負けられない「大事な一戦」緊張もある中でベスト16の壁を突破
ダブルオーバータイムになったベスト８を決める江戸川大戦、43分の出場となった＃１福田は18点16リバウンド５アシスト。守っては相手のキーマン＃40アデツツ（１年・F・和歌山南陵）に対峙し、またオフェンスでは得点、そしてスタメンガードが退場したあとはボール運びも担う、多彩な働きを見せた。4Q最後のパスミスで延長に突入してしまったが、攻守にわたって見逃せないプレーも多かった。
筑波大は負ければトーナメントに続きベスト16。公式戦では昨年のインカレもそこで途切れただけに、負けられない試合だった。もちろんそれを意識していただけに、この江戸川大戦に対する勝利には喜びも大きい。
「勝ててめちゃくちゃ嬉しいです。ここで負けたら最終日まで残れないし全国（新人インカレ・７月開催）も行けないし、新人チームも終わってしまう。だから結構緊張したんです。本当に大事な一戦なので、勝ち切れてよかったです。相手の留学生をファウルトラブルにさせたらチャンスもあるかなと思って、オフェンスも積極的にいきました。先生たちからも攻めろと言われていたので、そこでうまく点を取れたのが良かったかなと思います」
課題は、安易にやられてしまった部分。4Q最後の自分のパスミスも「あれがなければもっと楽に勝てていたのに」と反省する。次戦以降は修正したい部分だ。
「相手に簡単なシュートを決められたので、そこはコミュニケーションを取ってディフェンスをやらなきゃいけないなと思います。うちは全体的に身長が低いので、まずはディフェンスのプレッシャーをかけてそこからブレイクを出すというのをやっています。シューターも結構いるので、中と外でうまくバランスよく攻められるようになっていくのが理想ですね。留学生はいないチーム相手でも、リバウンドがすごく大事になってくると思うので、セカンドチャンスを与えないようにしっかりと守りたいなと思っています」
ガードからインサイドまで、広いプレー幅は欠かせないチームの軸
最近はディフェンスでの貢献が目立つが、この試合はオフェンスでも積極性を見せ、またガードの＃３黄（２年・PG）がファウルアウトとなったあとは、ボール運びも担った。１〜５番までどこにでも対応できるオールラウンドなプレーは持ち味だ。
「周りが点を取れている時間帯は、自分がそんなに攻めなくてもいいなと思っているんです。練習では自分が２・３番をやる時と４・５番をやる時があって、江戸川大戦はどちらでプレーするか分からなかったんですが、今日は相手の留学生（＃40アデツツ）のマークにつくことになりました。簡単にやらせないようにとは思っていて、ある程度できていたと思います」
相手にも点は取られたが、ブロックする上手さも見せた。こうしたディフェンス面が鍛えられたのは、中部大第一高校時代のおかげだという。
「ディフェンスは元々すごく苦手でした。高校でぜんぜん守れなくて、ディフェンスはずっと言われてきた部分です。でも高校３年の時に２番でプレーすることになったんです。高校生だと２番の選手って結構小さいので、それでも守れるようにとすごく練習しました。それである程度守れるようになって、今はディフェンスも得意という感じです。自分のように身長が190cmあってオフェンスが上手い人はいっぱいいるけど、ディフェンスがうまい人っていうのはあまりいないと思うんです。そこで自分が目立てたら価値が高い選手になれるかなと思ってやっていたので、そうやってきた成果が今出ているんだと思います」
また、＃３黄がファウルアウトしてからはガードも担った。
「ガードの准平（＃13岩下）が今は怪我でいません。練習試合でガードをやることがあって、そこでまあまあできたので、今もたまにやっています。今日は周りを生かすことを考えながら、自分でもしっかり攻められていたのが良かったと思います」
昨年のルーキーイヤーはスリーポイントやドライブといった面が目立ったが、それだけではない多彩さを見せている２年目。筑波大でプレーすることは、レベルの高い選手に囲まれた環境ということもあり、この１年間で「すべてがレベルアップしている」という感覚を持てている。
「先輩たちも上手い人たちばかりです。そこでどんどんいいところを盗んでやっているので、良くなっていると思います。ディフェンス、オフェンス、ドライブ、ハンドリング、状況判断など、あらゆることがこの１年で良くなったと思いますし、これからも成長できると思います」
成長を自覚する２年目、この新人戦を通じさらに多くの経験を重ね、さらなる成長を期待したい１人だ。
