関東大学トーナメントは国立競技場代々木第二体育館に場所を移し、ベスト4を決める熱い戦いが続いた。
3試合が競る展開となり、1〜3シードの専修大、日本体育大、日本大と、筑波大を倒して波に乗る日本体育大がベスト4。準決勝へと進んだ。
2Qに白鷗大が関東学院大を一気に引き離す
拓殖大、神奈川大を倒して勝ち上がった関東学院大は、白鷗大に挑戦した。
互いに様子見のような立ち上がりから、関東学院大は#21野内(3年・SG)、#6髙野澤(3年・SF)のスリーポイント、#30モーヌチソン(2年・C)のインサイドで加点。白鷗大は#45シソコ(4年・C)が2ファウルになってしまうが、ベンチメンバーでしのいで1Qは21-21。2Qは#24森下(4年・PG)の内外のシュートがよく決まり、白鷗大がリードを広げると、ベンチメンバーも積極的に使い、ディフェンスで関東学院大のオフェンスを抑えて引き離していく。前半は30-46の差をつけた。
後半は立ち上がりに圧力の高いディフェンスから、連続の速攻を出した白鷗大。20点の差をつけると、その後はベンチメンバーらをまんべんなく使いつつ試合を進行。関東学院大は#30モーヌチソンを起点にオフェンスをしかけるが、簡単にはディフェンス突破はならない。白鷗大は4Qもそのままリードを保って64-80。
白鷗大はここまで2部チームとの戦いが続いた。次の日本大戦が正念場となる。
早稲田大のスモールラインナップが躍動、日本大は粘りを発揮して延長戦を制す
日本大は1Qに早稲田大を22-11と引き離した。スリーポイントやディフェンスからの速い展開等で、セカンドチャンスもものにしていく。しかし2Qになると早稲田大が反撃。#4城戸(1年・G福岡第一)の2本のスリーポイントが決まり、#5堀(2年・GF)がアタック。日本大は#12コンゴロー(3年・C)が3ファウルでベンチへ下がるとリバウンドが取れず、オフェンスも決めきれない。早稲田大は#5堀(2年・GF)のシュートで逆転。28-31で前半を終えた。
3Q、早稲田大は#18岩屋(2年・PG)のジャンパー、スティールに#13星川(4年・PF)がスリーポイントを含む3連続得点で一気に差を開く。日本大は引き続きオフェンスがうまくいかず、テクニカルを吹かれてしまう場面も。しかし一方の早稲田大も10点近くリードを得ながら、#77石坂(3年・C)が4ファウルのファウルトラブル。日本大は苦しいながらもこのQ、#81宮城(3年・PF)、#6野口(4年・SF)のスリーポイントが決まり、#12コンゴローがインサイドで加点できるようになって51-54と追い上げた。4Qもインサイドで次々に得点し、開始3分、#51一戸(3年・PG)のスリーポイントでようやく同点に追いつき、早い展開で逆転。早稲田大はファウルが続き苦しい時間帯もある中、#4城戸の同点弾となるスリーポイントで、勝負は振り出しに。残り10秒を切り、日本大はスローイン前のファウルを吹かれてあわやの場面、#8陳岡(4年・SG)が早稲田大最後の攻撃を防いで勝負は延長戦へ。
最後の5分、早稲田大は#13星川、日本大は#12コンゴローでの入れ合いになるが、日本大に流れがあり、86-83。早稲田大が最後までスリーポイントで粘るが、振り切って勝利となった。
大東文化大の猛追は及ばず、日本体育大が逃げ切る
立ち上がりは一気に9-0と、最高の立ち上がりを見せた大東文化大に対し、日本体育大は#23ムトンボ(3年・C)が外のシュートを決め、1Qは19-19と互角。2Qは日本体育大#4小澤(1年・中部第一)が速攻、アウトサイドシュートと5連続得点で12点を稼ぎ、対する大東文化大は#4菊地(4年・SG)のスリーポイントをはじめ、#39アブドゥレイ(2年・C)2本目のダンクも決まる。日本体育大は残り1分で交代した#9大森(3年・SG)、#10早田(2年・PF)が仕事をして、ドライブ、スリーポイントを決めると33-38とリードして前半終了。
3Q、日本体育大は#1コネ(1年・C・帝京長岡)、#23ムトンボのインサイドで着実に加点するが、大東文化大はうまく攻められない時間帯が続く。46-55と引き離されて4Qに入ったが、開始2分でさらに15点もの差がついてしまった。大東文化大は#39アブドゥレイが4ファウルになったあと、スモールラインナップにチェンジ。残り6分でプレスからの追い上げを開始した。#3塚本(2年・SG)のスリーポイントが2本決まると残り1分、69-73の4点差まで追い上げた。しかしその先は日本体育大が獲得したフリースローを決め、71-76。日本体育大が準決勝進出を決めた。
専修大が前半19点のロースコアから東海大に逆転勝利
ディフェンディング・チャンピオン専修大は、東海大に対して後半に逆転勝利を収めた。前半は東海大のディフェンスが良く、1Qは12-12と同点ながら、2Qに入ると東海大が#2轟(1年・PG・福岡第一)、#25江原(4年・F)のスリーポイント、また速攻も出して引き離す。専修大はインサイドの強みを発揮できず19-28で折り返す。
3Q、追う専修大は#3當山(3年・PG)のスリーポイントが続けて入り、#13クベマ(4年・C)のところでもリバウンドが取れてくると点差が縮まった。逆に東海大がこのQ8点に終わり、34-36で4Qへ入る。僅差の勝負となった最終Q、専修大は残り4分、#12市場(3年・SG)のスリーポイントが決まり逆転。東海大も#4江原のシュートですぐ追いつくが、インサイドのファウルトラブルが厳しくなってくる。専修大はそのチャンスを活かし、#16淺野(3年・PF)、#13クベマで得点。東海大はフリースローを得ていくが確率が悪い。残り20秒を切り、専修大は#15佐藤(3年・PF)がディフェンスで頭を打ち退場。代わりにフリースローを放った#16淺野が1本決め、3点をリード。専修大は残り時間で次々にフリースローを得ると確実に決めて49-45。勝利を決めた専修大が歓喜の渦に包まれた。
専修大は昨年の4年生の2人のガードが抜け、今季はポイントガードが1人。それによりオフェンスも変わってきている。スタメンを務める#3當山(3年・PG)は「4年生もいる中で自分が出ている責任の重さは感じる」としつつ、3Qに3本のスリーポイントで追い上げに貢献した。試合の入りは「打ってみたらたまたま入った」というが、前半の緊張感がほぐれたのが大きいようだ。東海大とは4月上旬に東海大のエキシビジョンマッチで対戦し、そのときは大差で破れている。そのリベンジを掲げて挑んだ試合に勝利したあとは、チーム全体でも喜びが爆発したが、當山も「泣いた」ほど嬉しかったという。次、またその次も喜びの涙を流せるかどうか、頂点まであと2つだ。