第75回のインカレはトーナメントステージへと突入。8試合が行われ、一気にベスト16まで絞られた。
トーナメントから登場の8チームがこの日初戦を迎えたが、関東1部チームでは神奈川大(関東11位)が初戦敗退となり、この段階からの初戦を迎える難しさも垣間見えた。
そして勝利した8チーム、大阪産業大、明治大、山梨学院大、筑波大、天理大、早稲田大、日本経済大、中央大は、翌日より登場する上位シード校とベスト8をかけて激突する。
明治大が拓殖大の追い上げをかわす
拓殖大(関東12位)と明治大(関東10位)は、この段階では唯一の関東1部対決。前半から試合は明治大のリード。#13平松(3年・PG)が起点となって攻め、またディフェンスでは拓殖大の得点ポイントを押さえて簡単にはシュートを打たさない。前半を28-40とリードすると、後半3Qではディフェンスでよく押さえ、拓殖大は5分間ノーゴール。差を広げた。しかし4Q、ようやく拓殖大のスリーポイントが入り始め、速攻なども出て差を縮めていくと、1点差まで猛追。しかし明治大は#13平松のスリーポイント、フリースローが要所で効いて、勝負どころで寄せ付けず、65-74で勝利を飾った。
浜松学院大は筑波大相手に競り合いに持ち込むが終盤に差が開く
2度目のインカレ出場になる浜松学院大(東海3位)は筑波大(関東7位)を苦しめる試合展開を見せた。1Qこそ筑波大がリードしたが、浜松学院大はゾーンディフェンスから流れを掴み、ターンオーバーから走って追い上げる。焦った筑波大はシュートが入らず、前半は33-33の同点。後半も一進一退の攻防が続き、浜松学院大は
60-71。筑波大は昨年このベスト16で初戦敗退となったが、今年は追い込まれつつも最初の関門を突破した。
立ち上がりからリードした福岡経済大が神奈川大に勝利
神奈川大(関東11位)と福岡経済大(九州1位)の対戦は、追い上げる神奈川大を振り切って福岡経済大が勝利した。
福岡経済大は1Q、内外ともに好調で10-25と一気に引き離した。その後もリードを守って3Q終了時には20点ほどの差をキープする。しかし4Qに神奈川大が猛追。激しいディフェンスからターンオーバーを奪い、次々にシュートを決めていく。福岡経済大は残り4分に#33キエキエトビー(3年・C)が痛恨のファウルアウト。互いのプレッシャーや焦りからか、ボールが手につかず行き来する落ち着かない時間が続いた。しかし終盤、福岡経済大がフリースローを獲得し、#7オヌワジェ(1年・C・八女学院)がブロックでも魅せて盛り上げ、リードを守り切って67-75。
【INTERVIEW】「目標の関東にチーム一丸で戦って勝てた」11度目出場で初勝利の今大会、さらなる結果を目指す/#14内藤凌太(福岡経済大・4年・主将・PG)
グループステージから勝ち上がり、ベスト16進出を決めた福岡経済大。関東以外の大学で、グループステージからの出場でベスト16に進んだ唯一のチームとなった。
近年はインカレ出場の常連校ではあるが、実は勝利を収めたのは今大会初めて。今年は西日本選手権も制し、新人チームは7月の新人インカレでも奮闘し、勢いのある状態だ。主将の内藤は膝の怪我から復帰してきて、自身も好調という。チームとしてさらなる結果を手にできるか、次戦も目が離せない。
─見事な勝利でした。インカレでは大きな1勝ですね。
「日本経済大自体が、インカレで勝ったのは今回が初めてになります。新人インカレでは勝利していますが、インカレで勝ったのは初めてになります。関東に勝ったことも初めて。グループステージで2勝して、合計で3勝です。だから、そこは嬉しいです。関東に勝つというのは目標にしていたし、それを達成できて、応援も含めてチーム一丸で戦えました」
─常連ではありますが、意外でした。グループステージからの登場になり、試合数が増えるのは負担ではありますが、それはいかがですか?
「去年はシードで、いきなりトーナメントからの試合で負けてしまいました。今日の神奈川大学さんみたいな状態だったと思います。去年は入りから固かったんです。今出ているメンバーは去年のインカレの主力という選手はあまりいません。その分、グループステージから経験できたことは、感覚を慣らすことができたといいますか、そんなにネガティブな感覚ではなかったです」
─西日本は見事優勝して、でもインカレは枠の関係で九州1位でもグループステージからでした。リーグ戦では反省などはありますか?
「リーグ戦では1つ負けてしまったのですが、そのときは普通にやったら勝てる、という感じで試合に入ってしまい、試合の中で個々がバラバラになって個人技に終始してしまいました。そこでミーティングで反省して、自分たちがやってきたことを見直して、意味のある負けにしようとしました。そのおかげで自分たちの強みや、どうすればいいかといったことをもう一度振り返ることができたと思います」
─さまざまな積み重ねで今があるように見えます。次は東海の1位、中京大戦になります。
「西日本選手権では彼らに怪我人がいたこともあって、対戦は叶っていません。中京大とは、本当に西日本の王者を決める、というような意味合いもある戦いになると思うので、しっかりやりたいと思います」
好調な立ち上がりを見せた広島大を中央大が2Qに逆転
中央大(関東8位)に挑んだ広島大(中国2位)は、1Qはゾーン主体の好ディフェンスとシュートの上がりで10-0と最高の立ち上がり。1Qは23-17とリードした。2Qにシュート確率が落ちてくると逆転されてしまうが、後半もタフなディフェンスで粘り強さを見せて食い下がった。2Qの6-30の差が響いたが、残りの3Qは互角に戦い、68-92。
早稲田大は競り合いから勝利、初出場の山梨学院大はまず1勝
早稲田大(関東13位)は京都産業大(関西2位)と接戦に。しかし後半#3高田(2年・SG)のスリーポイントが当たり、#22飯島(3年・PG)がディフェンスや速攻で貢献し、87-82で競り勝ち、ベスト16進出。
インカレ初出場となる山梨学院大(関東9位)は、九州産業大(九州2位)に後半4点差まで縮められる時間もあったが、スタメンがきっちり仕事を果たし80-73で初戦突破した。