【2021トーナメント】「スタメンとしての責任を果たしたい」新・司令塔の新たな挑戦#3米須玲音(日本大・1年・PG・東山)

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米須のパスが日本大の選手たちを躍動させた。前へ前へと送りだされるボールは、元々走りを得意とする#22飯尾、#6野口らの走りをさらに加速させ、チーム全体の動きが早くなり、またディフェンスにもアグレッシブな流れができた。

「自分がパスは得意というのをチームでもわかってくれているので、そこでしっかり走ってくれています。そのおかげで自分のパスが生きているので感謝しています。入学以来3ヶ月間やってきて、最初の1、2ヶ月はみんなとプレーが合わずに苦労しましたが、ようやく慣れて流れを出せるようになってきました」

インサイドでも同様だ。

「ずっとジャンピ(日本体育大に入ったムトンボ・ジャン・ピエール)とやってきたので、コンゴロー(#12)とも最初は合わずに苦心しました。でも自分がこういうふうにして欲しいと話して、それを彼もやって合わせてくれています」

プレーを展開するにあたって、コミュニケーションはやはり重視しているという。ルーキーだがコート上でのハドルにも積極的に参加し、仲間が倒れれば走って助け起こしに行く。激しく倒されるとその選手のメンタルはマイナスに働く。それを少しでも防ぐためにも駆け寄り、コミュニケーションすることが大切なのだと感じているという。プレッシャーはあるだろうが、非常に頼もしい。

「1年でスタメンなので責任感を感じます。しかも司令塔なので、チームをまとめないといけないし、自分から遠慮せずに発信していきたいと思っています」

日本大はここ数年、松脇圭志(B1三遠)や杉本天昇(B1群馬)、インサイドにはシェイク・ケイタをはじめ優れたスコアラーを抱えながら、新号健が卒業したあとは不動といえるようなポイントガードを確定できずに過ごしてきた。そしてここに米須が現れた。米須は惜しくも先輩たちとは交わることができなかったが、昨季の高校ナンバーワンともいわれたガードの加入でチームは新たな姿を獲得しそうだ。

「大学選びはいろんな選択肢があり、迷いました。東山高校の大澤監督とも話し合い、また自分に合ったプレースタイルのチーム、また留学生がいるところがいいと思って考えました。いろいろ見た中で、日大のスタイルはいいなと思ったし、攻められる選手が多いし、ここに自分がポイントガードとして入って役目を果たしたいと思ったんです」

白鴎大との準々決勝では、そのポイントガードとしての持ち味を結果につなげた。本人的には「点差が離れると受け身になる」と修正点も出たが、ディフェンス巧者の白鴎大に対して仲間の攻撃力を引き出すような働きは見せられたといえる。1部チームとの試合は「ディフェンスのプレッシャーも強く、簡単にやらせてもらえない。サイズも大きいし、自分のところで攻められないようにしていかないといけない」と、大学界における今後の課題もあがる。

準決勝の相手は日本体育大。高校時代の盟友・ジャン・ピエールとの対戦は「非常に厄介」というが、「意識しすぎるとアタックできない。駆け引きして逃げずに、受け身にならないようにやりたい」と意気込む。

今はまだ大学バスケットのスタート地点ではあるが、その先への楽しみも膨らませながら米須のプレーに注目したい。

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