専修大も今年、4年生が多いチームの一つだ。#23キングを筆頭に、#1山本、#28野崎、#46寺澤、#95齋藤と、すべて下級生のときからプレータイムを得て、彼ららしいプレーを見せてきた。そして迎えた4年目、今年はまさに集大成の年だ。主将を務めるキングの意識は高い。
2年連続インカレの決勝に進み、昨年は準決勝で惜しくも敗退した。しかし今の専修大は常に優勝を狙えるチームとして上位に位置し、頂は後少し手を伸ばせば届くところにある。
「去年はあと一歩で負けてしまい、そこは自分の責任でもあると思っています。そして今年はキャプテンとして、チームを勝たせないといけない存在になりました。練習試合も含め、勝ちにこだわるバスケをする。それが今年目指すところです」
オフシーズンにはBリーグの特別指定選手としてプロの洗礼を浴びたキング。ずっと試合でプレータイムを得てきた彼にとって、ベンチにいるということは過去の経験にはなかった新しい壁だった。「でもそれを乗り越えることで、選手としても人としても大きくなれたと思う」と得られた収穫を強調する。
新たな経験をしたのはキングだけではない。同じく4年の#46寺澤もU22の代表に呼ばれ、この春は高いレベルでのバスケットを経験した。そして互いが大学の枠の外で経験したことをチームに伝え、底上げができるような練習をしてきたのが、今シーズンのここまでだ。目指すところに到達するには「まだまだ」という現在地から、やっていることを信じ、歩いていくことで「本当にいいチームになれると思っている」と、未来につなげていこうとしている。
チームとしては重冨兄弟や西野というポイントゲッターは抜けたが、ルーキーたちは大きくて走れる選手が加入し、またU19に選出された#44ジャバや、#13スティーブら2年の飛躍で、チームの底上げも期待できる。もう一つ嬉しいのは、今大会、ガードの#10喜志永が復帰してきたことだ。「喜志永は試合中コミュニケーションを取り続けてくれるので頼もしい」と期待を寄せる。#14鈴木とともに、バックアップとしてベンチにいてくれることは大きな安心材料だ。
4年として見せたいものは、と問うと「チームは4年が作るもの」というところだという。チームに何かを伝え、また勝ちにこだわるために欠かせない、ここぞのポイントゲッターとなるのは、自分を含む4年生たち。いずれもその力を持っている。その上で、もう一つ上の責任を背負う覚悟が、キングにはある。
「野崎や寺澤、4年生だけでもいろんなオプションがある。そして最後にここ1本が欲しいというとき、キャプテンとして自分がステップアップしたパフォーマンスを見せないといけないと思っています。自分は1年のときから試合に出させてもらっています。監督にも最後に恩返ししたいし、そのためには優勝しかありません。全力で駆け上がって、てっぺんを取りたいと思います」
覚悟を秘めたキングのプレーに期待したい。