関東大学新人戦は準決勝を迎えた。
勝ち上がったのは筑波大と大東文化大。コロナ禍で変則開催となった61回大会(2021年6月開催予定から延期の末、2022年3月に開催)で戦ったチームが、約1年3ヶ月ぶりに再び決勝の舞台で相まみえることになった。
【順位決定戦】東海大が2Qでリードを奪い、専修大を下して5位決定戦へ
5〜8位決定戦、東海大と専修大の試合は、重い立ち上がりで1Qは11-10。専修大は大黒柱の#8介川アンソニー(1年・PF・開志国際)が1Qで2ファウルを吹かれる出足となり、2Qは下げた状態でスタート。東海大はこの機に乗じ、#10ルーニー(1年・SG・正智深谷)がスリーポイントを含む3連続得点で一気に8点リード。専修大は開始1分半で#8介川アンソニーをコートに戻さざるを得ない状態に。しかし守られてオフェンスがうまく展開できず、前半はそのまま33-19と東海大が引き離した。
後半、東海大は#2轟(1年・PG・福岡第一)、#4中川(1年・PF・東海大諏訪)の外のシュートも決まり、3Qで20点程度の差がついた。メンバーを使い分けつつ試合を進めてリードを守る。専修大は終盤、フリースローを獲得していくとやや追い上げて53-41。しかし4Qではミスも出てしまい、流れがつかめない。そのまま東海大が得点を重ねて71-57で試合終了。東海大が5位、専修大が7位決定戦へと進んだ。
【順位決定戦】早稲田大が勝負強いスリーポイントで中央大との接戦を制す
中央大と早稲田大はともに能力の高いガード陣が揃うチーム。立ち上がりは内外から決まった中央大が一気に0-10と引き離した。早稲田大のタイムアウト後も中央大の流れは続き、1Qだけで#1久岡(2年・SG)や#77宮内(2年・PG)のスリーポイントが5本沈む好調ぶり。早稲田大は#7堀田(2年・SG)の連続スリーで持ち直すが、18-27と中央大リード。2Q、早稲田大は#7堀田のスリーが好調で、一気に追い上げる。中央大は#77宮内、#18川松(1年・SF・土浦日大)のスリーポイントで再びリードを広げるが、早稲田大は#7堀田のこのQ3本目のスリーも入り、開始4分半で同点に追いついた。#7堀田はもう1本スリーを沈めるが、リバウンドから速攻が出た中央大が42-46とリードして前半終了。
3Qも互いにスリーポイントを決め合い、60-62の中央大2点リード。4Qは#1久岡が抜群のボディバランスからのシュートがたびたび会場を沸かせ、早稲田大は#6三浦(1年・F・洛南)のスリーポイントなどで、ワンゴールを争う展開に。点差がつかない中、早稲田大は残り3分半、#7堀田8本目のスリーポイントが沈む。中央大は次のオフェンスで#1久岡のドライブがファウルになるミスがありつつ、#15坂口(1年・SF・北陸学院)、#22島﨑(2年・PF)のスリーポイントで粘る。残り25.9秒、2点をリードする早稲田大#18岩屋(2年・PG)が、倒れながら放ったシュートが決まり、4点のリード。中央大はタイムアウトをはさみ、#77宮内がレイアップを決めるが、ファウルゲームを狙ったディフェンスでアンスポーツマンライクファウルを吹かれ、万事休す。早稲田大が87-83で競り合いを制した。早稲田大は5位決定戦、中央大は7位決定戦へ。
【準決勝】大東文化大が強いディフェンスを軸に日本大に差をつけて決勝へ
1Q、日本大は今大会スリーポイントの好調な#33鈴木(1年・PF・浜松開誠館)の1本が決まるが、大東文化大も#5廣岡(2年・SG)のスリーポイントや#39アブドゥレイ(2年・C)のゴール下の強みが生きて、11点リードの21-10。2Qの立ち上がり、どちらもベンチメンバー主体とするが、日本大がここで攻守とも盛り返し、一桁差にして追い上げムードに。しかし大東文化大はディフェンスを締め、#20秋山(2年・SG)のスリーポイントもあって、再び点差を二桁に戻した。日本大は#20山田(1年・PG・白樺学園)、#7新井(2年・SF)がドライブをねじ込むが、ディフェンスに阻まれ簡単にはオフェンスができない。リバウンドも押さえられず、大東文化大に引き離された。大東文化大は#9田中(2年・PF)、#3塚本(2年・PG)を中心に次々にシュートが決まり、前半は46-25。
3Q、日本大はゾーンで守り、速攻やスリーポイントも出はじめる。しかし大東文化大も内外とも安定。さらに引き離して75-49で4Qに入った。日本大は最後まで積極的に攻めて10点程度まで差を縮めるが、88-71で大東文化大が勝利。関東新人戦決勝に2大会ぶり、2度目の決勝に駒を進めた。
【準決勝】#14坂本の逆転スリーで筑波大がトーナメントの借りを返し決勝へ
今シーズン既に3度目の対戦となる日本体育大と筑波大。対戦成績はここまで1勝1敗。どちらにとっても負けられない準決勝は、最後まで白熱した。
試合の立ち上がり、筑波大のターンオーバーから#41石川(2年・SG)の速攻や#4小澤(1年・PF・中部第一)のスリーポイントが続いた日本体育大が、思い切りの良さが出てらしさを発揮。筑波大はタフショットが多いが、#14坂本(1年・SG・中部第一)、#6副島(1年・C・福大大濠)のスリーポイントで持ちこたえ、1Qは日本体育大リードの20-14。
2Q、筑波大は#41大澤(2年・SG)の2本のスリーポイントで追い上げるが、#1コネ(1年・C・帝京長岡)のシュートも好調で、日本体育大がそのまま逃げるが、#1福田(2年・SF)が速攻を含む3連続得点で逆転に成功し、40-44と筑波大リードで前半を追えた。
3Q、立ち上がりにファウルが続く筑波大だが、#1福田、#14坂本のスリーポイントが決まり、#41大澤のオフェンスリバウンドも出て、開催3分半で9点のリードに。日本体育大はタイムアウトで仕切り直し、#35大江(1年・PG・北陸)のスティールや速攻が出ると、#1コネのフリースローですぐ同点に追いついた。しかし筑波大も残り2分から再び猛攻。日本大がそこから無得点に終わったのとは反対に、残り2分で11点を稼いで54-68で最終Qへ。
4Q、日本体育大はゾーン。そこからのターンオーバーで追い上げていく。筑波大は足が止まって来るが、#3黄(2年・PG)がうまくペイント内で得点。詰められつつもリードを守るが、攻撃が手詰まりで苦しい状態。日本体育大は#4小澤のスリーポイントや#1コネの速攻からのダンクなど、粘って残り5分はこの2人で得点を稼ぎ、残り40秒、#4小澤のスリーポイントで81-80と逆転。筑波大は残り17.5秒、#14坂本がトップからスリーを決め返し、81-83。日本体育大最後のオフェンスは形にならず筑波大が逃げ切った。
筑波大は#20黄が20点のチームハイ。難しいシュートを次々に決めた#14坂本が18点、#1福田15点と続いたが、ベンチメンバーもいいプレーを見せた。また、リバウンドで日本体育大を上回ったのが大きい。出場した全員がリバウンドを獲得し、8本の差をつけた。
決勝点を放った#14坂本は、その前に逆転シュートを決めた#4小澤に負けられない想いがあった。予定通りではなかったが、ボールが来たときにスペースがあったために迷わず打った。「練習では高い軌道で打った方が入っていた。もらった瞬間、空いていたので返してやろうと思っていた。きれいな弾道だったのでいけると思った」という強気が、勝利を決めた。
一方の日本体育大は#1コネが23点、#4小澤が25点とルーキー2人が得点を引っ張ったが、わずかに届かず。