シーズン最初の公式戦であるトーナメントは、どこが勝つか予想しづらいのが特徴の一つ。昨年準優勝の東海大が既に姿を消し、2部の山梨学院大が躍進するなど、ベスト8の顔ぶれは新鮮だ。ここからさらにチームは4つに絞られ、高みを目指す。
3Qに差を覆し、筑波大が大東文化大に逆転勝利
新人戦決勝でも対戦した両者が、今度は全体チームで相まみえた。立ち上がりは筑波大にターンオーバーが続き、大東文化大がゴール下、アウトサイドとも強さを見せて一気に開くが、筑波大も#34三谷(3年・SF)を筆頭にトランジションが出始め、さらにはスリーポイントが連続で決まると追いついて1Qは22-23。2Qになってもその勢いは途切れずルーキー#13岩下(1年・PG・福大大濠)が速攻、スティールと好プレーを連発。大東文化大は#4菊地(3年・SG)が要所で決め、また#14谷川(PG)の好アシストも光る。1点を争う状況から、最後は#12中村(4年・PG)、#7高島(4年・SG)のプレーで締め、38-46と大東文化大が前半リード。
3Q、筑波大はファウルが続く。その間に大東文化大は#21富山(2年・PF)がスリーポイント、バスケットカウントで引き離す。大東文化大リードの中、反撃の起爆剤となったのは#28浅井英矢(2年・PF)。ペイント内へのアタック、スリーポイント、速攻と次々に得点を奪い#34三谷の速攻、#7浅井修伍(4年・PF)のジャンパーも決まる。残り1分、#28浅井英矢のスリーで最大14点あった差をひっくり返し、63-60で3Q終了。続く4Q、引き続き#28浅井英矢の得点が続くが、一方でチームにファウルも増えていく。大東文化大は筑波大のディフェンスに苦戦しつつもフリースローで粘る。それでも4点差から先が縮められない大東文化大は我慢が続くが、終盤に#4菊地が奮闘。残り1分半からスリーポイントのバスケットカウント、さらにはもう1本のスリーポイントも決まり、残り45秒で78-78の同点に追いついた。しかし筑波大は続くオフェンスで#31小川(2年・PG)が個人技を決める値千金のプレー。19.8秒からの大東文化大の攻撃は、#21富山にボールがわたり、スリーを放つがこれは決まらず。最後は#7浅井修伍が得たフリースローを1本決め、81-78で筑波大が接戦を制した。
【2022トーナメント】「ディフェンスやリバウンドの部分で貢献したい」期待の成長株が目指すさらなる飛躍/筑波大#28浅井英矢(2022.5.6)
中央大は終盤追いつくが、白鴎大が競り勝つ
東海大を倒して波に乗る中央大は、次なる対戦相手として白鴎大に挑んだ。中央大は激しい守りから速い展開を出すのが持ち味だが、ディフェンスに定評のある白鴎大はそこをしっかり抑えていく。エースの#21渡部(4年・SF)が守られ、東海大戦で成功したようなスタートダッシュが切れない中央大は15-9と出遅れた。それでも2Qの立ち上がりの連続得点で追いついた中央大だが、白鴎大はさらに守りを固め、オフェンスでは#25ジョエル(1年・PF・別府溝部学園)の身体の強さを活かしたプレーで加点。中央大は終盤になってようやく#21渡部(4年・SF)、#60蒔苗(3年・SF)のスリーが決まり、30-27で折り返した。
3Qの入りは#0関屋(4年・G)が連続得点・その後はゴール下の#25ジョエルにボールを託し、白鴎大が得点していく。中央大はようやく決まってきたスリーが効果を発揮して食い下がるが、#25ジョエルを止めることができず、差が開いていく。3Qで9点を追う形になった中央大は#0樋口(3年・PG)、#47吉田(4年・C)、#60蒔苗で粘り再び点差を詰めると、残り6分半には#60蒔苗のスリーが決まり57-57の同点に追いつく。しかし白鴎大は#25ジョエル、#35ミサカボ(4年・PF)の得点に、#0関屋がダメ押しのシュートで残り1分で7点のリードに。中央大は#21渡部、#60蒔苗にボールを託していくが、スリーが来ず。68-63で白鴎大が逃げ切った。
【2022トーナメント】しぶとく粘り「最後に1点でいいので勝っていればいい」というのがチーム共通の意識/白鴎大#35ミサカボ・ベニ(2022.5.6)
山梨学院大の得点源を抑えた専修大がリードを保って勝利
2部で唯一ベスト8に勝ち上がった山梨学院大は、専修大と対戦。高さ、フィジカルの強さがある相手に対し、簡単にシュートを打てない場面が目立つ。専修大はドライブで簡単に突破を見せ、加点。山梨学院大はスリーポイントで粘って1Qは19-15。2Qは専修大が#12市場(2年・SG)のスリーポイントや#16浅野(2年・PF)のバスケットカウントなど、ベンチメンバーで10点のリードを得るが。山梨学院大は#67竹内(3年・SG)3連続得点、#90野溝(2年・PG)が最後にゴールにアタックを見せ、34-27の6点差で粘って前半を終える。しかし3Q、山梨学院大は半ばに#2カボンゴ(3年・C)が4ファウルとなりベンチに下がるが、交代した#70カマレムシア(1年・C・福岡第一)もやはりファウルがかさんでしまう。全体的にもファウルが抑えられなくなり、専修大に次々とフリースローを与える形になると、3Qで58-37と差がついた。4Qは専修大が20点のリードを守って試合を進め、79-55でベスト4進出を決めた。
日本大が前半に大量リード、拓殖大は最後まで粘る
拓殖大は立ち上がりに#24ユセフ(3年・C)が立て続けのファウルで早々にベンチに。この間に日本大はテンポよく攻め、得点を重ねる。#6野口(3年・SF)の速攻、#1佐藤(4年・PF)・#22飯尾(4年・SG)のスリーポイントで一気に差を開く。拓殖大は波に乗れず18-6と大きく出遅れた。2Qも日本大は持ち味のトランジションで速攻を連発し、またスリーポイントも調子よく決まって40-20と大きく差をつけて前半を終える。3Q、拓殖大は#42益子(4年・SF)のシュートで点差を縮める。日本大は外のシュートが落ちる時間帯もあったが、ディフェンスとテンポの良いオフェンスは崩さず、再び20点近いリードを維持。4Qも勢いを切らさず71-49で勝利し、準決勝へと進んだ。