【2023インカレ/REPORT・準決勝2】専修大は追い上げ叶わず1点の攻防に泣き、東海大は連覇に王手(2023.12.16)

2023インカレ
劇的勝利の東海大。最後はディフェンスで見せた#25江原が#0黒川と抱き合う。

第75回の男子インカレは、5日間のインターバルを挟んでオープンアリーナ太田(群馬県太田市)、通称“オプアリ”での最後の戦いに入った。準決勝2試合目は、一時引き離された専修大が終盤に粘って追い上げる、手に汗握る展開となった。

専修大は#8介川の猛攻で追いつくが、最後のワンプレーは決まらず東海大が勝利

1Qは17-16。立ち上がりはやや様子見のところから、専修大はインサイドの強さを生かして#13クベマ(4年・C)が得点を重ね、東海大はスリーポイントや#26小林(3年・PG)のドライブといった内外の得点を重ねていった。2Q、東海大は#2轟(1年・PG・福岡第一)のスリーポイント、#4中川(1年・PF・東海大諏訪)のバスケットカウントでやや先行する。専修大はインサイドを#97ジョベ(1年・C・高知中央)に交代。体の強さを生かして連続得点していく。ここに#8介川(1年・PF・開志国際)のドライブや、#31松野(2年・SG)のジャンパーなど、1・2年生たちがゲームを引っ張った。東海大は攻撃がやや重いながらも#16西田公陽(4年・SG)のオフェンスリバウンドやドライブ、#18西田陽成(3年・SG)のスリーポイントで34-33と1点リードで前半を終えた。

3Qは東海大の#0黒川(4年・PG)の連続得点で幕開け。西田兄弟もシュートを決めていくと、10点のリードに成功する。専修大はディフェンスの固い東海大に対し、インサイドで簡単に攻めることができない。東海大はさらに残り5分から、#25江原(4年・C)、#18西田陽成らの2本をはじめ、次々とスリーポイントが決まり、すべてスリーポイントの得点で稼いで60-51とリードして4Qに入る。

専修大は終盤、身体を痛めつつ#8介川が粘り強く得点を重ね、高い能力を見せつけた。

追いかける専修大は#31松野のスリーポイントが決まり、#97ジョべのレイアップで4点差。しかし、東海大もフリースローを獲得して再び点差を開いていくと、#0黒川のスリーポイントでまた10点に戻した。しかし専修大もフリースローを獲得してじわじわと点差を縮めていくと、残り3分で5点差まで縮める。ここから奮闘を見せたのは#8介川。果敢なアタックで難しい体勢からレイアップをねじ込み、またフリースローを得ていくと、残り51.2秒で69-69の同点に押し戻した。激しい攻防で痛めつけられつつも最後まで攻撃する#8介川だが、東海大はディフェンスからボールを奪い#3ハーパー(3年・PG)のフリースローにつなげて残り4.2秒で70-69。専修大は最後のポゼッション、ゴール下でリングを狙うが、ディフェンスに阻まれタイムアップ。東海大が勝負際をしのいで決勝進出に名乗りを上げた。

東海大は準々決勝の日本大と同じく、完全にインサイドに入り込まれる以外ではペイント内で得点させず、専修大の強みを削っていった。そしてこの日大きく鍵を握ったのはスリーポイント。専修大の3本に対し、東海大は12本と差をつけた。専修大とのリーグ戦は、特に1巡目がチームを立て直すきっかけになった試合でもあった。そしてインカレでも再びチームの核を再確認する形での勝利。東海大はこれで白鷗大と同じく3年連続決勝進出。一昨年は白鷗大が、昨年は東海大が制し、3度目の対戦に注目が集まる。

最後のプレーはゴールエンドから入れたボールを#13クベマが決めにいくが、東海大も渾身のディフェンスで食い止めた。

専修大はなかなかファウルをもらえず、また自身のファウルがかさんで攻撃に苦労した。その中でも#8介川が非凡さを見せて17得点と粘ったが、わずか1点に涙を飲み、3位決定戦へと進んだ。


【WINNER  COMMENT】「上に行けると信じていました」3年連続の決勝へ/陸川 章監督(東海大)

「専修大さんは能力のある選手たちで粘りました。でもよくこちらも我慢して勝ちきったと思います。今日はリード出来ていても、何回も追い上げられました。でも、みんなで声をかけあって乗り越えていったことを褒めてあげたいです。

今シーズンはリーグ戦の日体大戦でぼろ負け(94-51)したのがチームの転機になりました。私は東海にきて、あんなに負けたのは初めてでした。でも、あの後から練習がすごく良くなりました。もう一度我々がどんなチームかとか、原点に回帰することができたんです。我々はディフェンスのチームで、そこから走るっていうことを徹底して練習していったら、だいぶいい流れ、光が見えてきた感じになりました。

昨年、勇輝(現B1横浜)が抜け、今年は金近(現B1千葉)が抜け、昨年も今年も勝てるのか、頂上まで行けるのかと周囲から言われました。シーズン前半は怪我人も多く、前野(#7)や陽成(#18西田)も抜けている時間が長かったです。でもその分、下級生が経験を積めましたし、私は信じていました。『みんな行くよ。絶対(てっぺんに)行くからね』と。周りからはそう思われていなかったかもしれないけど、私はみんなに『行くよ』と言ってきました。そしてここまでちゃんと来ました。

明日の決勝は3年連続白鷗大さんが相手です。どんな流れになるかわかりませんが、苦しいときも楽しもう、口角を上げようということを言いながらやってきました。明日もそのように頑張ります」


【INTERVIEW】「インカレでは調子はいい。今日は決めきることができた」4本のスリーポイントがチームの力に/#18西田陽成(東海大・3年・SG)

スリーポイントが4/6、20分の出場で15点のチームハイ。数点差で競り合う中で、西田のシュートがチームを乗せる追い風となった。
春から秋のリーグ序盤まで怪我で試合を欠場したが、ここにきてようやくこれぞ、という活躍に、本人も責任を果たしたとホッとする。得点源として欠かせない存在だけに決勝にも期待がかかるが、今の東海大の武器は“チーム力”。全員一丸で頂点を取りにいく。

─最後まで競り合う試合になりました。どのように考えながら試合をしていましたか?

「インカレが始まってここまでの2試合は、自分の仕事が全然できていなくて、今日こそはという思いでやってきました。今日はこうやって結果を出したので。一安心というところです」

─ディフェンスが軸ではありますが、西田選手の4/6のスリーポイントは本当に大きかったです。

「今大会を通してずっとシュートタッチは良いんです。でもここまでは決めきることができていなかったので、今日はしっかり決めきることができてよかったです」

─春は怪我もあり、手術もあって試合から長く離れる状態でした。その間の想いは?またインカレに向けて合わせてこられたという状態でしょうか?

「半年間チームの練習に参加できていなくて、なかなか自分の調子も上げることができずにいた状態でした。でもリーグ戦で復帰して、試合には出してもらっていて、責任があるなとは常々思っていました。リーグ戦はシュートが入っているときはあっても、まだまだこれからという状態でした。自分の働きをしなくてはいけないという想いはずっとあって、それでインカレに合わせる感じで、どんどん調子が良くなってきていたので、そこはよかったと思います。」

─同じく3年の前野選手(#7)もまた同じような状態で、長く欠場しました。3年同士で励まし合うような状態だったのですか?

「幹太(#7前野)はずっとリハビリも一緒にやってきて、チームがどうすれば良くなるのか、という話をずっとしていました。それ以外の3年からも、いろいろ励ましてもらって、『お前たちが戻ってきたら』という声かけをずっとしてもらっていて。それが励みになっていました」

─その励ましに2人で応えているインカレですね。優勝まであと一試合です。

「あと一つなので、やはり4年生を男にするという気持ちをずっと持ってやっているので、最後は勝ってそれを実現したいです」

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