「チームで最低限ベスト4に入ろうといっていて、きつい練習をして、やることをしっかりできて、その結果がついてきました」
日本大のベスト4入りは2010年、篠山竜青(B1川崎)が主将だったとき以来だ。この結果に並んだことを主将の若林は素直に喜んだ。
スタメンを見ると昨年から5人ともが入れ替わり、今年はまさに新生・日本大というイメージを抱く。そしてプレーの雰囲気もかなり違う。白鴎大戦ではエースに託すのではなく、全員が守り、走り、攻撃して流れを掴んだ。
「昨年までは松脇さん(B1三遠)、杉本さん(B1群馬)といったスーパースターといわれる、チームの核がいっぱいいました。『今年はあまりそういうプレイヤーがいないので、チームでディフェンスを頑張って、速攻を出すというプレースタイルを遂行していかないといけない』と監督の城間さんからも言われ、それを練習から体現しています」
そんなスタイルを叶えているのが、練習中から意識しているというコミュニケーションだ。「得点源となる選手はいないけど、そこをチーム力でカバーする。今年は皆で頑張らないと勝てないチーム」であるといい、それを形にするにはやはりコミュニケーションだ。
「僕自身はキャリアとして実績といえるようなものはないんですが、その中でもキャプテンとして言うべきことはしっかり言ってきたつもりです。それはバスケットの面だけではありません。自分たちは寮生活なので、私生活の面から整えていこうという、改革のようなことをした結果です」
主将として何がチームに必要なのか、決定的に学んだのは昨年インカレが大きいかもしれない。もう何年も負けておらず、得意としていた早稲田大に敗退し、ベスト16で終わってしまったのだ。昨年のキャプテン、上澤(B1富山)が試合後「何も言えない」という状況になるのを見て、すべてを変えていかないと勝つチームにはなれないと確信し、今年の改革につなげてきた。
そこに期待の新入生が入り、さらに新しい風を吹かせてくれているのが、今の日本大というところだろう。
「自分たちがやってきたことは走りやディフェンスなので、そこを負けないようにプライドを持って戦っていきたいと思います」
上昇気流に乗り大きく舞い上がれるかどうか、この先続く戦い、そして今シーズンの一つの大きな楽しみとなりそうだ。