新人戦はベスト8決めが白熱した。
ここに勝ち残れば順位決定戦を含め最終日まで大会に残ることができる。それだけに熱の入った戦いが続き、日本体育大、早稲田大、中央大、筑波大、大東文化大、東海大、専修大、日本大が勝ち上がった。
【Aブロック】連覇を目指す日本体育大と、点の取り合いを制した早稲田大が勝利
日本体育大は上武大に105-71。日本体育大は3Qに35得点で一気に上武大を引き離した。エースガードの#21月岡(2年・PG)が今大会はここまで欠場しているが、昨年優勝メンバーや#1コネ(1年・C・帝京長岡)を中心に連覇を狙う。
早稲田大は駒澤大とトランジションから点を取り合う展開となり、前半は一進一退。後半に抜け出すと最後は駒澤大がついてこられず72-97。出足は駒澤大にリードされる展開から盛り返した。高さながいためインサイドでは課題があるが、得点力でベスト4入りを目指す。
【Bブロック】中央大が白鴎大を下し嬉しい勝利、筑波大は再延長の大接戦
今大会注目の激戦ブロックは、2試合とも大接戦となった。
初戦からアグレッシブなプレーが目立っていた中央大は、1Qで19-27とする好調な入り。その後何度も迫られたがしのいで72-82。白鷗大は今大会#25モンガ(2年・PF)の欠場が痛かった。
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【Cブロック】大東文化大は余裕を持って、東海大は青山学院大を4Qで引き離す
青山学院大と東海大は前半から競り合いになった。両者1Qからなかなか得点が入らないロースコア展開。スリーポイントやインサイドで粘った東海大がややリードするところから、2Qになると青山学院大が逆転。競り合う展開から東海大がファウルを獲得して得点を積み上げ、33-34と1点逆転で前半終了。3Q、東海大がインサイドでの得点、リバウンドも出て48-57と引き離す。4Qになるとディフェンスの良さが出て63-81。引き離しに成功した。
大東文化大は神奈川大と対戦。神奈川大はディフェンスから得点を重ねてリードする入りになるが、大東文化大が追いついて逆転すると、前半で引き離した。最終Qは5点と失速するが、3Qまで安定して得点が続き73-59。
【Dブロック】専修大は余裕を見せ、日本大は明治大に逆転勝利
日本大と明治大は1Qから接戦になった。立ち上がりはシュート確率が上がらず明治大がやや優勢となるが、前半の終盤に日本大が逆転。明治大は3Qに積極的なアタックで再びリードを奪うが、日本大は内外の得点で4Qにリードを奪い返す。明治大は終盤#12針間(2年・SG)のスリーポイントで3点差まで迫るが、最後は61-68で日本大勝利。
専修大は関東学院大に54-77。1Qからリードして、選手をまんべんなく使いながらの戦いになった。関東学院大は#30モーヌチソン(2年・C)のところで思うように攻めることができず、得点が伸びきらなかった。
【PICK UP】攻撃的に仕掛ける江戸川大を2度の延長の末に筑波大が退ける
この日、最も白熱したのが江戸川大と筑波大の一選。1Qから互いの攻撃の応酬となり、ハイスコアな入りとなった。江戸川大はシュート、速攻などがよく決まり、筑波大はスリーポイントが当たって1Qは27-25と江戸川大がややリード。2Q、江戸川大#40アデツツ(1年・F・和歌山南陵)が下がると筑波大が盛り返すが、ミスも続いてしまう。江戸川大はスリーポイントが続いて5点までリードを広げるが、最後は筑波大#3黄(2年・PG)のシュート、オフェンスリバウンドで45-46と逆転して前半終了。
3Qも一進一退、62-58の江戸川大リードで4Qに入るが、筑波大は開始3分半で逆転。しかしバスケットカウントやスリーポイントなど、シュートが落ちない江戸川大が再び取り返し、最後までわからない状況に。残り18.1秒、江戸川大は#5梶谷(1年・G・広島皆実)のスリーポイントで2点のリードとなるが、最後は筑波大#1福田(2年・SF)がドライブを決め、81-81で試合は延長へ。
延長の開始序盤、筑波大は#3黄がファウルアウトとなってしまうが、#41大澤(2年・SG)のスリーポイント、#6副島(1年・C・福大大濠)、#14坂本(1年・SG・中部第一)のシュートで5点のリードに成功。しかし江戸川大も途切れず、最後は#5梶谷がスティールで88-88とし、再延長へ。
再延長、江戸川大はこの日好調の#11髙木がシュート、ドライブと決め、#40アデツツで逆転するが、その#40アデツツが痛恨のファウルアウト。控えの少ない筑波大も長時間の出場で選手の体力が限界にきつつある中、フリースローの獲得が続いてリードに成功。これで流れを掴んだ筑波大が優位となり、江戸川大は最後まで仕掛けるがシュートは決まらず94-99。筑波大が激闘を制した。
筑波大は怪我で#16岩下(2年・PG)、#13星川(1年・F・洛南)を欠く大会となっている。しかしシックスマンまでの6人が2桁得点とチーム全体で奮闘した。ガード・インサイドどちらからでも得点可能な江戸川大に対して守りで穴ができ、簡単に外を打たれてしまう場面も目立ったが、攻守の要となっている#1福田が存在感を示した。
江戸川大は体を張ったディフェンスと積極的な攻撃で筑波大に襲いかかった。ガードの#5梶谷は15点、#11髙木が24点。ためらいなくシュートを打って勝負強く決め、筑波大を翻弄した。また、#40アデツツは27得点9リバウンド。機動力の高いフォワードタイプの留学生は大学界でも数が少なく、筑波大も簡単には守れないシーンが見られた。鋭いダンクを見せたほか、ダブルチームに来られてもシュートを決められる器用さを持っており、ポテンシャルの高さを発揮。
江戸川大は破れはしたがこの先が楽しみなチームとして強く印象に残った。
「『江戸川は違う』というのを見せたかっただけに、勝ちたかった」◆粂川岳勤監督(江戸川大学)
「今期の1年生は力があるのですが、それをうまく発揮させてあげることができませんでした。筑波さんは主力が2人いない状況とはいえ、やはりそこで勝っておかないといけなかったゲームかなとは思います。でも最後は気持ちだったかなと。ただ、同じ1部で秋は戦うので、ここで『江戸川は違うよ』というのを見せたかったですね。ただ、こういうダブルオーバータイムはなかなか経験できることじゃないので、下級生にとってはリーグにつながる試合になったと思います。
トーナメントや新人戦をやってみて、ほかの1部大学は優勝を狙っていると思うんですが、その上でリーグ戦を見据えた戦い方だなという空気感が伝わってきました。自分たちは初めての1部なので、まだまだわからないこともあります。でも春の2大会の経験から、引き出しを増やしていかないといけないなと強く感じました。新人戦明けの練習では、想像以上にいろんなことを駆使して、自分もあらゆるものを使って研究してやらないといけないなと思っています」