上位シード校が順当にベスト8進出、名古屋学院大は2年ぶり
いよいよ第1〜4シードが登場したベスト8決め。日本大が日本経済大とシーソーゲームを繰り広げるなど緊迫した展開もあったが、1〜4シードは緒戦突破。その他大東文化大、専修大などが勝ち上がり、神奈川大は初のベスト8を決めた。そして関東が上位を占める大学界だが、近年奮闘の目立つ東海地区からは名古屋学院大が中央大を圧倒する試合で2022年以来の進出となった。
神奈川大はついに壁を突破しベスト8へ、中京大は大東文化大相手に後半失速
長年ベスト8の壁に阻まれてきた神奈川大は筑波大と対戦。#5保坂(4年・PG)が高い機動力で見せ、筑波大に対してリードを広げていく。筑波大も粘って10点以上離れたところから後半追いつくが。追撃はそこまで。前半は沈黙していた#3山本(3年・PG)の活躍で再び引き離されて81-69。
大東文化大と中京大は互いに激しいディフェンスで前半からやりあった。中京大は#36カミソコ(4年・C)がゴール下で奮闘。厳しいチェックを受けながらもシュートを決めていく。#13中野(4年・SG)や#12高村(4年・PG)のシュートも決まっていった。しかし後半になるとやや疲れが見えはじめ、4Qで一気に引き離されると59-75。大東文化大が勝利した。
4シードのうち日本大が日本経済大と最後まで競り合い辛勝
日本体育大・白鴎大・東海大のシード校はこの段階からの登場。初戦ではあったが余裕を持って相手を下し、ベスト8に進出した。
4シードの中で苦戦したのは日本大。九州1位の日本経済大と対戦し、序盤から接戦となった。インサイドは留学生同士の対決となったが日本大は#12コンゴロー(4年・C)も簡単にプレーできなかった。また、ガードが小気味よいスピード感で試合を引っ張り、思い切りよくシュートを打ってくる日本経済大の勢いに日本大は対処が遅れた。それでも前半は10点ほど引き離して終えるが、後半再び追いつかれて終盤はワンゴールを巡る戦いとなる。
日本経済大のシュートの確率が良いのとは反対に日本大は固さが目立ち、精度が低いシュートが続いたが、それでもここで気を吐いたのが司令塔の#3米須(4年・PG)。自らがゴールにアタックして終盤は立て続けにフリースローを得ていった。残り40秒、日本経済大は抜群のバネで#3児玉(3年・SG)がオフェンスリバウンドから得点し、3点差に迫る。次のフェンスでミスすれば危ない状況に陥る日本大だったが、残り18.9秒、ボールを持った#3米須がトップから鮮やかなスリーを沈め、これで勝負あり。64-72で緒戦を突破した。全体的にシュートの調子が上がらない中、勝負どころで「自分が決めるしかない」と打ちにいったという#3米須。さすがの経験値を感じさせるシュートでチームを勝利に導いた。
名古屋学院大は立ち上がりから中央大を圧倒して見事な勝利
東海1位で出場している名古屋学院大は中央大と対戦。ディフェンスに加えて高さ、速さ、シュートの正確性で1Qからリードする。展開となった。中央大は試合の序盤こそ、#13小川(4年・SG)が立て続けにシュートを決めたが、その後は停滞。リバウンドが取れず、また名古屋学院大のガード陣のアタックでもペイントを破られていく。#21中山(4年・SG)をはじめとする相手のシュートが面白いように決まる中、巻き返せないままズルズルと引き離された。名古屋学院大はらしさ全開で全Q20点オーバーの61-88。あざやかな試合展開で2年ぶりにベスト8進出を決めた。
中央大は創部100年目。節目での頂点を目指してこの数年間チームづくりをしてきた。新人インカレでは優勝してひとつの成果を見せたが、インカレでは目標到達はできずここでシーズンを終えた。
【INTERVIEW】「早めに決まって波に乗れた」9本のスリーポイントで中央大を粉砕/#21中山玄己(名古屋学院大・4年・SG)
序盤からチーム全体に勢いがあったが、それをさらに加速させたのが中山のスリーポイント。前半から打てば入るというような状態で決まり続け、最終的には9/14という高確率で29得点。チームを何度も盛り上げた。チーム全体でもスリーポイントが15/33で、2/3近くを中山が決めたことになる。
チームとしては2022年以来のベスト8となるが、強いフィジカルや留学生の高さはもちろん、激しいディフェンスでも中央大を圧倒した。次は日本体育大との対戦になるが、目標のベスト4に向け、気を引き締め直す。
─素晴らしい試合でした。インカレまでの準備はしっかりできていたのでしょうか。
「自分たちの目標として、まだ達成はしていないんですけど、インカレベスト4というものがあります。東海リーグも優勝できていい形で終われて、インカレまでの1ヶ月でしっかりみんなで目標に向かって上げていこうということで、練習から厳しくやって来ました」
─インカレは昨年、トーナメントから登場で山梨学院大に初戦敗退しています。そこからの悔しさもこの1年の糧になっているでしょうか。
「そうですね。去年も勝てた試合であったとは思うので、そこで自分たちも戦えるということ認識し、より一層力を入れてみんなでもっと厳しくやっていこうっていう話をしてきたので、去年の経験は大きかったかなと思います」
─チームの皆さんの体つきがしっかりしていて、かなりトレーニングしている様子がうかがえます。
「トレーナーさんのトレーニングもあるんですけど、みんながそれ以外の日に、個人個人でトレーニングしたりと、今年は特に意識を高くやってきました。だから当たり負けもしないし、体力もあるし、自分たちの自信となっているところだと思います」
─今日の対戦相手は中央大でした。ガードが多くて、シュートもうまいチームですが、その中央大のお株を奪うような名古屋学院大のプレーでした。
「ディフェンスをハードにやって早い展開に持ち込むというのが自分たちのバスケットなので、それを体現できた試合かなと思っています。最初から誰が出ても厳しいディフェンスをして、リバウンドまでしっかりいって、泥臭いプレーもしっかり全員ができていたので、それが勝ちに繋がったと思います」
─そして中山選手はスリーポイントが9本。すばらしい確率でした。自分としてもかなりいい出来といえるのではないでしょうか。
「いつも通りのタッチで打っていたんですが、自分的には1、2本入ったら乗れるかなという感じで、それが早めに来てくれたので波に乗れました」
─皆のシュートも良く、ディフェンスも効いていて本当に最初から最後まで名古屋学院大のペースでしたね。
「同じことの繰り返しになるんですけど、監督もずっと自分たちのやることをしっかりやれとおっしゃっていましたし、相手どうこうというよりは、自分たちのことに集中してやった結果だと思います」
─近年は中京大もそうですが、本当に激しくディフェンスをして関東のチームを脅かすという形で東海連盟のチームが頑張っている印象です。互いに切磋琢磨できているから全国の舞台でもいい試合ができているのでしょうか。
「自分たちが1年生のときからずっと中京大とはいい感じで戦ってきて、ライバル意識もあります。インカレでしっかりお互い結果を残すっていう気持ちが、東海地区としてあると思うし、リーグ戦とかで切磋琢磨してできているおかげかもしれません」
─東海リーグは試合数も関東より少ないですが、ライバルがいることが大きいんですね。そしてベスト8には進出しましたが、インカレはまだ続きます。
「そこが自分たちの一番の目標なので頑張っていきたいと思います。次の試合は日本体育大学が相手で、高さもあるし体の部分でも多分きつくなってくると思うんですけど、みんなが今日一つになれて勝てたので、次も自分たちのやるべきことをしっかりやるというところを明日の練習で再確認し、試合に臨みたいと思います」