【2023インカレ/CLOSE UP】「昨年の1年で準備できていた」選手権監督を努めながら挑むインカレで結果を追求/#32川畑 颯太郎(広島大・4年・コーチ・主将・PG)

2023インカレ

ともに1勝、勝利した方がグループステージ突破となる仙台大広島大の戦いは、最後まで1ゴールを争う展開で白熱した。ともに激しいディフェンスが持ち味で、なかなかゴールを割らせない試合は、最後の最後に広島大が抜け出し、競り合いを制す。広島大にとっては昨年ここで敗退した悔しさを、1年ぶりの舞台で見事晴らす結果となった。駆けつけた数多くのOBの応援もまた、胸を熱くするものだった。

全員の奮闘が光ったが、中でも目を引いたのは、広島大の主将#32川畑(4年・PG)の姿だった。

川畑が指示するだけではなく、チーム内でも互いに声を発する姿があった。

スタメンとして出場し、しかしベンチに戻ればコーチ証を身につけて指揮を執り、タイムアウトにはベンチでメンバー同士が戦術について確認や話し合いを行う。“選手兼監督”としてチームを指揮する姿は、昨年同じように動いていた主将・山本(卒業後は福岡大附属大濠高校アシスタントコーチ)の姿とかぶる。

【2022インカレ・PLAYER】選手、そしてコーチとしても奮闘し、インカレでもぎ取った悲願の1勝/#17山本草大(広島大・4年・主将・PG/学生コーチ)

昨年に引き続き、主将が選手兼監督、かつスタメンでもあるというスタイルで臨んでいる広島大だが、それは別にチームのスタイルとして継承したものではないという。

「もともと、広島大のコーチは大学院生が担うことを理想としています。やはり大人の方にコーチになっていただくのがいいことだと思っているので。ただ、昨年に引き続いて今年も該当する方がいなくて、自分がやることになりました」

覚悟もあって引き受けた役割だが、周囲からの助けももちろんある。

「自分が試合に出場しながら選手の交代や戦術を考えるのは、確かに頭がいっぱいです。でも昨年、同じようにやられていた山本さんの姿を見ていて、学ぶ1年がありました。山本さんの苦労を見られたおかげでイメージできて、準備できていたところもあって、そこまで苦しまずにできているのかなと思います。また、同期の声も助けになっています。山本さんともいろいろ話をさせていただいていますし、もちろんほかの先輩方からもたくさんアドバイスをいただいています。だから山本さんにはまだまだ及ばないけれど、去年できたこと、できなかったことをいろいろ含め、今年のチームに持ち込めて作れているのかな」

仙台大との試合にはOBが多数集合。山本も福岡から駆けつけた。

川畑は昨年もスタメンで試合に出ており、チームの得点源として活躍をしていた選手。そういう存在がコーチも兼ねる、というのはさまざまな面で葛藤や難しさがあるように感じるが、それはあまりないという。

「昨年は山本さんというポイントガードがいたので、自分が点を取りにいくのが役割でした。でももともと自分はそんなに点を取るというタイプの選手ではなく、またポジションも本来はポイントガードで指示を出す立場なので、コーチを兼任するにあたってはそこまで難しさのようなものは感じませんでした。今年は後輩や同期にも点を取れる選手はいるので、みんなにパスを出すことに専念しています」

現役学生主体は決して望んだ形ではないが、それでもその良さを十分見せ、学生バスケらしい魅力を発揮しているともいえる。

「コーチングは、大人の方が見てくださる環境に越したことはないと思います。やはり自分が選手兼監督だと目が行き届かなかったり、経験がなかったり、交代とか戦術とか、ほかの監督さんに比べたら至らない点がたくさんあると重々感じています。でも、学生だからみんなで一緒にやりながら平等な目線になれるし、自分も言うし、仲間も自分に言える。互いにフラットな関係でこうした方がいい、ああした方がいいとやりあいながらできています。そこが大人の監督さんがいるチームとは少し違う点かなと思っています。そういうチームでもやれるということを、今日と昨日の試合に勝って証明できたのは良かったと思います」

そんなチーム状況で対戦した仙台大のコーチは、実業団でも実績のあるベテラン・村田健一監督。コーチングでは「戦術やさまざま部分でかなわないと思った」と素直に認めるが、互いに最後まであきらめない姿勢ではどちらも劣ることはなかった。

「仙台大さんもひたむきにディフェンスを頑張ってオフェンスも頑張って走るという、うちと似たようなスタイルで、どちらが粘り勝つかという試合だったと思います。最後まで粘った上でどっちに転ぶか。たまたま今日はうちに試合が転がったと思うし、もしかしたら逆だったかもしれません。自分たちの気持ちだったり、球際だったり、ほんの少し何かで上回れたのが勝因だったかなと思います」

1年越しのグループステージ突破だが、目標はあくまでトーナメントで勝つことだ。

「もちろん、今日勝てたことはよかったけれども、内容としてはまだまだ反省点があると思うので、そこは明日の試合に繋げていきたいと思っています。結果を残すことを目標に、この1年やってきました。トーナメントで中央大学に勝つことを目標に頑張ってきたので、明日こそもっといいゲームをしたいと思います」

中央大もコーチはいるがどちらかといえば学生主体のチーム。関東の中盤位は簡単ではない相手だが、学生らしさでぶつかり合い、広島大らしさを発揮してもらいたい。

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