準決勝の第2試合は昨年の決勝の再戦となる白鷗大(関東2位)と東海大(関東3位)が対戦。ディフェンスが持ち味のチームらしく、立ち上がりから激しい守りあいが続く白熱のゲームとなった。
そんな中で東海大は#18西田(4年・SG)が開始序盤から連続スリーポイントを沈め、白鷗大は#88佐藤(3年・PG)が対抗して決め返す。東海大はその後も#18西田、#16赤間(1年・SF・藤枝明誠)のスリーポイントが続き、開始から4連続。このQの5本のシュートのうち4本がスリーポイントとなった。白鷗大は立ち上がりからシュート精度を欠くが14-12で僅差の勝負とする。2Q、東海大は#23君座(3年・PF)のジャンパーで幕を開けると、#16赤間が走り、#77直井(2年・SG)がフリースローを得るなど、下級生が躍動して一時7点のリードに。白鷗大は開始2分でようやく#88佐藤が初得点を決め、#22内藤(2年・PG)のスリーポイントで同点に戻す。東海大は残り4分から得点が伸びず、#25モンガ(3年・PF)のバスケットカウントや#4佐伯(3年・SG)のフリースローが決まった白鷗大が26-30と逆転して前半終了。
3Q、点差が4のところからスタートするが、互いのディフェンスの応酬で東海大はなかなか差を縮められない。白鷗大は開始3分にようやく#20根本のスリーポイントが決まり、8点のリードに成功。しかしここから#2轟(2年・PG)がスリーポイント、アシストで5点分を創出。白鷗大は再び#20根本(4年・SG)のスリーポイントで逃げるが、東海大は#3ハーパー(4年・PG)のドライブ、#7前野(4年・PF)のジャンパー、#18西田のスリーポイントと4年生が連続得点していくと、#77直井のスリーポイントが決まって残り2分半で45-45の同点に。両者ここからは加点できず勝負の4Qに入った。
最後の10分、きっかけをつかんだのは東海大だった。#2轟、#77直井、#16赤間と下級生の得点で拮抗した勝負に切れ目を入れ、白鷗大がスタメンを戻すも東海大の守りに阻まれ得点が伸びない。東海大は#18西田、#2轟がここから得点を引っ張りこのQだけで25-10と白鷗大を圧倒。70-55と4Qで引き離して決勝進出を決めた。
東海大・陸川監督は「シュートが入らなくなってディフェンス強度が下がったけれど前半は30点に抑えた。後半はシュートが入る・入らないにかかわらず、ディフェンス強度を下げないように」と意識させ、結果的にそれは功を奏して流れを持ってきた。決勝はヘッドコーチとして最後の試合になるが「自分が最後だというのは関係なく、選手たちがベストパフォーマンスをすること。そして一喜一憂せず、やることをきっちりやることを体現してくれたらうれしい」と選手に託す。
幕開けのスリーポイントで流れを作った#18西田は「1本目は本当思いきって打ち、立て続けに打ったらそれも決まって勢い乗れた」とこの日25得点の活躍。得点が止まった時間もディフェンスで粘れて、自分たちのペースでできた試合だったと振り返る。「セカンドチームも好調で、40分間誰が出ても自分たちがやってきたことをやり続けるチームができたなと思います」とチームとして仕上がっていることを自負する。リーグから立て直して本来の力を見せてきていることについては「3連敗のときは一人一人が本当違う方向を見ていました。それ以降、4年中心に試合中も練習中も時間が止まるためにすぐみんなを集めて声かけをしていたら、ヘッドダウンする時間帯も減って、それがやっぱ40分間粘り続けられた理由かなと思います」と、インカレまでに修正がチームでできてきた末の「リデューム」(取り返す、挽回するなどの意味)だという。決勝の相手、日本大は「公私ともにバランスがいいチーム。ちょっとでも自分たちが気持ち的に後ずさりしたらやられてしまう」。そうならないためにも我慢強くスタメンのみならずセカンドメンバーも全員で東海大のバスケットを体現していくと意気込む。
身体を張ったディフェンスを見せた#7前野は「4Qに自分たちのやりたいことを貫いた結果、点差があいて逃げ切ることにつながった。相手の強みのところにスリーを打たせないとか、オフェンスはみんな取れていたのでディフェンスとリバウンドにフォーカスした」とチーム一丸で取り組めたことを勝因にあげる。高さでは#25ムスタファが上だが、インサイドでの攻防では要の選手だ。「身体をはって練習も積み重ねてきたので、それを自信にして表現する」と決勝にこれまでの4年間をぶつける。
勢いある攻撃でリズムを作った#77直井は「課題だった体幹などトレーニングをしてきたからこそ、得意なドライブに行くとか、シュートを打つといったことができるようになってきたと思います」と、流れを持ってくるシュートを決められた要因を語る。しかしその基礎はやはりディフェンス。ディフェンスをあげられたからこそ、自分のオフェンスも良くなったと分析する。昨年もチームで頑張った結果、決勝で敗れた。だから今年こそ勝ちたい思いが強い。チームを強くする秘訣は、随時みんなで組む「ハドル」。単に集まることだけではなく、「直に身体に触れることでよりしっかり気持ちが伝わる」という。そうしたポイントも決勝は見どころだ。