準決勝の第1試合は第1シードの日本体育大を倒し、チーム初のベスト4へと名乗りをあげた名古屋学院大(東海1位)と日本大(関東4位)の戦い。
開始に持ち味を出したのは名古屋学院大。日本大のシュートを防いでからの#14永野(4年・PG)の速攻、#23三橋(3年・PG)、#21中山(4年・SG)のスリーポイントも決まる。日本大はシュートが固く出遅れるが、#10新沼(4年・PF)の速攻、#20山田(2年・PG)が連続のスティールを見せて点差を縮め、#5松村(4年・SF)のスリーポイントで追いつく。名古屋学院大は#6中嶋(3年・PF)のドライブが決まり18-16。
2Q、日本大は#3米須(4年・PG)、#5松村のスリーポイントで逆転。名古屋学院大は守られて徐々に点が伸び悩むが、#34高木(2年・SF)、#21中山のスリーポイントで逆転するとプレスを仕掛ける。しかし日本大はここから#3米須(4年・PG)のアシストが縦横無尽に決まり3連続アシストで得点を演出。6点のリードとなるが、名古屋学院大は#21中山、#14永野のスリーポイントで残り1分同点に追いつく。しかし日本大は#5松村がブザーとともにスリーポイントを沈めて37-41とリードで前半を折り返した。
3Q、立ち上がりに名古屋学院大は#23三橋のドライブや速攻で同点にする。しかし日本大はオフェンスのリズムも前半より軽く、#7新井(3年・SF)、#3米須の得点に、#11奥浜(3年・PF)のオフェンスリバウンドが続き、#3米須がアンスポーツマンライクファウル獲得でフリースローを決めると、45-54と10点ほどの差がついた。名古屋学院大も#6中嶋や#34高木の得点で返すが、日本大はこの日好調の#5松村が4本目のスリーポイントで相手を調子に乗らせず、#4井上(4年・SG)や#51一戸(4年・PG)のゴールでチームを沸かすと55-65で3Q終了。
4Q、開始早々またも名古屋学院大が#21中山、#34高木の得点で5点差に縮めるが、日本大も集中力を切らさず、#12コンゴロー(4年・C)がインサイドで得点を重ねると差が開いていった。日本大は1分を切って、ここまで出番のなかったベンチメンバーをコートに送り出すが、その期待に答えるよう最後は#30丸山(4年・SG)が見事なスリーポイントを沈めて試合を締めくくり67-86。日本大が東海王者の挑戦を退け、15年ぶりの決勝進出を決めた。
名古屋学院大の思い切りのいいスリーポイントはこの日も健在だったが、関東1部相手で3試合目となると、ディフェンスでもかなり守られる状態での試合になった。それでも早いタイミングで打ってくるシュートは高確率で、前半は日本大も対応に追われた。
日本大はディフェンスで相手のシューターを押さえ、攻撃でも#5松村が4本のスリーポイント決めたほか、焦らずに全員がまんべんなく仕事を果たしての決勝進出となった。
試合終了時では対戦相手は確定ではなかったが、主将の#4井上は「どちらも12とか11人ぐらいでローテーションを組んでくるので、それに対して自分たちがローテーション組んだときの変わり目、メンバーが変わった時の流れがかなり重要。メンバーが変わっていく中で、自分たちのバスケットの強度を40分が保てるか」をディフェンスの強い相手との決勝に向けてのポイントとして語った。
#3米須は「うちの強みは4年生。インカレで優勝するために積み重ねてきたので、相手がどうこうというより自分たちのバスケットをして悔いがないように」と最後の戦いにかける想いを語る。度重なる怪我で2度目にして最後のインカレ。「ここまで怪我もあったけれど、いろんな人がチームの15人に期待してくれていることを忘れずに、いろんな想いを乗せて戦っているつもりです。自分が怪我をしている間もいろんな方たちに声をいただいて、自分が落ち込んでいたらダメだなと。もう一度這い上がるためにこれまでやってきて、そういった結果が今につながっているかなと思います。それを最後の舞台で全部出しきって悔いがないように終わりたいです」と、4年間の苦難の果てにたどり着いた舞台に思いを馳せる。15年ぶりの決勝に対しては自分たちの代だけではなく、次の世代につなぐという意識もある。「15年ぶりということで、日大を復活させないといけないというのは自分の中にあるし、バスケットも強いんだと見せて終わり、日大という名前をみんなに知ってもらいたいです。そして日大にいろんな選手が入ってくるというような、後輩につなげられたらうれしいです」。
この日14得点、4/5のスリーポイントで見せた#5松村は「米須や一戸がディフェンスを引き付けてくれたから、自分のところがあいて気持ちよく打てました」とチームメイトあっての結果に喜んだ。リーグ戦ではスタメンに入っている試合も多かったが、インカレはベンチからのスタートになっている。その分、試合の流れを切らさないように意識しているという。「試合に出始めたのは去年のリーグ戦くらいから。それまでは大きい舞台でプレーしたことがなかったので、いかに米須やデイビッド(#12コンゴロー)に合わせて動けるかっていうのを1年の頃から考えてやってきたので、その結果が見せられて良かったです」。競争が激しい中、チーム内のトップ選手たちを目指して続けてきた努力が実ったともいえる形だ。決勝は簡単ではないとわかっているが「いい感じでやっぱ回ってきたら、その1本を確実に決められるように準備したい」と、常と変わらない意識で最後の試合に臨む。