると、東洋大が度々ターンオーバーを犯し、またシュートもタフショットとなり得点がストップ。ディフェンスで粘りたいところもファウル続きで相手にフリースローを献上してしまうと、このQ4-22と大きく差がついてしまった。38-50で入った4Q、東洋大のシュートがようやく入ってくるが、神奈川大も#24中島、#5保坂(3年・PG)のスリーが続き、互いに入れ合いになる。最大15点差になるところ、東洋大がディフェンスから仕掛けるが、神奈川大も落ち着いて対処し、60-73で初戦を突破した。
「昨年からのチームのレベルアップを感じていて、手応えはあった」という東洋大#5佐藤(3年・PG)。しかし3Qで相手の圧力に屈した。「いい勝負はできるが、勝ちきれないのがチームの課題」と、課題は具体的に感じている。東洋大はここしばらく2部上位争いに絡んできたが、1部昇格が悲願。1部チーム相手にできる部分は見せた。あとは秋のリーグ戦で壁越えに挑む。